マアジを釣りに行こう。代表的なサビキ釣り、アジング、沖釣りなど

マアジを釣りに行こう。代表的なサビキ釣り、アジング、沖釣りなど

2018.02.27

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マアジ釣りの基礎知識

釣り期は3月から12月頃

アジ釣りは、サビキ釣りが一般的で、ルアーによる釣り(通称アジング)も人気です。ほかに、ウキフカセ釣り、カゴ釣りなどがあります。アジの釣り期は、3月から12月頃がよいシーズンで、最盛期は8月~10月です。地域によっては、一年中釣れる場所もあるそうです。

マアジの呼び名

通称、アジと呼ばれています。関西では、ヒラアジ。広島県と和歌山県では、アカアジ。そのほか、キアジ、クロアジなどの呼び名があります。全国各地、沿岸から深い沖まで、幅広く生息しています。キアジとクロアジは少し見た目が違っています。キアジは、アジよりも太めで色が明るく、ヒレが黄色いという特徴があり、沿岸に多く生息しています。クロアジは、アジよりも細めで、黒っぽいという特徴があり、深場に多く生息しています。 サイズによっても呼び名が違います。10cmくらいのアジは、豆アジ、ジンタ。15cm~20cm未満くらいのアジは、小アジ。20cm~30cm未満のアジは、中アジ。30cm以上のアジは、大アジ、尺アジと呼びます。

時間帯は朝早くと夕方に釣れやすい

1日、のんびりと釣りをする時は、時間帯は気にしなくていいのですが、1日の中で、効率よくアジを数多く釣りたいときは、アジが釣れる時間帯に行くと楽しいです。アジが一番釣れる時間帯は、「夜明けの明るくなり始める時から、日の出までの時間」と、「日が沈み始める時から日が沈んで暗くなるまでの時間」。これを、朝マズメと夕マズメといいます。とくに、日が沈む時間は、魚が活動的になってエサを摂る時間で、釣りのゴールデンタイムといわれています。 昼間釣りをしているときに、あまり釣れなかったのが、日が沈む時間になったら一変してどんどん釣れていくということがよくあるそうです。マズメと夕マズメ以外の時間帯は、釣れないこともないのですが、海の状態によってよく変わります。

回遊していれば夜釣りも可能

アジは日が沈んでから2時間くらいは活性化しているので、夜釣りができます。暗くなると魚も警戒心が薄れたり、釣り人が少なくなるので釣りやすいということもあります。夜釣りによいボイントは、一つめは、海面に灯りが当たっている場所を狙います。二つめは、岩などの障害物が多い場所が釣れやすいです。三つめは、漁船や岸壁の間にも穴場があります。四つめは、昼間によく釣れた場所で釣る、などです。 アジは光によく反応するので、夜釣りは、ウミホタル、からまんホタルの光に似た薄いグリーンの光でアジを寄せて釣ります。アジを素手でつかむと手が傷つきますので、古いタオルかフィッシュグリップなどで掴みましょう。夜釣りは暗い中で釣るので、危険もあります。岩場の足場、ヘッドライトの装着など、安全はいつも確認しましょう。

サイズは25cm前後が平均

春から夏にかけては、マメアジという小さいアジが多いですが、夏から秋はサイズも大きくなってきて、脂がのってきます。マアジは25cm~30cm前後が多いです。たまに、50cmくらいのアジも釣れることがあるそうです。

エサはオキアミやアミエビ

アジ釣りのためのエサは、オキアミ、アマエビ、イワシミンチなどです。釣具屋さんに、冷凍のブロック、チューブになっているエサが置いてあります。少し使うときには、チューブのエサが便利です。たくさん釣るときには、バケツに冷凍のブロックのエサを入れて、海水で溶かしてから使います。

マアジの釣り方と一般的な仕掛け

小型電気浮きを使ったウキフカセ釣り

ウキ釣りは、魚を寄せて釣りますが、ウキフカセ釣りは、魚のいるところへ仕掛けを流して釣る方法です。ウキ釣りに適した場所は、磯、船、漁港、砂浜、防波堤、河口などです。ウキフカセで釣れる魚は、アジのほかは、クロダイ、メバル、スズキ、ボラなどです。 ウキフカセ釣りは、魚を狙う範囲が広がります。ウキを使って、遠くの沖の方も狙えます。ウキ止めを調整することによって、ウキから餌までの距離(タナ)が自在に扱えます。ウキ止めを使用しないで、全遊動釣り(全層釣り)という、上層から底層までのすべてのタナを探る釣り方もあります。

