ダッチバイパーの特徴と中古車情報。価値を知り魅力にはまってみよう

ダッチバイパーの特徴と中古車情報。価値を知り魅力にはまってみよう

2018.05.23

アメリカの象徴的なスポーツカーであるダッチバイパーがどんな魅力に溢れているのかを、その25年という短くも長い歴史とともに振り返りましょう。そして現在の状態はどうなっているのか、ダッチバイパーの恐るべき怪物的な性能などにもに迫っていきます。

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25年の歴史を閉じたダッジバイパーの魅力に迫る

ダッジバイパーはアメリカの象徴的なスポーツカーです。マッスルカーの代表格ともいわれており、カーチェイスなどのシーンがあるハリウッド映画でもよく登場しています。それほどアクティブに走ることに対して信頼が高い車だということもいえるでしょう。 多くのファンがいながらも、惜しまれながら販売が終了し、25年の歴史を閉じたダッジバイパー。改めて特徴を1つずつ確認していき、バイパーの魅力に迫っていきましょう。そして、中古車情報も確認することで、自分に合った車かどうかも知ることができます。

ダッジバイパーとはどんな車なのか

ダッジバイパーとはどんな車なのかを1つずつ確認していきましょう。バイパーらしさがわかる特徴のみを厳選しています。

バイパー誕生の経緯

まずはバイパー誕生の経緯を知っておきましょう。バイパーは、1980年代に北米マッスルスポーツカー市場を独占していた、ゼネラルモーターズのシボレーコルベットに対抗することを目的に開発された車です。主導となったのは、GMヨーロッパやBMW、フォードモーターなどを渡り歩いた、やり手のボブ・ラッツ。当時はクライスラーの社長でした。 ボブ・ラッツは、1960年代の名品スポーツカーとして名を馳せたシェルビー・コブラを制作するため、シェルビー・コブラを開発した世界的なカーデザイナーのキャロル・シェルビーに協力をあおぎます。さらに、ランボルギーニも出力重視のためのエンジンのチューンなどに協力することになるのです。ボブ・ラッツ主導のもと、一流デザイナーのキャロル・シェルビーの集大成となる「バイパー」が、ランボルギーニの手を借り、1991年に販売開始となりました。

クライスラーの1部門ダッジから販売された車

ダッジバイパーは、1991年にクライスラーの1部門「ダッジ」ブランドから販売されたアメリカンスポーツカーです。60年代のスポーツカーである「シェルビー・コブラ」を意識して、初代を開発しました。 実際、開発スタッフの中にはコブラを制作したキャロル・シェルビーもいたそうです。バイパーという名称もコブラと同じ毒蛇の意味があることから、シェルビー・コブラを強く意識していることが伝わります。

世界最速の性能をもつマシン

アメリカのスポーツカーといえば、パワフルな性能が特徴的です。その中でもバイパーはアメリカのスポーツカーの中で、ずば抜けたパワーを誇っています。 最新車(2012年から販売されている3代目のバイパー)は、8.4リッターV型10気筒エンジン搭載という化け物級。出力は自然吸気エンジンとしては世界最大級の649psで、数多くある市販車の中で比べても、世界最速の性能をもつマシンです。

ジャンルはマッスルスポーツカー

ジャンルは「マッスルスポーツカー」になります。マッスルスポーツカーの特徴は、主に2ドア構成であること、大きく重い車体であること、V型8気筒エンジンなどを搭載して大きなトルクを発すること、後輪駆動(FR)の車であることです。 ライトウェイトスポーツカーやグランツーリスモとは違うスポーツカーで、アメリカ車やオーストラリア車にはありますが、ヨーロッパや日本にはこのような車はありません。

パワーを重視したダイナミックなスポーツカー

豪快でワイルドな走りが魅力で、パワーを重視したダイナミックさがアメリカらしい独特のスポーツカーであるといえます。パワー重視のアメリカ車の中でも、バイパーの性能はずば抜けており、マッスルスポーツカーの王様といっても過言ではない存在です。 他のアメリカ車でよく見られるエンジンはV型8気筒なので、V型10気筒・排気量8リットルのバイパーは最大級のパワフル性能だということがわかります。他にはないパワーを持っていながらも、普段は高速利用時くらいにしか発揮できないのがもったいないくらいです。

