アカエイについて 日本海側に生息している アカエイはトビエイ目アカエイ科に属しているエイです。日本海側に生息しており、食用として用いられています。尾を含めた全長は最大で約2m、体重は100キロに達し、多くのエイに共通するように身体は平たく座布団のような形をしています。寿命は15年ほどです。 口、鼻、鰓孔は腹面に呼吸の海水を取り入れる吸水口が背面にあります。うろこはなく、目の後ろの噴水孔付近は黄色いのが特徴です。裏側の縁はオレンジ色をしており、尾には1本の硬くて大きな棘を持っています。 比較的暖かい海の内湾や沿岸部の浅場、河口部などの砂泥底に生息し、普段は砂中に潜って目と噴水孔と尾だけを出しています。歯がとても丈夫で、獲物に覆いかぶさって甲殻類の固い殻もかみ砕いて、食事をします。アカエイは水中で自ら攻撃してくることはほとんどありませんが、干潟や河口部などで立ちこんで釣りをするときに、誤って踏んでしまうと驚いて刺されることがあります。 アカエイは毒を持つ アカエイが持つ長い尾の中には10cmほどの太くて硬い棘があり、この棘には「毒」があります。棘には鋸歯状の「返し」がついており、一度刺さると抜けにくい構造になっています。無理に抜こうとすると傷口が広がり、傷がさらに大きくなってしまいます。 毒棘には尾を鞭のように振り回すことで、ナイフのように切り裂く働きもあり油断していると思わぬ大けがをしてしまいます。アカエイの持つ毒は「タンパク質毒」というもので、直接傷の中の細胞を壊し炎症を引き起こします。 そのため、刺された直後から激しい痛みに見舞われ、10分くらいすると刺すような痛みに変わっていきます。細胞が破壊され壊死を起こし始めるため、重症化すると血圧の低下、呼吸障害、下痢、発熱などの全身症状が出て、最悪の場合アナフィラキシーショックを起こし、死に至ることがあります。 そのためアカエイに刺された場合は、患部を水やお湯でよく洗って、毒を絞り出し、できるだけ早く医療機関で手当てを受けることが必要です。気を付けましょう。 アカエイの釣り準備 季節は5月から9月 アカエイ釣りの季節は水温が上昇する初夏から秋にかけての5月から9月ごろ。この時期になるとアカエイは夜間に行動し活発に餌を追います。そのため夜釣りで釣ることがおすすめです。エイは海底の貝類や甲殻類を手当たり次第に食べ、弱った魚類なども好んで食べます。 おすすめのポイントとしては、群れが集まりやすい河口周辺が狙い目です。とくに、餌が溜まる流れの緩んだ橋脚周りや消波ブロック際、カケアガリなどもおすすめです。河口部では上げ潮の時間帯が狙い目。アカエイを釣る時の餌は、虫餌からイカ、キビナゴ、泳がせ釣りの活きた魚まで、あらゆる餌に食いつきます。アカエイの歯はとても頑丈な作りになっています。釣ったアカエイをひっくり返す際や、釣った直後などに噛まれないように注意してください。大けがになります。 竿とリールは大物釣り用 大きなアカエイを狙うのならば、竿とリールは大物釣り用を用意しましょう。道糸はナイロン10号相当以上を100mは巻いておきましょう。仕掛けは、ワイヤーハリスにジギング用フックがおすすめです。これなら10?越えの大物も狙うことができます。 仕掛けはジギング用フックが良い アカエイを釣るときの仕掛けは、ワイヤーハリスのジギング用フックを使いましょう。ハリスはワイヤを使うのが確実で、スリーブで小さなループを作り、ハリやサルカンと結節しましょう。ハリはかえしをプライヤーなどで潰しておくと、釣り上げたときにハリ外しが安全なのでおすすめです。 餌はイカや魚の切り身 アカエイは海底にすむ貝類や甲殻類、弱った魚などを手当たり次第に食べています。そのため、虫餌や泳がせ釣りの活きた魚でも釣れますが、おすすめはスーパーなどに売っているイカや魚の切り身を大きめに切ったものです。これだと食いつきがよく、釣れる確率が上がります。 