ダンベルフライの効果と正しいやり方について
ダンベルフライは腕の筋トレには欠かせないものですが、正しいフォームを知らない人や、どのような効果があるのかを知りたいという人におすすめの筋トレ方法をご紹介していきます。ダンベルフライをやったことがある人もない人も、コツや注意点などを知ることでしっかりとした筋トレ効果が出てきます。 また、筋トレにダンベルフライがなぜ効果的なのかの理由を知り、筋トレにダンベルフライを導入してより大きな筋肉を手に入れましょう。わざわざジムに行かなくても、最初はベンチとダンベルがあれば簡単に行えますので、早速始めてみてはいかがでしょうか。ダンベルフライとは
そもそもダンベルフライとは、どのような筋肉を鍛えるメニューなのでしょうか。より効果的に行う方法を学んでいきましょう。ダンベルフライが効く筋肉「大胸筋」は、「上部・下部・外側・内側」の4つの部位で構成されていています。大胸筋を鍛えられるダンベルを使用した筋トレ
ダンベルフライは、ベンチプレスよりもより重点的に大胸筋を鍛えられるのが特徴です。ピンポイントに集中して鍛えることを「アイソメトリックトレーニング」といい、大胸筋だけを刺激することができるのです。また、ダンベルフライは大胸筋をストレッチさせて、内側に絞り込む動作をするため、大胸筋中部の内側を鍛えることができます。 ダンベルフライで鍛えると大胸筋が盛りあがって見え、胸板が厚くなります。大胸筋を肥大させるのにとても効果的な筋トレといえるでしょう。ダンベルプレスとは違う
ダンベルプレスと動きは似ているようですが、実は効いている筋肉の場所が変わってきて、大胸筋をメインに上腕三頭筋や三角筋などにも効果が分散しています。ダンベルフライはダンベルプレスほどパンプアップ(筋肉を増やすこと)には適していません。 ダンベルプレスはベンチに仰向けになり、ダンベルを持った両腕を上に伸ばして下げるを繰り返す動作のことです。マシンのベンチプレスよりも初心者向けで簡単に行え、ダンベルフライは大胸筋一点集中型ですが、ダンベルプレスでは肩周りなどにも筋肉がつきます。筋トレの一番最後に行うのが望ましい
大胸筋をしっかりと鍛えたいのであれば、ダンベルフライを筋トレの最後に持っていき、ベンチプレス後にパンプアップとして行うのが効果的です。ダンベルフライはピンポイントで大胸筋を鍛えるため、高重量の筋トレができません。そのため筋肉に追い込みをかけるために、先に高重量にできるベンチプレスなどをやっておくのがおすすめです。 また、大胸筋をストレッチできるため、筋トレ前にウォーミングアップ目的で行う人もいます。筋トレの順番は個人差がありますので、一度試してみて効果がなければ反対の順番で行ってみてもよいでしょう。ダンベルフライで使うダンベルの重量
ダンベルフライはダンベルの重さも重要なポイントになってきます。あまりにも重すぎてもいけないので、自分に合う重さを見つけましょう。ベンチプレスの60%くらいが目安
ベンチプレスの高重量に比べてダンベルフライは、ウエイトを重くするより回数を上げるほうが重要になってきます。例えばベンチプレスが40kgの場合は、ダンベルは両方合わせて24kgが好ましいでしょう。 ダンベルフライは回数を多くすることによって、大胸筋に丁寧に刺激を与えられます。そのためダンベルの重さもしっかりと調節していきましょう。最初から飛ばして重たいものを持ちたい気持ちはわかりますが、筋肉が傷む可能性があるためおすすめしません。12回ほどで限界に達するくらいの重さが目安
ダンベルフライはRM法(繰り返して行える最大の数)を用いて行うのが効果的です。8〜12回ほどダンベルフライを行ってみて、限界が来るくらいが目安ですのであまりにも軽すぎてもいけません。15回以上できるのであれば、それはダンベルが軽すぎるということになります。 狙った筋肉がしっかりと効いていることを感じながら行いましょう。インターバルを挟んで、なるべく3セット繰り返すのが理想的です。筋肉の限界は、程よい疲労感が重要なポイントになってくるのです。重すぎてフォームが崩れるのはよくない