ウキフカセ釣りの道具

ウキフカセ釣りの標準的な道具は、サオ(5.3m ガイド付)、リール(レバーブレーキ付)、道糸(3号、150m)、ウキ(円錐ウキなど)、ハリス(1.5号~2号、50m巻き)、オモリ(7号~2号、B、2Bなど)、ハリ(チヌ針1~3号、グレ針5~7号くらい)、バッカン(撒き餌用のビニールバック)、マゼラー(エサをまぜ合わせる時などに使用)、マキエヒシャク、水汲みバケツ(釣り場を汚したときに洗う)、からまん棒(糸がらみの防止とウキのクッションに使用)などです。

小型電動浮き

ウキは、目的の魚や、釣り場などにより、種類とサイズを選んで使います。夜釣りには、ケミホタルを装着できるウキ、電輝円錐などの小型電気浮きを使用します。電気浮きは、魚の種類と、水深、浅投か遠投などによって違います。アジやクロダイなどの魚は、小型の電気ウキを使います。5m以内の水深では、B~5Bくらいの電気浮き。5~10mでは、5B~1.5号くらいの電気浮きがいいそうです。 電気浮きを選ぶ時のポイントは、一つめは、なくしやすいので、安い電気浮きを使うこと。二つめは、電池が付属していない時は、専用の電池(BR/435)を一緒に買うこと。三つめは、日中に電気浮きを使うときは、浮力が変わるため、電池を逆に入れて使用すること。四つめは、釣りのあとは、電気浮きの電池を取り外しておきます。入れたままにしておくと、発熱するのでソケットが傷むことがあります。 電気浮きのメリットは、ケミホタルより明るくて、使いやすいところです。電池1つで何度も使用が可能。長時間の使用でも明るさが持続する、などです。

かごで寄りエサを撒くサビキ釣り

一般的なサビキ釣りは、初心者もベテランも楽しめる釣りです。満潮の2時間前くらいに到着すると、釣りやすい時間帯になります。

サビキ仕掛け

サビキ釣りは、下カゴが基本です。一番下のカゴに、撒き餌を入れて海に投入します。撒き餌はゆっくり広がって、周辺の魚が集まって来ます。そして、ハリも間違えて食べてしまうので、釣られます。上カゴは、効率的にアジを寄せることができます。上のカゴと下のオモリで、支点が2つできるため、初心者にはむずかしい仕掛けだといわれています。仕掛け絡みも起きやすいそうです。 遠投サビキ仕掛けは、沖を狙うときに使います。棒ウキをサビキ仕掛けの上に持ってくることによって、沖のタナを狙えるようになります。春から秋によく使われる仕掛けです。

サビキ仕掛けの釣り道具

サビキ仕掛けの標準的な釣り道具は、サオ(ロッド、磯竿の3~5号。5号がガイド付)、リール(道糸のナイロン3~5号で100m巻き用。3000番以上)、市販のサビキ仕掛け(アジに合った大きさ、色)、カゴ(サビキ釣りにかかせない道具、小さめのカゴ)、撒き餌用のバケツ、針はずし、仕掛け巻き、クーラーボックス、水汲みバケツ、餌、などです。

スピード餌付器を使ったトリックサビキ釣り

トリックサビキ釣りは、空のハリに生の餌を擦りつけて釣ります。魚の食い渋りで、餌があまり食べられないときに効果のある釣り方です。生の餌なので、魚の食いつきのよさが違います。一般的には、「スピード餌付け器」を使ってコマセを付けます。「スピード餌付け器」を使わないで、エビ、イソメ、はんぺんなどを手でつけるという方法もあります。サビキ仕掛けはカゴで餌を撒くので、使う餌の量は多いです。トリックサビキ釣りはハリに付けた分だけを使うので、コストが安いことが利点です。 「スピード餌付け器」がない時は、7本~10本のハリに手動で餌をつけたり、付け替えるのは手間がかかります。「スピード餌付け器」を持って行くと、快適にトリックサビキ釣りができます。

ルアーを使ったアジング

ルアーは疑似餌のことで、ルアー釣りは、釣りたい魚によって、ハードルアーとソフトルアーを使い分けます。アジはワームと呼ばれるソフトルアーが主流です。ジグヘッドというオモリの付いたハリに、ワームを刺してアジを釣ります。 メタルジグは、金属で作られたルアーのことです。重く小さいものが使いやすく、鉛で作られたものが多いです。タングステンが開発されてからは、少しお高いですが、こちらの方が飛び、沈みは速いです。アジング用のメタルジグは、ベイト(魚の餌の小魚)が群れていて多いとき、強風のとき、沖合でピンポイントで狙いたいとき、大きいアジを釣りたいときなどに適しています。

