バイクフレームの塗装が自分の手でよみがえる。DIYで仕上げよう

バイクフレームの塗装が自分の手でよみがえる。DIYで仕上げよう

2018.04.05

自分のバイクのフレームを自分の手でかっこよく塗装するための、手順と方法を知っていますか。バイクフレーム塗装の重要性や、バイクフレーム塗装の下処理、下地作り、塗装、仕上げの仕方に加え、古い塗装を剥離する方法の手順とコツをみていきましょう。

Share :

バイクフレームの塗装はDIYでかっこよく

何年も乗ってきたバイク、よく見るとフレームに錆が。こんな時、自分の手で愛車をきれいにしてあげたいものです。バイクのフレームをDIYでかっこよく塗装するには、どうすればよいのでしょうか。

バイクフレームの塗装の役割

ツヤを出すため

バイクのフレームの塗装の重要な役割の一つは、美観です。塗装によりバイクは滑らかさやツヤを増します。また、立体感や質感といったこだわりの実現にも不可欠です。 塗装をやり直すことにより、新車以上の輝きを取り戻すことも可能です。愛車がヌルヌルに見えるほどのツヤで輝いていれば、持ち主も気分がよいものです。

フレームを保護する

バイクは直射日光や雨風、ホコリ、高速での移動など過酷な環境にさらされており、長持ちさせるには保護が必要です。 塗装を行うことで、フレームの表面を強固な膜が覆うことになります。それにより、周囲からの刺激からの保護が期待できます。愛車に1枚防水の上着を着せてあげるようなものです。

錆を防ぐ

防錆効果も塗装の重要な役割です。およそ地球上のたいていのものは、放っておくと朽ちて土に帰るようにできているものです。バイクのフレームも、何も手入れをしなければ、錆びて朽ちていく方向へ日々進んでいきます。 きちんと塗装されていれば、塗料の層がフレームを酸素と触れないよう隔離してくれます。腐食の進んだフレームへの虫の侵入や、耐熱機能の低下が引き起こす太陽光による劣化も食い止める働きがあります。 バイク BMW

バイクのフレーム塗装の手順

重要な脱脂作業から

塗装前には、必ず脱脂作業が必要になります。最終的な仕上がりのよし悪しは、下地処理を丁寧に行うかどうかにかかっていますので、手抜きは禁物です。   錆のある部分があれば、まずやすりを使って錆を落とします。錆落としには、120番のサンドペーパーがおすすめ。表面の錆と、中まで侵食している錆がありますが、表面の錆は深追いし過ぎる必要はありません。深追いし過ぎてシルバーフレームが見えるようなことがないように注意しましょう。   中まで侵食している錆がある場合、その箇所だけシルバーフレームが見えるほど削っても構いませんが、それよりも錆の進行を止めるほうが大切です。表面の錆を落としたら、錆の進行止めや錆変換剤を丁寧に塗布します。そして乾くのを待って、320番から400番くらいのサンドペーパーで丁寧に研磨します。耐水サンドペーパーを必要な分だけちぎり取り、水をつけながら磨きます。水道水を少しずつ流しながら磨くか、または水を含ませたスポンジを利用して少しずつ水を垂らしながら磨くのも便利です。   そのあとシリコンオフで脱脂を行います。台所用の中性洗剤や掃除用洗剤など、強力に油分を除去できるタイプの洗剤を使用する人もいます。脱脂はやり残しがないよう注意し、とくにエンジンの後ろのあたりは汚れがたまりやすいため、しっかり確認しましょう。脱脂が済んだら、手で触れてしまわないように注意します。手の脂がつくと、台無しになってしまいます。

サビ止めをしっかりと

塗装前の錆止めは非常に重要です。錆がフレームを侵食しないよう保護してくれるため、バイクの塗装が長持ちすることが期待できます。   錆止めには前述のように、発生した錆をこれ以上進行しないように食い止める錆止めや、有害な赤錆を無害な黒錆に変換して被害を食い止める錆変換剤などがあります。また、後述のサフェーサーも予防的な錆止めの効果が期待できます。色々な角度から念入りに、しっかり塗布しましょう。

サフェーサーを均一に吹きかける

サフェーサーは、塗装のノリをよくし、はがれにくくするための下地作りです。パテを水で薄めたようなもので、下地の色を隠したり、小傷を埋める表面仕上げの意味合いもあります。ホワイト(塗装の色をきれいに出す)やグレー(凹凸を発見しやすくする)、ブラック(光の透過を防ぐ)などの色がありますが、目的に合わせて選択するとよいでしょう。   サフェーサーをバイクのフレームにまんべんなく吹きかけ、はじめは薄塗りから、徐々に厚塗りになるように続けます。この下地は非常に重要で、ここが丁寧にできることが美しいフレーム塗装につながります。その重要度は仕上がりの80%とさえいわれていますので、ここは念入りに行いましょう。 もしサフェイサーの仕上がりがざらざらになってしまった場合は、まずいったんよく乾燥させ、1000番くらいの耐水ペーパーで磨くとよいでしょう。あるいはコンパウンドで磨くこともできます。ただし磨きすぎて塗膜がなくならないように注意が必要です。   塗らないところがある場合、新聞紙やマスキングテープであらかじめ覆っておきます。また、本格的に塗装を行う前に、霧吹きで周囲の空気に水を吹きかけておきましょう。こうすることで、空中に舞っているホコリを下に落とすことができ、きれいな仕上がりにつながります。ホコリや湿気の影響を最小限にするため、風のない晴れた日を選ぶのがベストです。