アカエイの釣り方 小型のアカエイを狙うならライト投げ釣り 2?までの小型のアカエイを狙うのなら、「ライト投げ釣り」がおすすめです。ライト投げ釣りは、30号負荷の投げ竿にドラグ付きの大型スピニングリールの組み合わせでも大丈夫です。重りは遊動式にして、付き餌を口にしたアカエイに、できるだけ違和感を与えないようにするとよいでしょう。付き餌は、イカの切り身や冷凍のキビナゴなどを使いましょう。 巨大のエイを狙うなら投げ釣り 投げ釣りとは、仕掛けを遠投し、はるか沖や深場から魚を釣り上げる方法のことです。主な釣り場は「サーフ」とも呼ばれている海岸沿いの砂浜などです。巨大エイを釣りたいのなら、タックルは大ゴイ釣り用やイシダイ釣り用のものを使いましょう。10?超えの大型エイを視野に入れるなら、道糸は最低でも10号以上を使うのが無難です。餌はイカや魚の切り身を使い、小魚やエビなら丸ごと口掛けなどで装餌すれば大丈夫です。 アカエイが釣れたら注意する事 エイを踏みつけない アカエイが釣れたら、エイの動きが落ち着いたタイミングを見計らって、尾の先端を踏みつけてナイフなどを使い、尾の付け根から切り落とします。大型のエイでも比較的簡単に切ることができます。無理に切ろうとしてエイを踏みつけると、刺されてしまうので注意しましょう。切り取った尾は絶対に踏みつけずに処理しましょう。 また、河口部や砂地で立ち込んで釣りをするときに、いると気付かずに誤ってアカエイを踏んでしまうことがあります。普段は攻撃をしてこないアカエイですが、踏まれると驚いて刺してくることもあるので注意しなくてはいけません。 ルアーが海に落ちないよう注意 アカエイ釣りでは、ルアーが海に落ちないように注意しましょう。アカエイを釣り上げたとき、ルアーを外そうとして苦戦し、刺されたり、ルアーが海に落ちてしまうということが多く発生します。ルアーを外すときはエイが落ち着いたのを見計らって、外しましょう。 ロッドが折れない様に注意 どんなロッドも酷使すれば折れてしまうものですが、アカエイ釣りでもロッドが折れないように注意しなくてはいけません。ロッドスペックの推奨範囲を超えて使ってしまうと、ロッドにかかる負担は極端に大きくなり折れやすい原因になります。そのためロッドの推奨範囲やロッドの角度などに気を付けて使用しましょう。 アカエイが釣れた時の対処 アカエイをひっくり返す 1.無理をしないで糸を切る まず原則として、尻尾側には近づかないでください。釣ったエイは尻尾を左右に大きく振り回します。そのとき近くにいると足などに毒針を叩き込まれてしまいます。基本的にエイの頭部に回り、落ち着くのを待ってから糸を切りましょう。無理に糸を切ろうとしないでください。 2.頭の方に行く エイの持つ毒張りは基本的に、頭の位置までは来ません。そのため、エイを釣り上げたら頭側に回り、落ち着くのを待ちましょう。 3.目の横にある穴に指を入れる エイをひっくり返すときは目のすぐ横にある噴水孔に指をひっかけます。 4.ひっくり返す 噴水孔に指をひっかけたら、そのままひっくり返しましょう。こうすることで針を外すために腹側に簡単にひっくりかえすことができます。 刺されたら病院に行く 1.刺された場所を水で洗い流す アカエイに刺されたら、刺さった毒針をペンチやピンセットなどで抜き、患部を水やお湯でよく洗い流してください。できるだけ患部をつまみ毒を絞り出しましょう。ただし、アカエイの毒針にはかえしがついているので抜けにくい構造になっています。あまりに深く刺さっている場合は無理やり抜かず、そのまま急いで病院に行きましょう。 また、水だけでなくお湯で洗い流すのも有効です。水を使う場合は傷によっては痛みが倍増される場合があるので注意しましょう。アカエイの持つタンパク質毒は熱に弱く、60℃以上の高温で毒の成分が分解されるのです。そのため、火傷しない程度のお湯をかけるのもおすすめです。