間違ったフォームが身に付くとよくないため、正しいフォームで扱える適度な重さを選ぶようにしましょう。自分の限界以上のものを持つと大胸筋だけではなく、腕や肩を使って上げようとするため、ピンポイントに効果が期待できなくなるのです。 また必要以上に重すぎてしまうと、筋肉や関節が傷んでしまう可能性があるので注意しましょう。重たいものを持ち上げたいのであれば、最後にベンチプレスで調整することをおすすめします。ダンベルは可変式を選ぶ
初心者の人は自分がどのくらいの重さを持てるのかが、なかなかわからない人が多いようです。自宅でトレーニングするのであれば、ダンベル選びも慎重に行いましょう。 自分に合った重さでウエイトトレーニングができるよう、重さを変えられる可変式のダンベルを用意しておくのがおすすめです。値段は少し高めになりますが、4~20kgほどダンベルの重さを変えることができて、筋トレ方法によって重さを変えられるので重宝します。値段がお手頃なものでは4,000円くらいのものが出ていますので、まずは試してみてはいかがでしょうか。ダンベルフライの基本的なフォーム
しっかりとフォームを学んで、効果的に大胸筋を鍛えましょう。簡単にできますので、早速実践してみてください。ベンチ台で仰向けになる
基本的にはダンベルフライは可動域を広げるために、ベンチ台を使用して行いましょう。また、ベンチに仰向けになって腕を左右に開くため、バランスをしっかり取れるようにつま先は外側に、足を広めに開いてください。膝は90℃に曲げた状態で、床を踏みしめるようにしておきます。 ベンチの種類によっては少し細めのタイプもありますが、自宅用に購入する際は太めのタイプを選んでもよいでしょう。手のひらが向かい合うようにダンベルを持って上に上げる
手のひらが横向きにならないように注意して、向かい合うように持ちます。手のひらが横向きだとダンベルプレスの持ち方になってしまい、鍛えられる筋肉が変わってくるため間違えないようにしましょう。ダンベルを持ち上げた状態では手のひら同士を合わせる形になりますが、筋肉を休ませてしまうのでダンベル同士がぶつからないようにするのがポイントです。 肩幅でダンベルをまっすぐ上に持ち上げた状態が、ダンベルフライのスタートポジションになります。そこからTの字のように体の横へ腕を広げて筋肉に負荷をかけ、再びまっすぐ上にダンベルを持ち上げることで元の状態に戻す動きを繰り返し行いましょう。肩甲骨を寄せるよう意識する
大胸筋に必要なことは「肩甲骨を寄せる」ということです。まずは、イメージトレーニングとして腕を横に広げたときに、肩甲骨が寄っていることを感じてください。肩がうしろにいくことで胸が張るのがわかるでしょう。 ダンベルフライを正しいフォームで行っていれば、自然と肩甲骨が寄るようになります。普段の生活でも胸を張って、肩甲骨を柔らかくすることを心がけてください。ゆっくりと肘を曲げて下ろしていく
腕をゆっくり横に下げていくときに、肘はまっすぐ伸ばしきらないようにしましょう。肘を伸ばしてトレーニングを行うとケガの原因になりますので、腕は下ろしきらず反動を使わずに、息を吸いながら下ろしていくことがポイントです。 下ろしたときと同じ軌道でゆっくり戻し、ゆっくりと息を吐きながらスタートポジションに持っていきましょう。これを何回か繰り返します。ダンベルフライのさまざまなフォーム
ダンベルフライには種類がいくつかありますので、ピックアップしました。慣れてきた人はバリエーションを増やして、是非チャレンジしてみてください。大胸筋の下部を鍛えるデクラインダンベルフライ
デクラインベンチを使用すると大胸筋下部を鍛えやすいため、厚みのある胸板になります。デクラインベンチを使用したダンベルフライ
通常のダンベルフライは大胸筋を全体的に鍛えるのですが、デクラインベンチは上半身が下、下半身が上の斜めの体勢になるため、大胸筋の下部をメインに鍛えることができます。しかし、デクラインベンチの筋トレは大胸筋下部と同時に三角筋や上腕二頭筋にも刺激が入るため、大胸筋ピンポイントにはなりにくいのが特徴です。腕を斜め下に向かって閉じる形になる
