初心者でもできるボラ釣りの方法とは?特徴を押さえて挑戦しよう

初心者でもできるボラ釣りの方法とは?特徴を押さえて挑戦しよう

2018.02.23

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ボラの特徴

全国の沿岸に生息している

ボラは、全世界の熱帯・温帯の海の近くに広く分布しています。日本では北海道以南に生息しています。基本的には海水魚に分類されますが、河口や内湾の汽水域に多く見られ、幼魚のうちは淡水域の河川にも姿を現します。 水の汚染に強いため、都市部の港湾や川に現れることも多くあります。体長が同じくらいのボラ同士で群れを成して、水面に近い場所を泳ぎ回っています。時には海面上に大きくジャンプすることもあります。ジャンプする理由については、物音に驚いたためや、水中の酸素が欠乏しているため、ジャンプの衝撃で体についている寄生虫を払い落とすためなど諸説ありますが、詳しいことはまだ解明されていません。

沿岸のボラには臭みがあってまずい

ボラは、水の汚染に強いため、汚染された水域にも多く生息しています。沿岸近くに生息しているボラは、その海底の汚れた泥などを吸い込んで食べているため、泥の臭いがボラの身にもついてしまいます。「ボラの身は臭みがあってまずい」というのを耳にしたことがある人もいるかもしれませんが、それは、汚染された水域に近い沿岸に生息しているボラのことを指しています。 外洋に面した磯など、水質のキレイな領域で釣れるボラは、とてもおいしいことで有名です。ボラを食べたときに、「泥臭い」という印象を持った人は、沿岸近くで漁獲された、泥をたくさん食べているボラを食べた可能性があります。キレイな水質の領域で漁獲されたボラを食べることで、ボラの印象が変わるかもしれません。

エサはオキアミやアミエビ

ボラの食性は、何でも食べる雑食性ですが、主に、水底に積もったデトリタス(生物の死骸やそれらの排泄物を起源とする微細な有機物粒子)や石に付着した藻類をエサとしています。細かい歯の生えた上アゴをほうきのように使いながら、平らな下アゴをちりとりのように使って、泥ごと口の中に取り込んで食べます。 ボラを釣る際に使うエサとしては、オキアミやアミエビがおすすめです。釣りのえさとして使われるオキアミは、正式には「南極オキアミ」という大型のアミエビのことです。市販されているオキアミは、Mサイズ、Lサイズ、LLサイズがありますが、Mサイズはあまり流通していません。ボラは、より小さいエサを好むため、オキアミを購入する際には、Lサイズのものを選ぶとよいでしょう。

一番脂の乗る旬は冬

ボラは年中釣ることのできる魚ですが、旬は秋から冬にかけてです。特に、冬のボラは「寒ボラ」とも呼ばれ、一番脂が乗っていておいしいといわれています。大小で味に差はありませんが、大きい方がより脂が乗っていることが多いです。 ボラは、生のまま刺身としても食べてもおいしいですが、塩焼きや味噌煮、鍋に入れても活躍してくれます。寒い冬には、脂の乗った寒ボラで鍋料理がおすすめです。また、ボラは身だけでなく、卵巣や幽門、白子も味がいいことで知られています。流通量は少ないので、見かける機会は少ないかもしれませんが、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。  

ボラの基本的な釣り方

撒き餌を使ったウキフカセ釣り

「ウキフカセ釣り」は、魚をおびき寄せるために撒き餌を撒いて、撒き餌と同時に、仕掛けとなるエサを水中に漂わせて釣る方法です。撒き餌と一緒に仕掛けを漂わせることで、魚が違和感なく、仕掛けのエサに近づいて食べてくれるのを待ちます。 ボラは、魚が仕掛けに食いついた証である「あたり」が小さいので、せっかく仕掛けに食いついていても、気付かずに取り逃がしてしまうことがあります。感度の高い立ちウキを使うことで、「あたり」を見逃さないようにしましょう。

コマセを使うサビキ釣り

「サビキ釣り」は、魚を寄せる効果のあるコマセを水中に拡散させることで、魚を寄せ集め、それを「サビキ」と呼ばれる擬餌バリで釣り上げる方法です。仕掛けを足元の水中に落とすだけなので、釣り針にエサをつけたり、仕掛けを遠くまで投げ入れたりする必要がないため、釣りの初心者でも手軽に楽しむことができます。 「サビキ」にはさまざまなデザインや種類があります。「サビキ」を使ったサビキ仕掛けが釣果を大きく左右することがあるので、大きさやデザインが異なるものを数種類準備し、当日のボラの食いつきに応じて使い分けるといいでしょう。