30分以上お湯に浸すと痛みを和らげる効果が期待できます。途中でお湯が冷めてきたら足し湯をして温度を調整してください。 2.心臓より高い位置に上げる アカエイに刺されると場合によっては酷い出血を伴います。そのため、出血を止めるためにも傷口を心臓より高い位置に上げておきましょう。こうすることで軽い傷ならばすぐに出血が止まります。止血と同じ効果があるので効果的です。 心臓よりも高い位置に上げても出血が止まらない場合は、足の付け根などを強く縛って止血をしましょう。ただし、毒を抜いていない状態で止血をしてしまうと毒が身体に回ってしまうので、必ずよく毒を抜くようにしてください。 エイの調理方法 エイの煮付け 1.食べやすい大きさに切る まずはアカエイを食べやすい大きさに切ってください。アカエイを切り身にしたら、表面を丁寧に擦り、熱湯にさっとくぐらせます。こうすることで余分なぬめりを落とすことができます。切り身は大きかったら適当な大きさにカットしましょう。 2.鍋に醤油、みりん、砂糖を入れる 鍋に醤油、みりん、砂糖を入れて煮立たせ、アカエイの切り身を入れます。臭み消しに生姜を入れても美味しいです。切り身を入れたら吹きこぼれに注意して、中火で一気に煮込みます。 3.エイを10分煮込んで完成 中火にして約10分ほど煮込んだら完成です。昔からゲテモノ扱いされがちなエイですが、活〆して下処理をすれば美味しく食べることができます。 エイの唐揚げ 1.エイの切身を一口カットする エイの切り身を食べやすい一口大にカットしていきます。ここでは2人前、200gを目安に作っていきます。 2.しょうゆ・みりん・にんにく・おろし生姜を合わせた漬け込み液に5分漬け込む エイを一口大にカットしたら、しょうゆ大さじ2、みりん小さじ2、にんにく1かけ、おろし生姜大さじ1を合わせた漬け込み液に約5~10分漬け込みます。 3.180度の油で揚げる 時間が経ったら漬け込み液から取り出し、片栗粉を揉みこみます。片栗粉がまんべんなく付くようによく揉みこみましょう。油を鍋に入れ、180℃に熱したらエイの切り身を入れ、カリッとなるまで揚げます。お好みでレモンを絞っても美味しいですよ。 エイのレバ刺し 1.新鮮なエイの肝をラップに包む エイの肝は悪くなるとアンモニア臭がするので、必ず新鮮なものを使ってください。自宅にもって帰るまでの間も、なるべく氷などで冷やしながら持ち帰りましょう。まず持ち帰った新鮮なエイの肝をラップにきれいに包みます。 2.ジップロック等に入れて一晩冷凍する ラップに包んだものをさらにジップロックに入れて、一晩冷凍します。 3.冷凍した肝を切る 一晩経ったら、冷凍したエイの肝を取り出し、食べやすい大きさに切りましょう。 4.ごま油と塩で食べる 一口大にスライスしたら完成です。規制で食べられなくなった牛や豚のレバ刺しですが、こちらのレバ刺しはあっさりとした味わいです。ごま油と塩で食べると美味しいですよ。ただし、エイの肝はビタミンAが豊富なので食べ過ぎには注意しましょう。 エイ釣りは大変だけど美味しく食べましょう エイには強靭な毒針があり、釣ると大暴れして針を抜くのも一苦労です。アカエイの毒は細胞を破壊し、放置すると重症化する恐ろしいものですが、釣り方や対処をきちんと学んでおけば、そこまで怖がらずとも釣りを楽しむことができます。 また、アカエイの切り身や肝は絶品で、牛や豚のレバ刺しが規制で食べられなくなった代わりに食べる人も多いです。きちんとエイ釣りの基本や注意点を学んで、楽しくエイを釣りましょう。 RELATED POSTS 関連記事一覧 筋トレ効果が出始める期間を知ろう|筋トレの目的別効果も大公開 | 2020.04.06 人気の「ダンベルスクワット」で鍛えよう。正しいフォームや効果とは | 2020.04.06 男性用の白髪染め初めての方は必見|どこから見ても隙のない男へ | 2019.09.05