ウレタン液スプレーで塗装をする

ウレタン液スプレーで色を付けていきます。ここまでで手の脂などがまたついている場合は、再び脱脂しておきましょう。ウレタンスプレーをきれいに塗るコツは、あらかじめスプレー缶を40℃ほどのお湯につけておくこと。缶スプレーは気化熱の関係で、使用につれて冷たくなっていきます。冷たくなるとスプレーがきれいに霧になりにくく、ボソボソとしたムラのある塗装になりがちです。   スプレー缶をよく振って、まずは試し吹きを。最初に出てくる塗料はスプレー粒の大きさにばらつきがあるため、最初からフレームに吹かず、適当なところへ吹いておきましょう。同様に、スプレーの使い終わり近くには、塗料に気泡が混じることがあるため、もったいないのですがスプレーを最後まで使い切ろうとしないのが、きれいに仕上がるコツです。また、値段が少し高めのスプレーを使うほうが、安いものよりきれいにできるという声も多く聞かれます。   フレームから15cm程度離して一気に吹きますが、一度に濃くつけると垂れやすいため、薄く乗せて乾かし、また乗せることを繰り返すのがおすすめです。吹きはじめと吹き終わりは空中に出し、中間をフレームに乗せるようにするとよいでしょう。   一度吹いたら、10分から15分程度で乾くため、その間隔で繰り返し、少しずつ目標の色に近づけていきましょう。耐久性を高めるためには、目標の色に達してもあと何回か塗装を続けて、塗料をある程度の厚さにするのがおすすめです。もし塗料が垂れてしまったら、後で修正する工程が必要です。最低でも2時間以上乾燥させ、垂れたところの凹凸をなくすため、耐水ペーパーあるいはコンパウンドで磨きます。

クリアを吹くためにペーパーをかける

ウレタン塗料が30分ほどして乾いたら、表面にペーパーをかけ、3回ほどに分けてクリアを吹きます。薄く回数を重ねるのがコツ。ここが仕上がりに直接影響する正念場です。手抜きのないよう、集中して行いましょう。クリア塗料は、ウレタン塗料の層を保護し、つやを出す役割があります。より耐久性を高めたい、もっとツヤを出したいというときは、多少厚めの塗布が効果的です。   よく晴れた乾燥した日、風のない日に行うのがおすすめ。湿気が多い時や夜間に行うと、仕上がりがミカンやユズの皮のように凸凹になってしまいがちです。もしもそうなってしまった場合は、しっかり乾燥させてから耐水ペーパーとコンパウンドを使用して研磨します。耐水ペーパーは1200番から2000番以上のものを使用するのがおすすめです。

コンパウンドで仕上げる

クリアが乾いたら、コンパウンドで磨きます。細、極細、超極細の順で研磨を。コンパウンドを購入するとき、たいていこの三種類がセットになってお得に購入できます。ポリッシャーという研磨用の機械を使うか、無い場合は手で行います。コンパウンドを少量ウエスにつけて、直線方向に磨きましょう。円を描くようには磨かないでください。   根気のいる作業ですが、仕上げですので妥協のないよう、ピカピカに磨き上げましょう。とくに、鏡面仕上げを望む場合は、番数の高い耐水ペーパーと鏡面仕上げ用の液体コンパウンドを使用するなど、根気よく行います。塗装後、完全に乾燥するまで少なくとも一週間かかるとされています。コンディションによっては1カ月以上かかるケースも。むやみに触ったりすぐに使ったりせず、できるだけそっと置いておくのが正解です。  

バイクフレームの塗装剥離のやり方

剥離液を塗り塗装を剥がす

塗料はがし剤と呼ばれる薬液を使って、古い塗料を剥離します。皮膚につくと刺激が非常に強く危険です。ゴム手袋とゴーグルを必ず着用し、風通しのよい場所で作業を行いましょう。   まずは、やすりやカッターで元の塗装に軽く傷をつけ、剥離剤の浸透をよくします。剥離剤を容器に移し、刷毛でたっぷりと塗布しましょう。塗布してしばらくたつと塗装が浮いてはがれてきます。スクレーパーと呼ばれる金属のヘラで浮いた塗装を?いでいきます。はがれにくい場合は剥離液をもう一度使う、小ぶりのスクレーパーを使う、やすりやワイヤーブラシを使うなど、工夫してみましょう。   塗料はがし剤は、主に金属への塗装をはがすものです。プラスティックへの塗装をはがすために使用すると、下のプラスティックが溶けてしまう可能性があります。使用しないように注意しましょう。

薬剤を丁寧に洗い流す

薬液が残っていると再塗装時にはがれる原因となるため、しっかりと水で洗い流しましょう。庭のホースなど、屋外で遠慮なく水の使えるところがあれば理想的ですが、そうでない場合はバスルームなどでシャワーと歯ブラシで丁寧に洗うとよいでしょう。

しっかり乾燥させる

早く塗装をしたいという気持ちになることでしょうが、ここで焦りは禁物。まずはしっかりと乾燥させてから取り掛かりましょう。エアーで水分を吹き飛ばすと乾きが早くなります。   もとの塗装をはがさずに、そのまま上から新しく塗装すればよいのでは?と考える人もいるでしょう。しかし、それではきれいに塗装が乗りません。塗装の剥離も非常に重要な工程といえます。

フレーム塗装でより自慢の愛車にしよう

時間と手間をかけてあげることで、大切な愛車が新車同然の姿になります。プロに頼んで塗装してもらうのもよいかもしれませんが、自分の手で納得のいくまで?がし、洗い、塗り、磨いた時間はそれ自体がプライスレス。見違えるように美しくなった愛車に、より一層の愛着がわくこと間違いありません。

category

記事カテゴリー