クロスバイクのギアの基礎。正しい使い方とメンテナンスを覚えよう

クロスバイクのギアの基礎。正しい使い方とメンテナンスを覚えよう

2018.02.23

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クロスバイクのギアの基礎

ギアと回転数の関係

クロスバイクに乗るときは、「ケイデンス」と呼ばれるペダルをこぐ速さが大切です。ケイデンスを知るためには、1分あたり何回ペダルを回転させているかを数えれば調べることが可能。ケイデンスは大体1分あたり80~90回程が望ましいとされています。 ペダルの回転数を1分あたり80~90回程、一定にすることが望ましいのですが、坂道では足への負荷が大きくなり、保つことが難しいことも。そこで、ギアでペダルの重さを調節し、ペダルの回転数を保てるようにします。上り坂ではギアを軽くし、下り坂ではギアを重くすることで、ケイデンスを一定に保つことが可能です。

クロスバイクのギアの変速

現代のクロスバイクのギアの変速は、3×8=24段変速、3×9=27段変速が一般的です。フラットバーロードだと2×9=18段変速などもあります。 普段乗るような自転車や、子供用の自転車等では、ギア変速は多くても6段変速程度です。数字の違いだけを見てもわかる通り、クロスバイクのギアの変速は非常に細かくできています。そのため、クロスバイクの初心者はどのタイミングでどのギアを使うのかわからず、ギアチェンジに迷ってしまう方が多いようです。

前のギアと後ろのギア

クロスバイクのギアには、前のギアと後ろのギアがあり、前後の変速を使い分けなくてはなりません。前のギアは、「フロント変速」と呼ばれており、右手側に2~3枚のギアがあるタイプや、ギアが1枚しかなく変速がないタイプのクロスバイクがあります。 後ろのギアは「リア変速」と呼ばれており、7~9枚程のギアがあるのが一般的です。フロントとリアのギアの枚数の違いからも分かるように、一段階の変速で変わるペダルの重さが、リアと比べてフロントはかなり大きくなります。 そのため、クロスバイクのギアの変速の際によく使うのは、細かく重さを調整できるリアのギア変速です。

ギアの組み合わせ

ギアの組み合わせは、フロント×リアの数だけあるのですが、大きいギア×大きいギアや、小さいギア×小さいギアのような使い方はしません。 大きいギア×大きいギアでは、チェーンの負荷が大きくなり、切れてしまういます。小さいギア×小さいギアでは、チェーンが緩すぎてしまい、外れてしまったり引っかるなどの原因になるからです。 基本的には、ちょうど中間くらいのギアの重さで組み合わせます。フロント×リアが3×8の24段変速のクロスバイクの場合を例に挙げると、フロントは2、リアは3~6の間で使用するのが一般的。このギアの範囲内でペダルの回転数を80~90に保てるように調整するとよいでしょう。

状況に合わせてギアチェンジ

走りながら変速を行う

停車している状態や、クランクを逆方向に回している状態のときにギアチェンジをすると、チェーンが外れる原因になるので、停車中のギアチェンジはご法度。必ず、走りながら変速を行うようにしましょう。

ギアやチェーンを傷めないようにするためには

ギアチェンジはペダルを漕いでいる状態で行いますが、だからといってペダルを強く踏み込んだ状態でギアチェンジをするのもよくありません。ギアの歯車やチェーンに負担がかかり、傷めてしまう原因になるからです。 普通にペダルを漕いでいる状態でギアチェンジをし、ギアが変わったことを確認してからペダルを踏みこみましょう。

速度を早くしたい時のギアチェンジ

速度を早くしたいと思ったときは、重いギアにチェンジしがちですが、はじめから重いギアにするのはおすすめできません。短い時間で速度を早くするためには、ペダルの回転数を上げる必要があります。 そのために、一度軽いギアにチェンジして、ケイデンスを上げた後、重いギアへとチェンジしていくと短時間でスピードがでるような、スムーズな加速を実現することが可能です。

ギアチェンジをするときは足の力を抜く

速度を早くしたいからといって強く踏み込んでいるときにギアチェンジをすると、チェーンとギアに強い負荷がかかるので、普通に漕いでいる状態にギアチェンジをすることが大切。ギアチェンジをするときは足の力を抜くようにしましょう。

坂道を上がる時のギアチェンジ

平坦な道から坂道を上がるとき、ギアをそのままにしていると、ペダルが重く感じるため、回転数を保つことが難しくなります。そのため、ポイントとなるのがギアチェンジ。上り坂に入るときは軽いギアにして、ケイデンスを維持できるようにしましょう。 平地や坂に入った時など、負荷が変わるたびに回転数を計算するのはとても大変なこと。そのときに便利なのがサイクルコンピューターです。自動でケイデンスを計測してくれるので、簡単にギアチェンジの目安を知ることもできます。

長距離を走るときのギア

長距離を走り切るためには、重いギアで漕いだ方が距離をかせげそうと考えるかもしれませんが、それでは走り切る前に疲労がたまってしまったり、膝を傷めてしまいます。長距離を走るときには、足への負担を軽くすることが大切です。 また、ペダルが重くて走行できなくなってしまうのも困るので、長距離を走るときはギアを軽くしましょう。ギア比を小さくするために、リアのギアを大きなものにすると足への負担が軽くなります。