2017年モデルイヤーを最後に生産終了

バイパーは2017年モデルイヤーを最後に生産が終了しています。近年では、車業界は低燃費やハイブリッドなどの環境・エコを意識したものが主流です。しかしバイパーはその時代に逆らい続け、パワーとスピードを重視してきました。 ポルシェですら環境を意識して電気自動車を作る時代の中、バイパーは大排気量で時代に逆らう問題児でもあり続けたのです。バイパーに限らず、多くのスポーツカーの売り上げが伸び悩む中、バイパーは環境重視の時代の中で25年もよく戦い続けたともいえます。そして多くのファンが惜しむ中、25年間の歴史の幕をおろしました。

ダッジバイパーのモデル別の特徴

ダッジバイパーのモデル別の特徴を、初代から順を追って見ていきましょう。それぞれに特徴や魅力があり、順を追って確認していくことでバイパーの歴史についても知ることもできます。

初代バイパーコンセプトカー

初代バイパーは1991年12月に販売が開始されました。当初はエンジン8リッターV型10気筒、重量は1500キロ弱、出力は400hpで、窓もルーフもないオープンカーのRT/10のみのロードスターベースのスポーツカーでした。ちなみに初代はサイドマフラーです。 1996年になると、クーペモデルのGTSに450hpまでパワーアップされたV型10気筒が搭載されることに。その後は、バイパーGTS-Rという名のレーシングカーがレースに次々に出場してポルシェなどの強豪を抑えて優勝するなど、パワーフルな活躍を見せています。

2代目バイパーSRT/10

初代モデルが大人気となり、マッスルスポーツカーの代表格となったバイパー。そして、2002年に2代目バイパーSRT/10が登場します。 外観は初代からイメージを崩さず、車体の剛性を向上。さらにサスペンションやブレーキを大幅改良されました。排気量が8.3リッターに拡大して、初代の出力450hpから517hpへと向上。吸排気系やクラッチなどの操作性も見直され、パワーだけでなく本格的なスポーツカーへと進化を遂げたのです。

3代目SRTバイパー

2003年にはフルモデルチェンジを実施したバイパー(エンジン8.3リッターV型10気筒、出力510hp)が登場します。エクステリアも一新しており、初代のうねるような美しいフォルムをいかしつつ、シャープで洗練されたスタイリングのフルオープンボディになりました。デザイナーは当時クライスラーに在籍していた鹿戸治氏です。 バイパーは2010年末に生産を一度終了していましたが、2012年にダッジからクライスラーのハイパフォーマンスカー開発部門の「SRT」にブランドを変えて、「SRTバイパー」として販売。エンジンはV型10気筒で排気量アップはないものの、ピストンやエギゾーストパイプなどに改良がされ、最高出力は640hp(約649PS)まで向上しました。

バイパー史上最強のダッジ バイパーACRエクストリーム

バイパー史上最強といわれているのが、「ダッジ バイパーACRエクストリーム」。「ACR」は「アメリカン・クラブ・レーシング」を略したものです。 排気量は8.3リットルから8.4リットル、出力は600hp=約608PS。エンジン性能は劇的には変わらないものの、空力オプションが魅力的です。最高速度285km/hのときには、900kgものダウンフォースが発生するACRエクストリームエアロパッケージなどの装備をはじめ、マニア向けオプションが用意されています。走ることに特化したダッジバイパーらしいバイパーです。

世界に自分だけの一台1to1

バイパー1to1は、自分好みにカスタマイズし、世界に自分だけの一台を創り上げることができます。自分だけの「バイパー」を工場で作り上げることができ、オーナーはその過程を見ることもできるのです。 数百種類以上の基本色やストライプを組み合わせて、18種類のインテリア・トリムや7種類のエアロ仕様をWEB上にて自分で設計します。そして、でき上がった設計図をダッジ公認のディーラーへ持ち込んで契約し、工場で創り上げるという手順を踏みます。一般的な市販車にはない、世界に一台だけのバイパーを手にすることができるのです。ただし、このシステムは生産が終了する年までとなっています。

ダッジバイパーACRエクストリームの凄いところ

ダッジバイパーACRエクストリームの凄いところを具体的に確認していきましょう。以下に記載がある内容を知ることで、この車ならではの魅力を知ることができます。

乗りこなしたときの充実感

ダッジバイパーACRエクストリームは、高速走行時にその魅力を実感します。乗るのに慣れたら他車にはない快適な乗り心地を体感できることでしょう。 例えば、高速道路を100キロで走っているときにその魅力を体感することが多いです。特に加速がスムーズなので、車の流れが途切れないときでも、車線変更をスムーズに行えます。そのような車はダッジバイパーACRエクストリームくらいだといえるでしょう。

