確定申告で生命保険の控除を受けよう。申請書類と手続きについて

確定申告で生命保険の控除を受けよう。申請書類と手続きについて

2018.10.26

Share :

確定申告で控除を受ける

確定申告で控除を受けるために、知っておいたほうがよいことの一つに、生命保険料控除があります。生命保険料控除のことを知らないと、申告できずに損をしてしまう可能性があるからです。 きちんと控除を受けるために、生命保険料控除の基本的な情報や申告のポイント、申請書類などの手続きについて確認しておくと、確定申告の際に焦ることなくスムーズに手続きができます。また、生命保険料控除に関しては、新制度と旧制度の違いもあるので、そのこともおさえておいたほうがよいです。

生命保険料控除のポイント

まずは、生命保険料控除についての基本的な情報と、ポイントをおさえておくことが大切です。

生命保険料控除は所得控除の一つ

生命保険料控除とは、所得控除の一つです。基本的には、その年に支払った一般の生命保険・個人年金保険・介護保険の生命保険料の額に応じて、所得から一定額が控除されます。 この制度により、所得税や住民税の額が減って税金の負担が軽減されますので、忘れないように申告することが大切です。逆にいえば、申告をしないと、税金を必要以上に多く払っていることになります。制度を理解することは節税になります。

生命保険料控除証明書が必要となる

生命保険料控除を受けるためには、生命保険料控除証明書が必要です。控除が受けられる対象者には、10月〜11月ごろに生命保険会社からハガキまたは、封書形式で生命保険料控除証明書が送られてきます。 この原本が必ず必要になりますので、送られてこなかった場合や紛失した場合は、すぐに生命保険会社に連絡をしていただき、再発行の手続きをしなければいけません。もし、改姓や改名をしている方で、改姓や改名前の生命保険料控除証明書が送られてきたとしても、その証明書で申告することができます。

控除を受けられる保険

控除を受けられる保険は、生命保険料、介護医療保険料及び個人年金保険料です。これらの保険料を支払った場合、一定の額の所得控除を受けられます。 ただし、平成24年1月1日以降に契約した保険契約による保険料と、平成23年12月31日以前に契約した保険契約による保険料とでは、制度の違いがあるために生命保険料控除の取り扱いが異なるので、注意が必要です。また、保険期間が5年未満の場合は控除対象外になる可能性もあります。

現在は新制度と旧制度の二つが並立している

現在は、新制度と旧制度の二つが並立している状態です。どちらの場合でも、支払った年間保険料により、異なる控除を受けられるので、保険料を契約した時期がいつなのかをよく確認しておく必要があります。 新制度の対象になるのは、平成24年1月1日以降に加入した保険です。新制度で保険料控除の対象になるのは、一般の生命保険料・介護医療保険料・個人年金保険料で、所得税控除の最高額は、それぞれ4万円、合計12万円。住民税控除の最高額は、それぞれ28,000円、合計84,000円になります。 旧制度の対象になるのは、平成23年12月31日までに加入した保険です。 旧制度では、一般の生命保険料・個人年金保険料の2種類が対象で、所得税控除の最高額は、それぞれ5万円、合計10万円。住民税控除の最高額は、それぞれ35,000円、合計70,000円です。新制度と旧制度の両方に加入している場合は、それぞれの制度に従って控除額を計算をします。

還付申告で必要なもの

還付申告で必要なものは、確定申告書A第一表・第二表、源泉徴収票、生命保険料控除証明書、印鑑です。確定申告書A第一表・第二表は、税務署に直接取りに行くともらえます。 または、電話で郵送してもらうか、国税庁のWebサイトからプリントアウトしたものを使用することも可能です。 源泉徴収票は、会社から年末年始あたりに公布されます。生命保険料控除証明書は、自宅に送られてきたらなくさないように保管してください。印鑑はシャチハタではなく、朱肉につけるタイプを用意します。

いつ手続するのか

会社員の方は年末調整のときに、自営業の方は確定申告のときに手続きを行います。10月頃に保険会社から生命保険料控除証明書が届くので、届いたら申告の時期が近づいているのだと覚えておくとよいです。 年末調整または確定申告のときに手続きをすれば、住民税に手続きをする必要がありません。それまでに申告に必要なものを集めて用意しておくと、申告の時期がきても焦ることがなく、スムーズに手続きができます。

配偶者や扶養家族の名義でも控除できる

自分が保険料を支払っていることが証明できれば、配偶者や扶養家族の名義でも控除できます。つまり、自分が契約者ではない保険料も、配偶者や扶養家族であれば控除の対象になるのです。 例えば、子どもや妻、親の保険であっても、その保険料の支払いを自分がしているのであれば、確定申告で保険料控除が適用されます。生計が一緒ではなくても、保険の契約者が自分ではなかったとしても、自分が支払いをしていれば保険料が控除できるのは、6親等以内の血族、3親等以内の姻属が対象です。そのため、まったくの他人はもちろん対象外になります。

新旧の制度の違い

新旧の制度の違いにより、いつ保険が契約締結されたのかが重要になります。新旧の違いで控除の内容が異なるので、新旧の制度の違いを詳しく知っておいたほうがよいです。

新制度と旧制度の施行日の違い

まず知っておいたほうがよいのは、施工日の違いです。新制度は契約締結日が平成24年1月1日以降の保険、旧制度は契約締結日が平成23年12月31日以前の保険が対象になります。 新制度か旧制度か、どちらかわからないと不安になることはありません。基本的には、送られてくる控除証明書を見てみると「新」か「旧」かの記載があります。新か旧かで計算方法が異なるので、控除証明書でどちらかを確認し、間違えないようにしてください。ちなみに、介護医療保険の場合は、新制度しかないです。

適用される保険が違う

新制度と旧制度は、適用される保険が違うので注意が必要です。新制度は、「一般の生命保険料控除」「介護医療保険料控除」「個人年金保険料控除」の3種類が控除の対象になります。旧制度は、「一般の生命保険料控除」と「個人年金保険料控除」の2種類だけです。 新制度か旧制度かで、計算方法や上限が異なります。例えば新制度の場合、年間で支払った保険料が8万円を超えると、一律で4万円の所得税を控除。旧制度の場合、年間で支払った保険料が10万円を超えると、一律で5万円の所得税が控除されます。

旧制度と新制度で両方の対象契約がある場合の控除額

旧制度と新制度で両方の対象契約があるケースもあります。その場合は、旧制度と新制度のそれぞれで計算して合計することが可能です。 両方の対象契約がある場合、各控除の限度額は、所得税控除が40,000円、住民税控除が28,000円になります。新制度と旧制度の各控除を計算して合計した場合の限度額は、所得税が12万円、住民税が70,000円です。

申告漏れがないように控除をしっかり受ける

確定申告で申告漏れがあると、本来控除できるはずのものができていないという事態が起こります。そうならないために、生命保険料控除についての情報を理解し、必要な書類や手続きについて確認しておくことが大切です。 また、旧制度と新制度は計算方法が異なるので、いつ保険を契約締結したのかの確認が必要になります。生命保険料控除の情報をしっかりと理解し、申告漏れがないようにきちんと控除を受けてください。

category

記事カテゴリー