「ロードバイクのブレーキシュー」のメンテナンス知識を知っておこう

「ロードバイクのブレーキシュー」のメンテナンス知識を知っておこう

2018.02.27

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ブレーキシューをメンテナンス

ロードバイクのブレーキシューはどこ

ブレーキシューとは、ブレーキドラムなどに圧接して制動をかける部品を指し、前輪のブレーキアーチの下に位置します。ブレーキパットがディスクローターに押し付けてブレーキをかけるのに対し、ブレーキシューはタイヤの内側でタイヤと同時に回転している器状のブレーキドラムを、内側から外側に押し出す摩擦により制動力を得ることができるパーツです。 交換を検討する場合、アルテグラ以上のブレーキは「カートリッジシュー」というものが採用されており、こちらは先端ゴムだけの交換で済みますので、自分のロードバイクのシューを一度確認してみましょう。

メンテナンスをショップで頼む場合

ショップでメンテナンスを依頼することも可能ですが、人件費などが加算されるため自分で行うよりも当然費用は上がります。ロードバイクの構造はデリケートなもので、メンテナンスを怠ると動きが悪くなるだけでなく、安全面にも問題が出る場合があります。日頃のチェックは欠かさず行うことが大切です。 特にブレーキは命を守る大切なパーツですので、効きチェックやブレーキシューの点検は走行前にしておいた方がよいです。そうなってくると頻繁にメンテナンスが必要となり、毎回ショップで依頼するとかなりの出費になることもあります。

メンテナンスを自分でやる場合

ブレーキ整備の中でもブレーキの調整・ワイヤーの緩み・ブレーキシューの消耗交換などは、締め直したり身近な工具で行うことができます。しかし、レバーやブレーキの交換作業になると難易度が高いため簡単にできるものではなく、一定水準以上の知識と経験が求められます。 全くの初心者で行うことは避けて、専門店に依頼する方が確実で安心です。整備に慣れてきたら、徐々に自分でメンテナンスを行っていくとよいでしょう。

ブレーキシューと一緒にメンテナンスをしたい箇所

ブレーキがしっかりとかかっているか

ブレーキは少しずつききが悪くなってくるので気づきにくいですが、実際は新品のときと比べて非常に鈍くなっている場合が多いです。かかりが悪いと感じたときは、下記の2点を確認しましょう。

ブレーキがセンターになっているか

ブレーキシューが左右均等になっていない場合やブレーキキャリパーがズレていると、中心でしっかりブレーキをかけることができなくなります。

ブレーキの汚れがないか

ブレーキをかけ続けると、ブレーキシューのカスがリムに付く・異物がシューに挟まるなどの汚れによって、制御を妨げてしまいます。

タイヤホイールが削れてないか

雨天の走行などを続けると、ブレーキシューとホイールのリムが当たっている面に異物の入り込みが多くなることで、傷付いたり削れていきます。このようになった場合、周りを同じように削ることで修正できますが、その分リムは薄くなるため、何度かメンテナンスを行ったときは交換するようにしましょう。 リムの表面が荒れたままで乗車していると、異物の噛み込みが起きやすく、シューの異常摩耗やブレーキのコントロール性の悪化、リムの摩耗が早くなるなどの原因となりますのでしっかりと確認します。

タイヤの空気圧が低いと危険

ロードバイクのタイヤのバルブは通常の自転車とは異なり、空気圧が高くなっていますので、バルブに合った空気入れを用意しましょう。適正空気圧の確認方法は、タイヤ側面に書いてある数字を参考にしますが、一般的には「7bar」がベースですので、6~8barの間におさまっていれば問題ありません。 空気圧を上げると、抵抗が減るので走りは軽くなる反面、グリップも比例して減り乗り心地が悪くなります。逆に下げすぎると、抵抗が増えますが、グリップと乗り心地はよくなります。また、リム打ちパンクの原因となるため、低くなっていないか合わせてメンテナンスするとよいですね。

ブレーキシューのメンテナンスの時期はいつ

ブレーキのかかりが悪くなってきたら

ブレーキシューが減って排水用の溝がなくなるか、シューに彫られているリミットラインに近づいてきたら、交換する必要があります。ブレーキシューには一体型とカートリッジ型がありますので事前に確認しましょう。

一体型

ブレーキシューとシューホルダーが一体化した形状のもので、ブレーキシュー全体を外して交換します。頻繁にブレーキをする場合は、カートリッジ型に比べて費用が高くつく場合が多いです。

カートリッジ型

高価なブレーキに採用されていることが多いブレーキシューで、シューのゴム部分のみを交換できます。シュー脱落防止用の固定ボルトがついているのが特徴です。

月に一回はメンテナンスを

ロードバイクのライド中に思わぬケガや故障を防ぐためにも、ブレーキメンテナンスは欠かせない重要なものです。効きの確認・ブレーキシューの点検のセルフチェックは必ず走行前に行いましょう。 また、細かいメンテナンスは月に一回程度の頻度で実施し、違和感を感じる部分は早めに修理に出すのが大切です。きちんとメンテナンスをしておけば、大切なバイクをより長く綺麗に保つことができますよ。

乗る前後にメンテナンスを行う

車体をしっかりと拭く

汚れが不具合の原因につながることがありますので、車体を綺麗にする作業は日常的に行うことを心がけましょう。特に雨天時に走行した後は車体に付着した水滴を拭き取らずに放置すると、フレームや駆動部が錆びてしまうことも。汚れやすい箇所はフレーム・チェーン・ブレーキ接触部分などですので、しっかりと汚れを拭き取っておきます。