魅力的な車内空間とデザイン

乗り心地だけでなく、車内空間とデザインも魅力的です。考え抜かれた設計のタイトな運転席と、車らしからぬ雰囲気が特徴。無駄なものは一切省いた特別感のある空間です。 そして、忘れてはいけないのがバイパーならではの独特のフォルム。シェルビー・コブラからインスパイアされたストライプの入ったデザインと、存在感のあるフォルム。走ることに特化した車だからこそ誕生したバイパーならではの独特なフォルムは、クールで優麗な雰囲気を感じさせます。

ダッジバイパーACRエクストリームの難点

ダッジバイパーACRエクストリームの難点(デメリット)も確認しておきましょう。メリットだけでなくデメリットも把握したうえで、中古車の購入を検討するなどしたほうがよいです。

車両感覚がつかみにくい

車両の形が独特なので、車両感覚がつかみにくいというのはデメリットだといえるでしょう。可変式ウイングに装備されたディフューザーやスプリッターが大型で装備されているなどの影響もあります。 後輪側の車幅の感覚がつかめず、慣れるまでは障害物をよけることが難しいです。ただし、乗り慣れてきたら、特に高速時に快適な走行を体感することができます。慣れるまでは走行に注意したほうがよいでしょう。

実用的な機能がほとんどない

走ることに特化した車なので、実用的な機能はほとんどありません。トランクの容量が少ないなど、運搬機能がほぼないというはデメリットの1つです。 実用性を求めて購入するなら、一般的な車の中から選んだほうがよいでしょう。しかし、バイパーにはバイパーにしかない魅力があります。パワーと走行性能、そしてバイパーならではの独特のフォルムに魅力を感じる方におすすめの車です。

エンジン音が轟音

エンジン音が轟音なので、まわりに気を使います。まさに、アメリカのスポーツカーといったエンジン音です。 スポーツカーを購入する時点で、ある程度想像できると思いますが、閑静な住宅街や住宅が密集している地域に住んでいる方は、近所迷惑になるかもしれません。騒音トラブルを気にする方には、バイパーに限らずスポーツカー自体、選ぶことができないでしょう。

燃費が悪い

バイパーは近年のエコを意識した普通の車ではありません。時代に逆らい、走ることだけに集中して創られたスーパースポーツカーです。 そのため、一般的な車と比べると燃費が悪いことがデメリットです。燃費を気にするなら、普通の車を選んだほうがよいでしょう。もしくは、普段は普通の車を使用し、バイパーは休日の趣味の車として楽しむのがおすすめです。

中古車市場でのダッチバイパーの価値と相場

中古市場でのダッチバイパーの価値と相場はどれくらいなのかを知り、中古車購入の検討材料にしましょう。また、どのようなことが価格に影響するかも知っておくとよいです。

希少価値が高い

ダッジバイパーは、マフラーが日本の車検違反に当たるという影響もあり、国内での台数が少ないです。また、日本の狭い道ではバイパーの性能や魅力が最大限発揮できないというのも、国内に入ってきている台数が少ない理由です。 そのため、中古市場では希少価値の高い車だといわれています。他のアメリカのスポーツカーとは違い、バイパーのように希少価値が高い車は、ほとんど値崩れしないことが特徴です。また、バイパーはパワフルなゆえに中古では修復歴がある車が多いのですが、無事故で修復歴がない車となるとより価値が高くなります。

相場は年代によって異なる

相場は年式によって異なります。例えば、年式が1998年で、走行距離が3.4万キロの新車並行のダッジバイパーRT/10は、中古価格が390万円。初期モデルでASKと表記されているものもあります。 年式が2001年以前の場合は360万〜500万円くらい、年式が2005年の場合は680万円台くらい、年式が2006年の場合は800万円台くらい、2009年以降は1000万円台くらいだとされています。2015年の特別仕様車は1320万円で販売されていたという例もありますが、相場は日々変動しており、カラーや状態などでも価格が異なるため、過去の相場はあくまでも参考にする程度にしましょう。

