この記事を読んでいる方は以下のような悩みを持っていることでしょう。
- 「初心者におすすめのクレジットカードの国際ブランドはどこだろう?」
- 「クレジットカードの国際ブランドのJCBとVISAってどっちがいいのだろう?」
- 「クレジットカードの国際ブランドの種類ってどのくらいあるんだろう?」
- 「クレジットカードの国際ブランドのVISAとマスターカードって結局どっちがいいの?」
・国際ブランドで最もおすすめなのはマスターカード
・初めてのクレジットカードブランドはVISAがマスターカード
・JCBは国内向け、VISAは日本国内外で使える万能カード
・クレジットカードの国際ブランドは7種類ある
・国際ブランドは自分のライフスタイルや利用目的から逆算して選ぶべき
クレジットカードの国際ブランドはそれぞれに特徴を持っており、どのブランドを選べばよいのかがわからない方も多いです。
この記事では、自身が刊行した書籍が1位を獲得したこともあるファイナンシャルプランナー水上さん監修のもと、国際ブランドの種類やその特徴、初めての方向けの国際ブランドやQ&Aに関して解説します。
水上克朗(CFP(日本FP協会認定)、1級ファイナンシャルプランニング技能士、DCプランナー)
著書の「50代から老後の2000万円を貯める方法」(アチーブメント出版)は、Amazon「財政学部門」1位!
クレジットカードの国際ブランドとは
クレジットカードの国際ブランドとは、読者のあなたが街中のお店のレジでよく見かける「VISA」や「MasterCard」の文字、あれが国際ブランドです。
国際ブランドのクレジットカードを持つことで、世界中でクレジット支払いや海外でのATM利用ができます。
またカードを持っていると、クレジット決済だけではなく国際ブランドや発行会社が用意をしている特典やサービス、付帯保険などを利用することができるのもメリットです。
なお街中でよく見かける「JACCS」や「ニコス」といったクレジットカードブランドは日本国内のみのブランドのため海外では使えないので注意しましょう。
クレジットカードの国際ブランドシェア率
クレジットカードの国際ブランドはそれぞれどのくらいのシェア率を誇っているのでしょうか?
以下で国際ブランド名とシェア率の表を作りましたので、参考にしてください。
カード名 | 世界シェア率 |
VISA | 56% |
MasterCard | 26% |
UnionPay/銀聯 | 13% |
JCB | 1% |
American Express | 3% |
diners club | 1%未満 |
discover | 1%未満 |
VISAとMasterCardのシェア率の合計が80%以上を占めており、残りの20%弱を5つの国際ブランドが取り合っている形です。
クレジットカードの国際ブランドは複数ある
先ほども解説した通りで、クレジットカードの国際ブランドは7つあり、それぞれのブランドで特徴があります。
クレジットカードの国際ブランド一覧は以下の通りです。
では、それぞれの特徴について見ていきましょう。
国際ブランドごとの一押しのカードも紹介しているので、是非見てくださいね。
利用可能店舗数世界No.1VISA
項目 | 詳細 |
シェア率 | 56% |
加盟店舗数 | 3850万店 |
VISAは世界シェア率トップを誇るアメリカ発祥の国際ブランドです。
加盟店数は全世界で3850万店とされており、VISAカードがあれば大抵のお店でクレジット決済をすることができます。
日本国内で作るクレジットカードでも、大抵の場合はVISAブランドを選択することができます。
ただし、VISAにはVISA独自で発行する「プロパーカード」が存在せず、VISAと提携している発行会社が発行する「提携カード」のみの提供となっているため、ステータス性は若干低めです。
VISAなら三井住友カードがおすすめ
三井住友カードの概要 | 詳細 |
券面 | |
年会費 | 1375円※初年度無料で、2年目以降も条件付き無料 |
ポイント還元率 | 0.30%~2.50% |
交換可能なマイル | ANAマイル |
国際ブランド | VISA/Mastercard |
海外旅行傷害保険 | 最大2000万円 |
家族カード | 440円※年3回以上の利用で翌年度無料 初年度は1名のみ年会費無料 |
電子マネー | Apple Pay/google pay/楽天Pay/楽天edy/suica |
日本国内で発行されているVISAのクレジットカードで最もおすすめなのは「三井住友カード」です。
金融大手の三井住友フィナンシャルグループが発行しているカードのため、信頼性が高いです。
また、ポイント還元率も行きつけのお店などを指定すればお得にポイントを貯めることができますし、国内外の旅行傷害保険も最高補償額が2500万円に設定をされています。
普段の生活から旅行という特別なひと時までカバーをしてくれる心強いクレジットカードです。
世界シェア率2位!MasterCard
項目 | 詳細 |