エサを付けるだけのウキ釣り

エサを付けるだけで手軽に釣りを楽しむことができるのが「ウキ釣り」です。ウキ釣りは、「ウキ」と呼ばれるプラスチック製や木製の道具を使う釣り方です。ウキは、アタリを知らせてくれたり、ウキの重さで仕掛けを遠くに飛ばしたり、エサを魚が多くいるとこのに漂わせたりする役割を担っています。 ウキが動くことで、魚が釣れた証であるアタリを視覚的にとらえることができるので、初心者にもアタリが分かりやすいことが魅力です。慣れてくると、ウキの動き方で潮の流れや釣れた魚種なども判断できるようになっていきます。

大型のフックを使った引っ掛け釣り

エサを使わずに、引っ掛け針と呼ばれる大型のフックに魚を引っ掛けて釣り上げる「引っ掛け釣り」でも、ボラを釣ることができます。ボラは群れを成して回遊する習性があるので、一匹見つかれば、そこには数十匹は群れている可能性が高いです。また泳ぐスピードがそれほど速くないので、引っ掛け釣りに向いている魚ともいえます。 回遊している群れに向かって、ダイレクトに引っ掛け針を投げ込むので、目に見える範囲に回遊しているときは釣り上げるチャンスですが、姿が見えていない場合には、空振りに終わることも多いことを頭に入れておきましょう。

疑餌針を使うカットウ釣り

「カットウバリ」と呼ばれる擬餌針を使い、ボラを誘き寄せて針に引っ掛けるカットウ釣りという手法もあります。カットウバリはさまざまなタイプのものが市販されていますが、タコベイトなどを使って自作することもできます。オリジナルのカットウバリを作り、釣りに挑むのもひとつの楽しみ方です。 カットウバリにかかったボラが、ハリから外れるときに、仕掛けが体を直撃することがあります。直撃を避けるために、釣り糸は短めにしておくことをおすすめします。

アミエビを模したフライでフライ釣り

ボラが好むエサであるアミエビを模したフライという仕掛けを使ってボラを釣り上げる「フライ釣り」は、フライフィッシングとも呼ばれています。フライは、アミエビを模したものだけでなく、淡水魚や海水魚などが捕食すると思われるあらゆる種類のものを表現するために作られた疑似餌です。 フライ釣りでボラを釣りたい場合には、堤防などで、コマセを撒いてからアミエビを模したフライを水中に入れて、食いついてもらう方法の他、藻に模したフライで、流れ込みにやってくるボラの群れを狙う方法があります。活性の高いボラを探すことで、ヒットの可能性をあげましょう。  

ボラ釣りの仕掛けのポイント

エサはイソメ類を使わない

魚の釣り上げるために重要なのは仕掛けに使うエサです。ボラを釣るときには、イソメ類をエサとして使わない方がいいでしょう。ボラ以外の魚をターゲットにしているのに、ボラばかり釣れてしまう場合には、イソメ類をエサにすることで、ボラは釣れる可能性は低くなります。 ボラは小さな口でついばむようにエサを食べます。アミエビやオキアミの小さ目のサイズのものをエサにするといいでしょう。

ウキの色は赤色にする

赤は水中でも視認性が高く、好奇心が高い魚は、赤い色のものに寄ってくる性質があります。ボラも赤い色のものに反応する魚の一種です。ウキの色を赤色にすることで、ボラが自然と寄ってくる可能性が高くなります。ウキを使った釣り方をする場合には、赤色のウキを試してみましょう。 ボラは冬になると、目の周りに脂肪がつきやすく、視力が低下します。そのため、赤いものを見かけるとそれをエサだと勘違いして引き寄せられてきます。冬のボラ釣りを楽しむ人には特におすすめです。

ボラ掛け針を使う

ボラを専門的に狙う場合には、「ボラ掛け針」というボラ釣り専用の引っ掛け針を使用しましょう。前述したとおり、冬になって、目の周りに脂肪がついたボラは、視力が低下します。赤色の仕掛けをエサと勘違いして引き寄せられてきたボラを、ボラ掛け針で引っ掛けて釣り上げます。ボラの視力が低下する冬に、ボラ釣りをする人は、赤い仕掛けとともに、ボラ掛け針を使うと効果的です。