アジングの釣り道具

アジングのルアー釣りの基本セットは、スピニングロッド(アジング用 、7ft)とスピニングリール(1000~2000番)です。そのほかは、ライン(フロロカーボンかナイロンライン2.5ポンドなど)、ルアー(ワーム)、ジグヘッド(0.6g、1g、1.5gの3サイズ)、ワニグリップ、ステンレスピック、ライフジャケット、クーラーボックス、バッカン、ヘッドライトなどです。

アンドンビシを使う沖釣り

沖釣りは、ビシ釣りともいわれます。正式な名称は、「ライトタックル・ビシアジ」です。ビシとはオモリのことで、ビシ釣りに使うオモリは、アンドンビシといいます。コマセ(寄せ餌)を入れるカゴが行灯に似ていることから、アンドンになりました。それをオモリで沈めて釣りをするので、「アンドンビシ」です。 最初は50~60号のオモリで釣っていたのが、適したサオが作られるにつれ、ビシも軽くなり、女性やこどもでも扱えるようになりました。船釣り入門として人気のジャンルで、東京湾のアジ船の大部分は、ライトタックル・ビシアジ船です。冬でも、水深20mくらいで、陸の近くよりも、大きいアジがよく釣れるのが、船釣りの魅力で、特大のアジがかかることもあるそうです。餌は、アオイソメか、食紅で赤色をつけたイカ豆タンを使います。ビシカゴは、船宿でレンタルすると便利です。

マアジがよく釣れるポイント

家族連れに人気の海釣り公園

海釣り公園は、楽しく安全な釣り場として、家族連れ、初心者に人気です。海釣り施設にはほとんどのところに売店があって、釣り道具や釣り餌のレンタルをしているので、手ぶらで行けて、気軽に楽しめます。釣った魚は自由にお持ち帰りができるので、新鮮な魚が食べられます。海釣り公園の釣り場は、柵が付いているので、海に落ちる心配もありません。関東は、東京、千葉の沿岸、東京湾など。茨木の沿岸沿い、少し遠出して静岡県などが人気があります。海釣り公園によって、イベント、釣り大会も開催しています。 海釣り公園には、立ち入り禁止区域には入らない、周りへの迷惑行為をしないなどの注意事項があります。行った海釣り公園の注意事項はよく読んで、ルールを守って釣りを楽しみましょう。関東では、東京都江東区の「都立若洲海浜公園」(釣り具のレンタル有)、江東区の「新木場公園」、品川区の「東京都立青海南ふ頭公園 海釣りエリア」、千葉県九十九里「九十九里 海釣りセンター」(貸竿有)、神奈川県横浜市の「本牧海釣り施設」(貸竿有)などです。ほかにも、よい海釣り公園がたくさんあります。

エサの豊富な沿岸の岩礁域

マアジは、大きく分けると、日本の沿岸の岩礁域、サンゴ礁域に居ついているタイプと、沖合を群れで回遊しているタイプに分かれます。分布は、北海道から南シナ海です。沿岸の岩礁域のマアジは、体は黄色がかった明るい色が多く、比較的体型は高さがあります。

群れで回遊している沖合

群れで回遊しているタイプのマアジは、体は黒っぽく、体型は細長いという特徴があります。東シナ海で繁殖行動を行い、黒潮にのって東アジアに分散するといわれています。群れをつくり、春は暖流にのって北へ、秋は南へと季節のサイクルで回遊しています。群れが沿岸近くに来たときは、堤防からでもサビキ釣り、アジング、ウキフカセ釣りなどで狙うことができます。沖合では一年中釣りが楽しめるそうです。

夜は常夜灯の周りに集まる

虫と同じように、夜は海面に光が当たっているところに集まります。常夜灯の下は、とくに釣りポイントになります。アジの食べるプランクトンが、光合成をするために集まっているからです。アジが活動的になるので、夜の海面を見ただけでわかるそうです。

外房の勝浦から南房の館山はアジの宝庫

外房勝浦の漁港から南房館山の漁港あたりまでは、アジの宝庫で、サビキ釣り、遠投カゴ釣り、アジングなど、さまざまな釣りで楽しめます。南房総のアジは一年中釣れて、9月半ば~12月半ばまでは、美味しいアジが釣れる時期です。朝マズメが釣りやすく、ベテランの方は朝マズメだけで50匹以上釣れるそうです。