タイヤの汚れを落としながらチェック

タイヤの汚れを落とすときには、磨耗などで傷んできていないかを確認しましょう。長く使っていたり、劣化してきたらタイヤ・チューブなどを早めに交換しておくことで、ライド中のトラブルを防ぐことができます。 ホイールを外したタイミングで必ずシューの状態も合わせて確認し、掃除後は指でブレーキシューを優しくなで、異物があれば先の細い工具で外しておくと安心です。

ブレーキやホイールの異常がないか

チェックするポイントはブレーキアーチ部分、ブレーキパッドとリムの接触部分です。左右のブレーキシューとリムとの間隔は本来同じ間隔にありますが、路面からの振動がブレーキアーチに加わることで、間隔が左右で差がでてきてしまうことがあります。この状態になると、片方のブレーキシューだけが異常に摩耗したり、ブレーキシューとリムが接触し抵抗になってしまうことも。 ブレーキアーチにある穴とレンチは、右回転で右側ブレーキパッドが開き、逆に左回転で左側が開くので、微調整で左右対称になるように修正します。

チェーンの汚れや劣化を確認

チェーンは「手で触れても汚れが付着しないか」「騒音がない場所でゆっくりとクランクを回した際に、異音が聞こえずスムーズに動くか」を確認します。汚れている場合は、万能オイルなどを綿素材のウエスに含ませて拭き取りましょう。 また、乗り方の違いで大きく違ってはきますが、一般的にロードバイクチェーンの交換時期は、3,000km~5,000kmといわれていますので、長距離走行し劣化を感じたときは早めの交換がおすすめです。

メンテナンスの仕上げに油をさす

自転車専用オイルをチェーンなどの駆動部分に必要量することで、磨耗を軽減できパーツの寿命が伸びます。オイルは付けすぎに注意しながら外側に注油後、可動部に何回かディレーラーを動かし浸潤すれば完了です。外側に油が残っていると汚れのトリモチになってしまいますので、浸潤した後はウエスで表面の油を全て拭き取ります。

ライトを付けている車体はライトも確認

乗車中に「夜間の道路・トンネル内・濃霧の中など」を通行する場合、基本的にライトを点灯しなければなりません。ライトには2種類あり規定が違いますので、定められている基準をクリアできているか、それぞれ確認しておきましょう。

フロントライト

夜間、前方10m先の障害物などを確認できる光度であることが義務付けられており、白色か淡黄色が指定されています。

リアライト 又は 反射器材(後方反射板)

リアライトは夜間、後方100mから点灯を確認することができる光度であることが義務付けられており、赤色が指定されています。反射板の基準は、夜間で後方100mから自動車の前照灯(ハイビーム)で照らし、反射光を容易に確認できる状態です。

ブレーキがしっかりかかるか確認

ブレーキシューが正しい位置にないと、ブレーキがしっかりとかからず十分な制動力が得られなかったり、タイヤを傷める可能性があります。ブレーキシューの上端がリムの上端より1~2mm程度下の位置で固定されているか確認が必要です。 また、ブレーキワイヤーが伸びて緩んでしまうとブレーキレバーの遊びが大きくなりすぎ、使い続けるうちに伸びきってしいます。そうすると、やがて操作に支障をきたすので、この部分は特に注意して調べます。 遊びが大きいと感じたときは、ブレーキに付いてるアジャスターを手で回し、ブレーキワイヤーの緩みを修正して調節しましょう。アジャスターは反時計回りにまわしすぎると外れてしまうため、大きく緩めるときは徐々に行うとよいですね。

ネジが緩んでいないか確認

ブレーキ部品がしっかり固定されていて、フレームに取り付けられたネジが緩んでいないかを確認します。制動の度に負荷がかかってしまう状態のため、何度もブレーキをかける過程で緩んでしまうことも。レンチを差し込み緩みがないようしっかりと固定しておきましょう。 また、締結トルクを検査する目的で、トルクレンチによりトルクを見ながら締め込む「増し締め」も行っておくと安心です。だだし、やりすぎるとパーツの破損やボルトの断裂等の不具合が起こる可能性があるため、極端に締め込みすぎる必要はありません。

メンテナンスのチェックのあとは

不備があるときはしっかりと直す

摩耗・劣化の他にも気になる点や不備があるときは、しっかりと直してから走行することが大切です。例えば、雨でリムが濡れて小石などが張り付いてしまうなど、異物の噛み込みのケースがあります。そのままにしておくと、リムが削られてしまい寿命が短くなるなどの原因となりますので、不備を放置したまま走らないように気をつけましょう。

劣化した部品は買い替える

目に見えた不具合がなくても身の安全のために、ブレーキシューは半年に1回ほどの頻度で交換するとよいでしょう。通常、シューの溝が完全になくなるまでが目安とされていますが、少し残っていても悪天候時の走行やコースによって急激に摩耗する場合があるので安心できません。グリップなども自分で交換可能ですので、頃合いを見て買い換えるとよいですね。

ブレーキシューのメンテナンスを怠らない

ブレーキシューは故障や破損を起こしてしまうと重大な事故に繋がりかねません。はじめは慣れない作業で時間がかかるかもしれませんが、繰り返し行うことで知識もつき、スピーディーに行うことができます。高度な作業をする場合は、十分にセルフメンテナンスに慣れてきてからチャレンジみて下さいね。 しっかりと手入れをしていれば、愛車を長く綺麗に保つことができますので、日頃のメンテナンスを怠らず常に整備が整った状態にするよう心がけ、安全で快適なライドを楽しみましょう。

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