釣れない時はいろんなエサを試してみる

ボラ釣りに適したエサは、オキアミやアミエビと言われていますが、ボラは雑食性なので、基本的にはなんでも食べます。オキアミやアミエビなど定番のエサへの反応が悪い場合には、いろんなエサを試してみることをおすすめします。 避けた方がいいといわれるイソメ類をエサにして釣れることもあれば、食パンを使って釣れたという事例もあります。さまざまなエサを用いてチャレンジしてみましょう。  

ボラをルアーで釣る時のコツ

小型のシンキングペンシルを使う

ルアーでボラを釣るときには、小型のシンキングペンシルを使うのがおすすめです。シンキングペンシルは細長い棒状のルアーで、受ける水の抵抗が少なく、左右にふらふらと揺れる動きが特徴です。 シンキングペンシルの動きは、ボラがエサとして好むゴカイのくねるような動きに似ているため、ボラを寄せ付ける効果があります。アピールは弱いですが、ナチュラルな誘いをかけることができるアイテムです。

口に合わせて小さめのルアーを使う

ボラは、体の大きさのわりに口が小さい魚です。口が小さいため、ハリがかかりにくいので、何度もアタリがあるのに、なかなか釣り上げることができないことがあります。 ボラを狙う際には、口のサイズに合わせて、小さめのルアーを使うことをおすすめします。何度もアタリのある場所には、確実にボラがいるので、うまくハリがかかるまでトライしてみましょう。

ライトクラスのロッドを使う

ルアーのロッドには硬さや長さなどによって、さまざまな種類があります。釣る魚が大きくなればなるほど、硬いロッドが必要になりますが、釣り初心者の場合には、まずはライトクラスのロッドから始めるのがおすすめです。ライトクラスのロッドは、軽いだけでなく、扱うルアーが多いので、試しに使ってみるには最適なクラスです。 ライトクラスのロッドを使っているうちに、もっと重いルアーを投げたいと思うようになったら少しずつパワーのあるクラスのロッドに切り替えていきましょう。

基本の動かし方はスローのタダ巻き

ボラを狙うときのルアーの動かし方は、基本的にスローのタダ巻きです。「タダ巻き」は、リールを巻くことでルアーを泳がせる手法のことで、「リトリーブ」とも呼ばれます。一定速度でリールを巻くだけではあるのですが、安定した速度でリールを巻くにはテクニックが必要です。リールを巻く速度が安定しないと、ルアーが不自然な動きをしてしまうので、注意してください。 基本的には、スローなタダ巻きで様子を見て、ボラの反応がなければ早巻きにしたり、デッドスローにしたりするなどの調整をするがポイントとなります。状況に応じて臨機応変に対応しましょう。

バチ抜けが起きているポイントを狙う

「バチ抜け」が起きているポイントを狙うと、水面に近い位置でバチを狙っているボラを釣りやすくなります。バチとは、水底の砂の中に生息しているアオイソメやイトメ、ゴカイ類の総称で、ボラも、バチを食料として狙っています。 バチは、産卵の時期を迎えると、砂の中から出てきて水面を浮遊します。水面の浮遊するバチを狙う魚が増えるので、バチの産卵期には、ヒット率が上がります。バチの産卵期には、「バチ抜け」と呼ばれるこの現象が起きているポイントを狙いましょう。

透明度の高いところではワームを使う

水の透明度の高いところでボラ釣りをする場合には、ワームを使うといいでしょう。ワームとは、合成樹脂やラバーでできた柔らかいソフトルアーの一種です。見た目はエサに似せて作られています。 なかでも「ガルプ」は、魚が好むとされる強い臭い成分を配合しているので、集魚効果が高いです。水の透明度が高いときには、ルアーのデットスローを見切れてしまう可能性があるので、ガルプを使用することをおすすめします。  

引きの強さが味わえる大物のボラを狙おう

ボラは口が小さく、エサを少しずつついばむように食べるので、アタリが弱く、仕掛けに引っかかっていることに気づかないことも多くあります。引きの強さを味わうことのできる大物のボラを狙うことで、アタリも感じ取ることができるでしょう。大物を釣り上げたときに味わうことのできる感覚は、釣りの醍醐味ともいえます。 シーズン問わず、初心者でもチャレンジすることができるボラ釣りで、ぜひ大物に挑んでみましょう。

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