ロードバイク事故の防止ルール。自転車保険の加入によって安全運転

ロードバイク事故の防止ルール。自転車保険の加入によって安全運転

2018.02.27

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ロードバイクの事故を防ぐ運転

安全運転の基本を再確認

通勤・通学や買い物、または趣味のロードバイクなど、自転車は子どもから大人まで、日常生活に欠かせない乗り物。自転車の運転には運転免許が必要なく、自動車やバイクに比べて、安価であり広い駐車スペースも不要で、経済的にも優しいです。その一方で、交通違反や安全運転マナーに反し自分勝手で自己中心的な運転になってしまう方もいるようです。

警察庁の統計によると、2015年に起こった全国自転車事故は年間98,700件にものぼります。その大半は、安全不確認や信号無視など自転車の交通ルールを守っていなかったために起こりました。自転車は、免許は不要ですが、立派な「車両」。一歩間違えれば、被害者にも加害者にもなるため、安全運転の基本と交通ルールを再確認しましょう。警察庁は以下のような「自転車安全利用五則」を定めています。

●自転車は、車道が原則、歩道は例外

●車道は左側を通行 ●歩道は歩行者優先、車道寄りを徐行 ●安全ルールを守る ●子どもはヘルメットを着用

視界を広くしてもしもの場合を考えて運転

ロードバイクに乗る時には視野を広くすることが大切です。たとえば横道から誰かが突然飛び出してきたり、後方の自動車が急に追い越したりと、接触事故で自分ばかりか相手も怪我させてしまうことも。障害物や人など周りに何があるのか、どういった状況になるのかなどを想定します。 またイヤホンを着用しながらの自転車の運転は、法律で禁止されているわけではありません(地域によっては条例違反となる場合あり)。だからといって、イヤホンをしていい理由にはならず、周囲の音が聞こえづらくなったり、注意力が散漫になることも実験で分かっている、とても危険な行為です。 ロードバイクはスピードが出るため、一瞬の油断が思わぬ事故につながります。好きな音楽を聞くと気分は良いかもしれませんが、意識が音に集中してしまうと注意力散漫となり大変危険。法律違反かどうかよりも自分や周りへの安全が第一です。

天気や路面の状態柄御考えて運転

天気や路面の状態を考え安全に運転することも重要。とくに梅雨の時期など降水量が多い時には路面状態が違ってきます。濡れている状態では滑りやすく、転倒する可能性が高まり、なかでもマンホールと白線は要注意です。 またブレーキングにも注意は必要です。雨が降った時にはブレーキをかけても、ブレーキの効きが晴れの日と比べても悪いです。雨の日の路面ではブレーキが滑る、これはブレーキシューが濡れたために起こります。 対応策としては、ブレーキをかける前にブレーキシューがリムに触れるか触れないかという微妙な力加減でブレーキレバーを握っておき、ブレーキシューの表面から水分を飛ばします。そうすることによっていざブレーキをかけたときに自分の思ったイメージでブレーキすることが可能です。

判断力を強化する

天候に大きく左右されるロードバイク。前述したように晴れの日と雨の日では路面状態は全く違い、ブレーキが効きづらかったり視界が見えづらいこともあります。そのときにはロードバイクを降りる・減速するなど、状況に合わせて判断します。

事故を想定した服装を心掛ける

長袖長ズボンで露出を少なくする

ロードバイクに乗るときには「肌の露出は極力避けること」が基本であり、これは転倒による擦り傷の防止です。ロードバイクはスピードが出る乗り物で、転倒による衝撃も怖いですが、それ以上に転倒による裂傷(すり傷)が怖い存在となります。 肌が露出している状態だと、転倒したときは直に肌を擦ることになります。すり傷は切り傷と違い、治りが遅く傷跡が残ってしまうことが多いです。 また傷口が深く、神経を傷つけてしまうと、すり傷の場合は「最悪神経が治らない=痺れやマヒが残ってしまう」ということにつながります。スパっと綺麗に切れる切り傷とは違い、不規則に傷つくすり傷はそれほど厄介なものです。