カラーや状態では古いものでも高額に

人気のカラーや状態がきれいなものであれば、古いものでも高額になることがあります。カラーは人気度もポイントですが、希少価値も大きなポイントです。 例えば、アメリカのノースカロライナ州にあるディーラーにて、世界に僅か2台しかないピンクカラーのダッジバイパーが中古車として販売された価格は1860万円でした。2016年に創られた「Advanced Aero Solid Edition」という限定モデルで、エアロキットのアグレッシブな装備とP99というメタリックピンクの指定カスタムカラーを加えた一台。車両コンディションも抜群だったため、中古車としては高額な価格で販売されていたようです。

熱狂的なファンを持ち続けたダッジバイパーの魅力

ダッジバイパーは生産が終了したものの、熱狂的なファンを持ち続けていました。現在でもファンがいるダッジバイパーの魅力は何かを改めて考えていきましょう。

時代に逆らい続けた反骨精神

時代は環境やエコに配慮した車が主流です。高級車やスーパーカーにもハイブリッドが導入されています。例えば、ポルシェの「918スパイダー」や、マクラーレンの「P1」、フェラーリの「ラ フェラーリ」など、名立たる高級スーパーカーもハイブリッド車を導入。環境基準により燃費、排気ガス規制を考え、それらをクリアにすることが求められている時代なのです。 近年では、フランスの「ル・マン24時間耐久レース」でもハイブリッドシステムを導入しているレーシングカーが主流になっているほど。それほどエコを意識した車が主流になっているにもかかわらず、バイパーはあくまでも大排気量による走りを重視し続けました。これぞスーパーカーという車で、時代に逆らい続けた反骨精神がファンに愛されている理由だともいえるでしょう。

大衆受けを狙わないクールさ

大衆受けを狙うなら、だれでも乗りやすい車にすることでしょう。しかいバイパーは違います。あくまでも独自の路線を突き進みました。一般向けというよりはレーサー向けなので、乗りにくい、乗りこなすのに時間がかかるという点をデメリットだととらえる方もいましたが、その一方で乗りこなした時の充実感や支配感は他の車では絶対に体感できないものです。 そして、独特なフォルムも大衆受けとは言えないかもしれません。アメリカのスポーツカーらしさ全開で、プライベートやビジネスで乗るには浮いてしまう可能性もあります。その大衆受けを狙わないクールさが特別感を生み、ファンの心を鷲づかみにしました。

特別限定モデルが即完売したことが熱狂的なファンを持つ事実を物語っている

バイパーの限定モデルが販売される際には即完売します。このことが世界中に熱狂的なファンを持つことを物語っているともいえるでしょう。 例えば、2016年にバイパーの25周年を祝うために特別限定モデルが販売されました。この特別モデルは限定206台で販売されましたが、受注開始からたった5日間で完売したそうです。その中でも、28台限定で販売された「1:28?Edition ACR」(ラグナセカ・サーキットで1分28秒のコースレコードをマークしたことが名前の由来)というバイパーは、高額な値段にもかかわらず、たった40分で完売してしまいました。

全ては走りだけを極めるために

全ては走りだけを極めるために創られています。後輪側の車幅や障害物との間隔が読みにくく、慣れるまで手間取るのも、すべては走りに特化した創りになっているから。トランクの容量が少ないなど、実用的な機能がほとんどないのも、ハイパフォーマンスで走ることだけを考えた車になっているからです。 性能もフォルムも、すべては走りだけを極めることを考え抜かれて創られています。そのため、一般向けの車として乗るには不便なこともありますが、乗りこなしたときの気持ち良さはバイパーに乗った人のみしか体感することができないでしょう。他のアメリカのスポーツカーにもないバイパーならではの魅力が、ファンを持ち続けたバイパーの魅力となっているのです。

ダッジバイパーの魅力にはまってみよう

ダッジバイパーはアメリカのスポーツカーの頂点ともいえる存在です。世界中に熱狂的なファンを持ちながらも、2017年モデルイヤーを最後に、惜しまれつつ生産が終了してしまいましたが、中古市場での人気も高く、現在でもまだファンの熱は冷めていません。 バイパーの最大の特徴は、とにかく走りに特化していることです。エコに配慮したハイブリッドカーが主流となっている時代を完全に無視した問題児ではありましたが、軸がブレることなく時代に逆行して独自の路線を貫き続けたことが、ファンに愛された理由でもあります。 バイパーは慣れるまでは乗りにくいですが、逆にいえば慣れたら他の車では体感できない支配感があることが魅力。この機会に、バイパーならではの魅力にはまってみましょう。

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