シェア率 | 26% |
加盟店舗数 | 3850万店 |
MasterCardはVISAに次ぐ世界2番目のシェア率を誇る国際ブランドです。
加盟店数はVISAとそれほど変わらないとされていますが、MasterCardはヨーロッパ方面に数多くの加盟店を抱えていると言われています。
大抵のお店ではVISAとMasterCardどちらも対応しているので、VISAと同様にクレジットカード初心者の方におすすめの国際ブランドです。
マスターカードなら楽天カードがおすすめ
楽天カードの概要 | 詳細 |
券面 | |
年会費 | 永年無料 |
ポイント還元率 | 1%〜4% |
交換可能なマイル | JALマイル |
国際ブランド | VISA/JCB/MasterCard/AMEX |
海外旅行傷害保険 | 最大2,000万 |
家族カード | 永年無料 |
電子マネー | Apple Pay/楽天Pay/楽天Edy |
MasterCardで最もおすすめなのが、楽天株式会社が発行している楽天カードでしょう。
楽天カードの特徴は高いポイント還元率であり、常に1%以上をキープしています。
さらに楽天市場などの楽天経済圏で決済を行うとポイント還元率がアップするのも魅力的です。
楽天経済圏を利用してお得に暮らしたい人であれば必ず使いたいクレジットカードです。
日本国内の加盟店が多いJCB
項目 | 詳細 |
シェア率 | 1% |
加盟店舗数 | 2500万店 |
JCBは日本発祥の国際ブランドであり、VISAやMasterCardと比べると海外での知名度はどうしても劣ってしまいますが、後ほど解説するDiscoverとの提携によってアメリカ方面でも徐々に使えるお店が広がりつつあります。
日本発祥のためJCBが使えるお店は日本国内に多く存在しており、日本国内でクレジットカードを使いたい人であればおすすめのブランドです。
また、JCBはVISAやMasterCardと違って「プロパーカード」を発行しているため、ステータスが高いカードを持つことができるのもメリットです。
JCBはポイント還元率が高い「JCB CARD W」
JCB CARD Wの概要 | 詳細 |
券面 | |
年会費 | 無料 |
ポイント還元率 | 1% |
交換可能なマイル | ANAマイル,JALマイル,スカイマイル |
国際ブランド | JCB |
海外旅行傷害保険 | 最高2,000万円 |
家族カード | 無料 |
電子マネー | Apple Pay |
JCB CARD WはJCBが発行しているクレジットカードで年会費無料ながらそのポイント還元率の高さで人気が高いカードです。
18歳~39歳の比較的若い世代の方が申込み対象となっており、入会後の3か月間はポイント還元率は常に2%と通常のカード還元率の4倍の値となっています(通常は0.5%)
ポイントをざくざく貯めてお得に生活したい人におすすめなクレジットカードです。
ステータスの代名詞American Express
項目 | 詳細 |
シェア率 | 3% |
加盟店舗数 | 2400万店 |
「American Express」は、アメリカン・エキスプレス社が発行しているブランドです。
特徴はステータス性の高さです。
他の国際ブランドよりも高いサービスが提供されるのはもちろんのこと、海外でカードの提示を求められた時も信用されやすいのがメリットです。
日本国内だとVISA、MasterCardほど使えるお店は多くありませんが、JCBと提携をしたことでJCB加盟店でも使えるようになったので以前ほど困ることはないでしょう。
アメックスなら年会費をカンタンにペイできるアメックスゴールド
アメリカン・エキスプレス・ゴールドカードの概要 | 詳細 |
券面 | |
年会費 | 31900円 |
ポイント還元率 | 0.50% |
交換可能なマイル | ANAマイル、JALマイル、スカイマイル |
国際ブランド | JCB |
海外旅行傷害保険 | 最大1億円 |
家族カード | 13200円※1名まで無料 |
電子マネー・スマホ決済 | Apple Pay、楽天edy |
アメリカン・エキスプレスのおすすめは「アメリカン・エキスプレス・ゴールドカード」です。
年会費は31900円と高いと感じますが、サービスの手厚さや付帯されている傷害保険の充実度はプラチナカードクラスと言っても過言ではありません。
ゴールドカードは審査難易度が昔と比べるとゆるくなっており、20代でもアメックスゴールドを所持している方は一定数います。
ステータス性を求めるのであれば、アメックスゴールドを持つことをおすすめします。
世界初のクレジットカードとして認知されているDiners Club
項目 | 詳細 |
シェア率 | 1% |
加盟店舗数 | 2400万店 |
ダイナーズクラブカードは世界で始めてクレジットカードを発行した国際ブランドです。
特徴はアメックスにも劣らないステータス性の高さで、レストランや料亭といったグルメの場でその力を発揮するカードです。