スニーカーやブーツで踏み込みしやすく

ペダルを漕ぐ際に足首がグラグラしているとバランスを崩しやすく、転倒事故にもつながります。ロードバイクに乗るにはスニーカーやブーツなど、しっかりと足首を固定する履物が良いです。靴紐が長かったりすると車輪に巻き込まれる危険性もあるので、靴紐が長い場合は「二重縛り」、あるいは靴紐をちょうど良い長さに調整してください。

きちんとヘルメットを着用する

本格的なロードバイクは時速30kmほどのスピードを出すことができ、移動手段としての利便性は高いです。一方で、ロードバイクの事故における頭部損傷の割合が6割を超えているともいわれています。自転車のヘルメット着用は義務化ではないものの、ヘルメットを被ることで事故の死亡率は4分の1になるともいわれています。

プロテクターの装着をする

ロードバイク事故における損傷主部位は、頭部、胸、腹部が大部分を占めています。ヘルメットを着用することで頭部や顎が守られ、プロテクターで胸や腹部を守ります。 二輪車の場合は事故の際に無防備な胸部や腹部に致命傷を負うなど、ライダーが受けるダメージが大きくなります。「面倒だから」という理由でプロテクターを着用しない人がまだまだ多いのですが、まさかの事故の際にプロテクターを着用していることにより、被害を少なくすることができるのです。 ジャケットへ追加するタイプや、エアーバッグなど色々なタイプの胸部プロテクターが販売されています。頭を守るヘルメットと同様に自分の身を守る胸部プロテクターの必要性を認識して、自分のバイクライフに合ったプロテクターを装着しましょう。

夜間やトンネルの走行時を考える

ヘッドライトを付ける

ロードバイクで夜間走行する際に必須装備のヘッドライド。誰でも「夜間はライトを点灯しないと法律違反」とは知っていても、その他の法律もあります。もし違法なまま事故を起こした場合には不利にもなります。「明るさ(ルーメン)は法律で決まっているか」、「光の色」、「点滅は無灯火か」など、基本的なことを確認してください。 道路交通法では、「夜間、道路を通行するときは、灯火をつけなければならない」となっています。ここに書かれた「灯火」はの解釈は都道府県ごとに定められています。たとえば、東京都での「前照灯」の定義は「白色又は淡黄色であること」、「夜間、前方10メートルの距離にある交通上の障害物を確認することができる光度を有すること」とあります。ちなみに神奈川県では10メートルではなく5メートルです。 つまり「ヘッドライトは白っぽい色で、5~10メートル前がしっかり見える明るさにすることです。明るさの基準は各都道府県のホームページのサイト内検索で確認できます。目安としては光度値400カンデラ(cd)、もしくは10ルーメル(lm)以上あれば十分でしょう。また昼間にライトを点灯する必要はありませんが、トンネルではライトをつけましょう。

テールランプや反射板を付ける

テールライトについて道路交通法では「夜間、反射器材を備えていない自転車を運転してはならない」、「尾灯をつけている場合は、この限りでない。」とあります。ライトじゃなくても反射器材(リフレクター)を付ければ問題ありません。 しかし、テールライトの方が視認性が格段に高く安全面でも大幅な効果があるため、とくにロードバイクに乗る場合はテールライトを装備。またテールライトを付ければ反射器材は外せます。反射器材、もしくはテールライトの色は「赤色、または橙色」と定められており、白っぽいライトをテールライトとして使うことはできません。

服装の色に注目

ロードバイクや自動車を運転していると「大きい物は見え易く小さい物は見え難い」という傾向があります。視覚的に感じる大きさは同じでも、色によって変化すると言われており、明度の高い白、赤、橙、黄色などの暖色系の色は「膨張色」と呼ばれ、実際の寸法・面積よりも大きく感じられる一方で、明度の低い黒、青、濃緑などの寒色系は収縮色と呼ばれ、実際の寸法・面積よりも小さく感じられます。 そして大きさだけでなく、肉眼で捕捉しやすいという意味でも膨張色の方が見え易く(早く発見できる)、収縮色の方が見え難い(発見が難い)傾向もあります。これには色の反射率が関係しており、膨張色は色の反射率が高く、収縮色は低いです。たとえば黒いカーテンは太陽の光、つまり色を通しにくいと言われています。 とくに夜道は昼間と比べても明るさが十分でないため、膨張色の服装を着るなどで周囲に存在を素早く知らせることができます。