軌道が斜め下に腕を閉じる形になるため、大胸筋の下部に刺激が届きます。通常のダンベルフライよりは少しきついトレーニングですので、ダンベルを上に持ち上げたときについ休みがちになってしまいます。繰り返し上下しているときは、なるべく動作を止めないようにするのがポイントです。大胸筋の上部を鍛えるインクラインダンベルフライ
インクラインベンチを使用すると、大胸筋上部を鍛えられ、三角筋や上腕二頭筋にも筋肉が付きやすくなります。インクラインベンチを使用したダンベルフライ
デクラインダンベルフライと反対の姿勢で、頭を上にして体を斜めにした状態で筋トレを行います。インクラインベンチは、大胸筋をしっかりと鍛えるために必要なアイテムの一つです。最初は30℃くらい倒してダンベルを持ち上げましょう。 自宅で使用する際は、シートの角度調整が可能なアジャスタブルベンチがおすすめです。少し値段は張りますがインクラインダンベルフライと、デクラインダンベルフライが調節できるアジャスタブルベンチもありますので、慣れてきたら購入も考えてみてはいかがでしょうか。腕を斜め上に向かって閉じる形になる
インクラインとは「傾斜」という意味で、インクラインベンチでダンベルフライを行うと、軌道が斜め上に腕を閉じる形になるため、大胸筋の上部の鎖骨あたりに刺激が届きます。Tシャツの首回りから見える筋肉ですので、ここを鍛えることで胸板が厚い印象になるのです。ベンチ台がなかったら床で行うダンベルフライ
ダンベルフライはベンチ台がなくても、床で寝転がって行うことも可能です。床で行うダンベルフライを「フロアダンベルフライ」といいます。床に仰向けに寝転がってダンベルフライを行う
床より下にダンベルを下ろすことはできないですが、しっかりとフォームを身に付ければ、ベンチで行なっているのと変わらないくらいに大胸筋が鍛えられます。 フロアダンベルフライでの鍛え方は、以下の通りです。- マットを敷いた床に仰向けになり、ダンベルを手のひらに向かい合わせた状態で持ち上げます。
- 胸の前に腕を突き出してから「T」の字になるように、ゆっくりと腕を開いていきましょう。
- 腕が床にぎりぎりつかないくらいで、ゆっくりと元の状態に戻して繰り返し行います。
背中に枕を敷くと可動域が広がる
背中に枕を敷けば更にダンベルを下へ下ろすことが可能になり、可動域が広がり筋肉への負荷が大きくなります。枕やクッションなど安定できるものを積み重ねて、可動域をさらに広げてみましょう。ダンベルさえあれば、自宅で簡単に筋トレができます。発達停滞期に入ったらダンベルフライプレス
発達停滞期は筋トレを行なっている人は、誰でもぶつかってしまうものです。停滞期に入った場合は、筋トレにも工夫が必要になってくるため「ダンベルフライプレス」に変更してみましょう。動作の後半にフライからプレスに軌道を変える
停滞期に陥ってしまったときには、筋肉に高負荷をかけるために、ダンベルフライからダンベルフライプレスに変えてみましょう。ダンベルフライプレスは高重量のダンベルを扱えるため、少し重めのダンベルを用意して大胸筋に刺激を与えてみてください。ダンベルフライの動作の後半にプレスの軌道に変化をつけることで、発達停滞期を突破するきっかけとなります。通常のダンベルフライとは違った刺激が大胸筋に与えられる
ダンベルフライプレスはダンベルプレスと比べて、大胸筋の伸展率が高くなります。発達停滞期は筋肉にいつもと違った刺激を与えると効果が上がります。 ダンベルフライプレスの鍛え方は以下の通りで、ダンベルはなるべくぶつからず、離さないように両手で持ち上げるのがポイントです。- ベンチに仰向けになり、胸の前でダンベルを合わせるように構えて脇を絞めます。
- そのままゆっくりと息を吸いながら上に持ち上げて、息を吐きながら下げます。
- ダンベルを上げ下げしているときは、常に脇と肘は絞めて行いましょう。