例えばですが、指定されたレストランのおすすめコースを頼むと、1名分の利用料金がタダとなる特典があります。
ダイナーズクラブならプラチナカード並みのステータスを誇るダイナーズクラブカードがおすすめ
ダイナーズクラブカードの概要 | 詳細 |
券面 | |
年会費 | 24,200円※初年度無料 |
ポイント還元率 | 0.40%~1.00% |
交換可能なマイル | ANAマイル、スカイマイル、マイレージプラス |
国際ブランド | ダイナーズクラブ |
海外旅行傷害保険 | 最高1億円 |
家族カード | 5,500円 |
電子マネー | Apple Pay |
ダイナーズクラブカードは、日本初のクレジットカードを発行したブランドとして有名です。
特徴としては、アメリカン・エキスプレスのようなステータス性の高さがあげられます。
年会費は24200円で、申込みできる年齢が27歳以上と制限されており、若い世代の方が申し込むのはなかなか難しいですが、その年会費に見合うだけの特典やサービスが用意をされています。
ダイナーズクラブカードの特徴として「利用枠の制限がない」というのがあります。
これは、前月の利用状況から次月の利用可能額が各個人で決められていくというシステムが採用されているためです。
その月に限度額いっぱいまで利用すれば、次月は限度額が増額される可能性が高く、限度額をかなり下回った利用額になれば、次月の限度額が減額される可能性が高いです。
付帯されている旅行傷害保険も最高補償額が1億円に設定されており、これはアメックスゴールドやJCBゴールドカードと同等の金額です。
銀聯カードやDiscoverについて
他にも銀聯(ぎんれん)やDiscoverと呼ばれる国際ブランドも存在しています。
銀聯(ぎんれん)は主に中国で展開をされている国際ブランドで、中国の人口の多さもあいまって世界シェア率はVISA、MasterCardについて第3位です。
銀聯カードは、中国に出張や旅行に行く人におすすめをします。
Discoverはアメリカ発祥の国際ブランドで、日本ではカードを発行していないのでおすすめはできません。
クレジットカードの国際ブランドはマスターカードがおすすめ
これまで合計7つの国際ブランドについて紹介してきましたが、この中で最もおすすめな国際ブランドはMasterCardです。
MasterCardをおすすめする理由は以下の4つです。
為替の換金レートが1番良いのはかなり強い
MasterCardは、海外利用した場合の為替手数料が安いため、海外で使った場合でもお得に済む可能性が高いです。
特に海外旅行好き、海外出張が多い方であれば、決済時の為替手数料はどうしても気になるでしょう。
少しでも手数料を減らしてお得に海外で使いたいのであればMasterCardは一番おすすめです。
海外でも不自由なく使える汎用性の高さ
MasterCardはシェア率ではVISAに劣りますが、加盟店数はほとんど変わらないので海外でも大抵のお店で使うことができます。
また、現地でキャッシングが必要になった場合でもほとんどのATMはMasterCardに対応しているので安心ですね。
Apple PayのMastercardコンタクトレスがとにかく便利
MasterCardはApple Payのコンタクトレス決済に対応しており、お店で端末にApple製品をかざすだけで決済が完了するので便利です。
コロナウイルスの影響で非接触が推奨されているので、店員さんと接触せずに決済ができるのは双方にとっても大変ありがたいことです。
コストコはマスターカードしか使えない
コストコで使えるクレジットカードはMasterCardのみです。
それ以外の国際ブランドは一切使うことができません。
コストコ会員である方がクレジットカードを作る際は必ずMasterCardを選ぶようにしましょう。
初めてのクレジットカードブランドはVISAかMasterCardがおすすめ
「クレジットカード初心者はどの国際ブランドを選べばいいんだろう?」
上記のように考えている方もいるかと思いますが、初めてのクレジットカードを作るのであれば断然VISAかMasterCardがおすすめです。
理由は以下の通りです。
・加盟店数が非常に多いこと
・年会費が無料のカードがあること
・セキュリティ面が安心
加盟店数が多く決済に困らないことや無料で発行できるカードがあること、本人認証などのセキュリティ面でも万全の対策がとられているため、初心者にはVISAとMasterCardのいずれかを選ぶことをおすすめします。
日本国内でのみ使うならJCBでも良い
海外でクレジットカードを使う予定がないのであれば、日本国内の加盟店数がVISAやMasterCardとそれほど変わらないJCBカを選んでもよいでしょう。
JCBカードはポイント還元率が高いカードが多いので、ショッピング時に使えば使うほどお得になります。
そのため海外旅行や出張にいかない、または海外に行く予定のない方であればJCBを選ぶのも一つの手です。
国際ブランドは自分の生活や目的に応じて選ぶようにしましょう!