万が一のために保険を検討しよう

怪我をさせてしまった時の保険

普通の自転車と異なりロードバイクはスピードが出やすい乗り物のため、ロードバイクに乗る人は人一倍気をつけて乗車しているでしょう。しかし安全に注力し危険運転をしなかったとしても、事故にあったり、事故を起こしてしまう可能性はあります。 自転車は自動車と違い強制保険がないこと。自動車保険のような任意保険に加入するのがそこまで周知されていないため、自転車での事故に対して対応可能かどうかは自分自身が加入している保険次第です。 さらに自転車事故での補償は自分自身のことなら加入している生命保険や傷害保険で対応することが可能だが、相手への賠償に関しては「生命保険や傷害保険では補償できない」ことです。そのため、ロードバイクに乗るのであれば相手への賠償が可能な保険と、自分への補償である障害保険が必要になってきます。

自転車保険をかける

日本は現在世界第6位の自転車大国と呼ばれ、日本人ひとり当たりの自転車の保有台数は、2人につき1台「0.5台」となっています。また、自転車による事故は全国で約11万件に上り、毎年減少傾向にあるものの、1日1人以上が自転車事故で死亡しているという現状があります。 2013年には、当時小学校5年生だった少年が乗った自転車と歩行者との衝突事故をめぐる損害賠償訴訟で、神戸地裁は、少年の母親に約9,500万円の高額賠償を請求した例があります。事故の原因となったのは「携帯電話を操作しながらの運転・片手運転」など、どれもついうっかりでやってしまう事が多いものです。 それゆえ、対歩行者の事故を起こした場合は、個人では払いきれないほどの高額の賠償金支払いを命じられる可能性があるわけです。 自転車保険とは、自転車に乗る人が、交通事故によるケガを保障するために加入する保険の事で、事故にあった時は保険金を受け取れ、加害者となった場合は保険会社が示談交渉を行ってくれるなどの制度を有したサービスです。自転車保険の保険料は月1,000円程度なので、万が一高額な損害賠償請求をされた場合でも対応できるよう保険で備えておくことは大切です。

保険の選ぶ時のコツ

保証がどこまでかかっているかチェック

どういった自転車保険を選べば良いのか、保険選びで損をしないポイントを見ていきます。保険は自分が事故を起こしてしまった場合にも役に立ち、相手の怪我などを考慮し補償としては1億円~2億円など、できるだけ保証金が高いものを選びます。 また、自転車保険の補償範囲には、自身に加えて配偶者や子供までカバー出来るものもあります。しかし、「家族」の定義が各保険会社によってまちまちであるケースがあるので、この辺の確認が重要です。

保証期間をチェック

自転車保険に加入する際には補償期間を確認することも大切です。転倒などで自分自身も入院するときにはどのくらいの期間を補償してくれるか、相手の治療や入院日数はどこまでの範囲で補償してくれるかなど細かな点ながらも重点的に確認する必要があります。一般的な自転車保険で補償できる入院日数は180日程度ですが、これも保険会社によって異なるので注意します。

金額の大きさをチェック

自転車保険の保険料をチェックするのも大切です。月々の支払額が大きいとそれだけ自分自身の負担にもなってくるので、長期的に支払い続けられるかを考えてください。ただ自転車保険の保険料は補償の大きさや特約によって違いがあるものの、ベーシックなものだと月1,000~2,000円程度です。

事故を防止して楽しく運転を

ロードバイクの乗り方や楽しみ方は通勤やレース、週末のサイクリングなど、人それぞれ。しかし、事故の可能性や危険性があることを肝に銘じましょう。もちろん、ロードバイクに乗るのであればかなり注意して走っている人も多いと思うが、突然の「もらい事故」に遭遇することもあり得ます。 つねに事故への意識を持ちながら走り、無灯火運転やスマートフォンを操作しながらの運転などの危険運転を行わず、交通ルールを守って安全に走行することは、ロードバイク乗りにとって当然のことではありますが、万が一の場合に備えて、ヘルメットやグローブの着用とともに、自転車保険には加入しておきましょう。  

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