街中を走るときのギア

街中を走るときのギアは、ペダルの回転数を一定に保つようにすることが大切。走り始めは軽いギアで、速度が上がったらこまめにギアを重くしていくなど、ギアチェンジはこまめに行います。 一部の内装式のギアを除き、一般の場合はギアを停止中に変速できないので、信号などで停止するときは最も軽いギアに変速しておくといいでしょう。ギアチェンジに慣れるまでは、フロントのギアを一定にしてリアのギアを変速してペダルの回転数を一定にするのがおすすめです。

交通安全を心がける

街中を走るときは接触事故を起こさないように注意しなくてはいけません。人通りが多い場所や見通しが悪い場所は速度を落とし、常にブレーキに手をかけていつでも停止できる状態で走行しましょう。

ギアの種類と特徴

グリップ部分にあるグリップシフト

グリップの内側にある回転する部分で、人差し指と親指で握ってギアをシフトするものがグリップシフトです。握って回転させなければいけないため長時間の運転には向いていません。悪路でグリップを握ったときに間違ってギアチェンジしてしまうなどのミスも多くなってしまいます。 グリップの握り具合によって、ギアチェンジが正確にできないこともあるので注意が必要。しかし、操作が単純なため、慣れるのには時間がかからないでしょう。また、比較的安価であるということも特徴です。

指で操作するトリガーシフト

指でトリガーと呼ばれるレバーのようなものを引いて、ギアをシフトするものがトリガーシフトです。指でギアチェンジできるので手首への負担が少なく、長距離の運転向きです。基本的には、左手側のトリガーシフトはフロントギアの変速に、右手側のトリガーシフトはリアギアの変速に割り当てられています。 操作が複雑なため、慣れるには時間がかかることが多いですが、ギアチェンジは正確におこなえるのが特徴。価格は比較的高価なものが多いようです。

ギアを選ぶ時のポイント

ギアを選ぶときには、操作性・コストパフォーマンス・耐久性など、自分が何を優先するのかを考えてから選ぶようにしましょう。操作が単純で覚えやすいのはグリップシフト。初期のコストパフォーマンスもよいグリップシフトですが、ギアチェンジが正確でないことから、ギアを傷つけやすいという注意点もあります。 耐久性の面からみると、トリガーシフトがおすすめ。ただし高価なものが多いため、初期費用が多くかかってしまいます。グリップシフトにもトリガーシフトにもメリット・デメリットがあるので、それぞれの特徴をよく理解してから選ぶようにしましょう。

ギアのメンテナンス

ギアからチェーンが外れたとき

クロスバイクのギアからチェーンが外れても、特別な工具を使わずに戻すことができます。後ろのリアギアよりも、フロントのギアからチェーンが外れるケースが多いようです。チェーンが外れたら、チェーンが絡まらないよう、すぐにペダルを漕ぐ足をとめましょう。 フロントのインナーギア(前の小さいギア)の内側にチェーンが落ちていたら、フロントのギアを一番小さく(一番軽く)しましょう。そして、後変速機のプーリーを指で前方向に押すとチェーンが緩むので、緩ませたままフロントギア付近のチェーンを指でつまんで前方に引っ張り、チェーンをギアの下側に引っ掛けます。 引っ掛けたらペダルを回転させるとチェーンがギアにはまります。フロントのアウターギアの外側にチェーンが落ちた場合もやり方は同様です。フロントのギアを外側することを忘れないようにしましょう。

ギアから変な音がするとき

ギアから変な音がするときは、ワイヤーが緩んでいることで音がするケースがほとんどです。ワイヤーが緩んでいるとチェーンとギアが噛み合わず、ペダルを漕いだ時に変な音がしますが、この場合はワイヤーを張り直すことで音は鳴りやみます。 変な音がしたら速やかに作業をしましょう。まず、速度を切り替えて、ギアをめいっぱい重くします。チェーンを外側に向かって動かすとワイヤーが緩むので、ワイヤーを留めているネジを緩めて、張りがでるまで引っ張り、再びねじを締めたら作業終了です。

変速がしにくいと感じたとき

変速がしにくいと感じたときは、注油をすることで改善されることがあります。クロスバイクの性能を維持するためには注油が必要不可欠です。ただしクロスバイクには、注油する箇所と注油してはいけない箇所とあるので注意しましょう。

注油する箇所

・ブレーキ可動部 ・リアディレイラー ・フロントディレイラー ・プーリー ・チェーン

注油してはいけない箇所

・ブレーキシュー ・ヘッド部分 ・ボトムブラケット ・ペダル ・ハブ

ギアはカスタムも可能

しばらく乗っていて物足りなさを感じたら、ギアをカスタムすることもできます。クロスバイクの扱いに慣れていないうちは自転車店・専門店に持っていき、プロに依頼したほうが安心です。 しかし、クロスバイクに長く乗っていて、メンテナンスを何度か自分でしていると、自分でカスタマイズもできるようになります。自分でカスタマイズができるようになると、自分のクロスバイクに愛着が出ますし、クロスバイクに乗ることが今まで以上に楽しくなるのでおすすめです。

ギアの正しい使い方とメンテナンスで長持ちさせる

クロスバイクのギアは、正しい使い方をしないと傷みや故障の原因になるので注意が必要です。ギアチェンジをするときは正しい方法で行うようにしましょう。 また、ギアはメンテナンスをすることで長持ちさせることが可能です。変な音がしたり、チェーンが外れたときも、自分でメンテナンスすることができるので、いざという時のためにメンテナンスのやり方を覚えておきましょう。

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