釣ったマアジの捌き方と調理法

生きているうちに血抜きする

釣り場で血抜きをして、きれいに持って帰るときに、必要なものがフィッシュグリップと、グリップが大きいハサミとバッカン(ひも付き)です。素手でアジをつかむと、ぜいごやヒレが鋭いのでケガをします。軍手だと濡れて作業しにくいので、フィッシュグリップが便利です。ハサミは、釣具屋さんで「メガチョキ」などが1000円くらいで売っています。 アジを締めるのは、ためらわずに手早くやります。えらの部分から、ハサミの刃先で背骨のつけ根を切ると、鮮度よくできるそうです。そして、アジの血抜きをするために、海水を入れたバッカンに10分浸けます。海水の作用で、浸けておくと早く血抜きができます。海水が汚れたら、ときどき海水を入れ替えます。クーラーボックスの中には、海水と氷を4分の1くらい入れて、血抜きしたアジを入れて終了です。

頭は胸びれと腹びれに沿って落とす

釣ってきたアジを捌く方法です。まず、ウロコを取ります。ウロコは、尾の方から頭に向かって擦ると取れます。包丁、道具など、取りやすいものを使ってください。流水をかけながらウロコを取っていきます。背ビレやヒレが尖っているので、刺さないように気をつけましょう。切るのは、刺身包丁を使います。頭を胸びれと腹びれに沿って落とします。背骨が硬いのですが、一気に切ります。三枚におろす場合は、先に頭を落とした方が切りやすいです。

内臓を取り出して水洗いする

お腹の下に包丁を入れて、口の手前まで切ります。お腹の下にはトゲがあるので注意してください。開いたところから、内蔵とエラを取り除きます。作業が終わったら、内蔵など取り出したところを水洗いします。尻尾の方のゼイゴは、塩焼きするときは薄く刃で削ぐようにして取り除きます。刺身とフライのときは取り除かなくて大丈夫です。

頭の切り口から尾びれに沿って切り開く

頭の切り口から中骨に当たるまで包丁を入れて、尾びれに沿って切り開きます。中骨になるべく身を残さないように沿ってできると、きれいな三枚おろしができます。最後に身がつながっていた尾のところを切ると、片面が完成します。同様に反対側も中骨まで包丁を入れて、尾びれに沿って切り落とします。

半身2枚と中骨の3枚におろす

半身2枚と中骨におろせたら、三枚おろしの出来上がりです。料理に使うときには、さらに腹骨と血合い骨を取り除いていきます。腹骨を取るときは、三枚おろしにしたアジの身を縦に置きます。腹骨をすくうように切り落としていきます。血合い骨は、身の中央に連なるようにある骨です。頭に近い半分までが骨が太いので、骨抜き、毛抜きなどを使って、注意しながら骨を抜いていきます。頭の方へ向かって斜めに抜き取ると抜きやすくなります。

皮は手で身を抑えながら剥く

お刺身などは、皮を剥いて使います。皮を剥くときは、出刃包丁ではなく、文化包丁が使いやすいです。出刃包丁でもできますが、皮が切れやすくなります。片手でえらの方を抑えて、えらの切り口から尾の方へ剥いていきます。皮を剥く時は、3枚おろしの途中で、包丁を入れたときに剥く方法と、3枚におろしてから剥く方法と、二通りの方法があります。

刺身やフライにして食べる

骨もなく、食べやすい状態になりました。和食はお刺身、たたき、蒲焼き、塩焼き。洋食は、アジフライ、南蛮漬け、ムニエルなど、好きな料理に使えます。新鮮なお刺身、アジのタタキにはネギと生姜を添えて、釣ってきたアジをおいしく頂きましょう。サビキ釣り、アジング、ウキフカセ釣り、沖釣りなどで釣れたお魚は、新鮮で、味も格別においしいと思います。

マアジの釣果情報を調べてから場所を決めよう

釣りに行くときには、釣果情報を見てから行くと便利です。釣具屋さん、海釣り公園、専門サイト、釣り人のブログなどで、時間によって釣果情報が更新されています。画像で、港の様子を見られるところもあります。その日の海の状態、釣れている様子を、PCやスマホ、ツイッターなどから知ることができます。釣果情報を見て、予想を立てて釣りに出かけましょう。 自分でも、天気予報、水温、潮の流れなどをチェックします。釣り道具も準備万端にして、海釣り公園、防波堤、岩場、船など、自分に合った釣り方で、よいアジをたくさん釣りましょう。  

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