国際ブランドはそれぞれでシェア率などの特徴が違うので、自分のライフスタイルやカードの利用目的から逆算してカード選びをすることをおすすめします。
・ステータス性を重視→ダイナーズやアメックス
・海外旅行が好き→VISAかMasterCard
・日本国内でショッピングをお得に→JCB
上記のようなイメージです。
クレジットカードの国際ブランドでよくあるQ&A
ここでは、クレジットカードの国際ブランドに関する質問について取り上げています。
以下の3つが今回の質問内容です。
Q:JCBとVISAはどちらが良いの?
JCBとVISAの比較ですが、日本国内であればJCB、VISAともにどちらでもよいですが、海外では圧倒的にVISAです。
海外出張や旅行が多い方はJCBオンリーで行くと使えない店が多くなるので、VISAカードも併せて持っていくことをおすすめします。
日本国内はJCBとVISAどちらでもよいですが、海外に行く際はVISAカードを持っていくことが無難です。
Q:VISAとMasterCardはどっちが使える?
先ほどMasterCardが最もおすすめと解説しましたが、VISAも世界各地で使うことができるためどちらも使いやすいです。
為替手数料などの安さを考えた場合によりお得に海外での買い物を楽しむのであればMasterCardがよいです。
一番理想はVISAとMasterCardの2枚持ちで、2つのブランドのカードを持っていれば大抵のお店で決済に困ることはありませんし、キャッシングでもほぼすべてのATMを利用することができます。
各個人の利用目的に左右されるところはありますが、おすすめはMasterCard、理想はVISAとMasterCardの2枚持ちです。
クレジットカードのブランドは変更できるか?
クレジットカードのブランド変更ができるのは、楽天カードやエポスカードといった提携カードのみで、プロパーカードではできません。
また、利用中にブランドを変更する場合は楽天カードだと一旦カードを解約してから申込みをし直さなければならないので注意が必要です。
まとめ
今回はおすすめのクレジットカードブランドについて解説しました。
この記事では、マスターカードを最もおすすめしている国際ブランドですが、各個人の利用目的やライフスタイルにマッチしているブランドを選ぶことをおすすめします。
それぞれの国際ブランドの特徴について再度まとめましたので、参考にしてください。
ブランド名 | 特徴 |
VISA | 世界シェアナンバーワン VISAカードを持っていれば大抵のお店で決済できる |
MasterCard | 世界シェア2位 為替手数料安い・コストコで使える唯一のブランド |
UnionPay/銀聯 | 中国発の国際ブランド 中国によく行く人におすすめ |
JCB | 日本唯一の国際ブランド 国内限定でカードを使う人におすすめ |
American Express | ステータス性重視の方におすすめ 他のブランドに比べてもサービスの質が高い |
diners club | 世界初のクレジットカード アメックス同様ステータス性が高い |
上記の特徴を参考にして自分にマッチした国際ブランドを選びましょう!
ファイナンシャルプランナー・DCプランナー水上克朗さん監修コメント
クレジットカードは、国際ブランドごとに強みがあります。
利用する店舗の多さだけで考えれば、まずは、VISAかMasterCardを持つことが第一でしょう。
特に、海外でクレジットカードを利用する場合は、VISAとMasterCardしか対応していない店舗も多いため、強みを発揮します。
ただし、国際ブランドが提供するサービスは決済だけではありません。
それぞれ異なる優待やサービスがあるので、特徴を把握したうえで、自分あった国際ブランドを選びましょう。
水上克朗(CFP(日本FP協会認定)、1級ファイナンシャルプランニング技能士、DCプランナー)
慶応義塾大学卒業後、大手金融機関にて、営業・企画・総務・クレジット業務を経験。
1級ファイナンシャルプランニング技能士、日本FP協会認定のCFP、一般社団法人金融財政事情研究会の定めるDCプランナーの資格を保持。
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