株式等の投資を行うときに、初心者は「移動平均乖離率」を利用すれば良いと聞いたことがあるけど、具体的にどんなことをしているんだろう?と思ったことはありませんか。
移動平均乖離率は、簡単な指標で投資初心者にはうってつけの武器となります。
しかし、移動平均乖離率ってどんなものなのか、どうやって計算するのか、どのように株などに用いるのかわかりませんよね。
そこで、この記事では移動平均乖離の説明(使い方やグラフの設定の仕方まで)を徹底的に行います。ぜひ、移動平均乖離を使えるようになって、初心者でも安心してとうしを行えるようになりましょう!
この記事を書いた人 ファイナンシャルプランナー 児玉一希 | |
プロフィール・所持資格 | 日本ファイナンシャル・プランナーズ協会が定めている、ファイナンシャルプランナー技能士の資格を有し、当サイトの監修活動を始め、相場情報のまとめやコラムを寄稿する活動なども行なっている。 |
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乖離率とは何か復習しよう!
乖離率(かいりりつ)とは、移動平均線から株価がどの程度離れて(乖離して)いるかを数値化した指標です。移動平均線の上昇や下降は見ず、株価等と平均移動線の離れ具合のみに着目する手法です。
乖離率の「移動平均乖離率」をマスターしよう!
ここでは、移動平均乖離率について詳しく解説します。聞きなれない言葉だとは思いますが、投資を行う上では理解しておくべき用語なのでしっかりと覚えていきましょう。
移動平均乖離率とは
移動平均乖離率(いどうへいきんかいりりつ)とは、移動平均線に、今の株価がどれだけ離れているかを計算したもので、グランビルの法則でも有名なインジケーター(指標)です。
乖離率のみでは売買のシグナルを読むことはできても確実な判断条件としては弱く、ダマシに合う可能性が高いため、ほかのテクニカル指標と組み合わせて使うことが一般的です。また、乖離率は、株価が移動平均線より上にあるか、下にあるかで呼ばれ方が違います。
移動平均線の上にある時は「プラス乖離」、下にある時は「マイナス乖離」と呼ばれます。株価と比較する移動平均線は、株価チャートでローソク足1本が表す期間(日足・週足・月足)により異なります。
移動平均乖離率の計算式
乖離率を計算する時は株価の終値を使用し、比較する移動平均線は、ローソク足が表す期間によって異なります。日足であれば、10日、25日、75日、週足であれば、13週、26週、月足であれば12ヶ月、24ヶ月等があります。
では、具体的な計算方法をご紹介しましょう。移動平均乖離率は、当日の株価終値から当日の移動平均値を差し引いて、当日の移動平均値で割ります。
具体的な数字を入れてみましょう。当日の終値が2,000円で、日足10日の平均移動値が1,500円とします。すると、移動平均乖離率はこのように計算されます。
(2,000円-1,500円)÷1,500円≒30%
となり、プラスのパーセンテージが出ていますので、「プラス乖離」と呼ばれることとなります。
では、反対にマイナスとなるパターンは、当日の終値が1,000円であったとしますと、
(1,000円-1,500円)÷1,500≒-30%
となり、パーセンテージがマイナスとなっておりますので「マイナス乖離」と呼ばれることとなります。
移動平均乖離率はどう使うの?
移動平均乖離率は、株式の買われ過ぎ、売られ過ぎにより起こる「反発」のタイミングを判断する基準の1つとなります。株価が買われすぎているなと判断された場合には売りに入り、反対に売られすぎているなと思ったら買いに入ります。このタイミングを見極めるために移動平均乖離率は使われます。
移動平均乖離率のプラスとマイナスの意味
先ほどの具体例でもご紹介した「プラス買い」と「マイナス売り」をご紹介します。
まず、移動平均乖離率においてプラス10%以上は、天井となる可能性が高いため売りのタイミングとされています。反対に、マイナスの場合は株価が底となる可能性が高いため買いのタイミングです。
各銘柄で株価が上がる勢いや人気も異なるので、移動平均乖離率を用いて売買のタイミングを間違えないようにすることが大切です。
移動平均乖離率の見方
株価は常に上下しますが、移動平均線から大きく離れることはありません。
しかし、いつも一定の上下をするわけでもありません。
場合によっては株価が急騰もしくは急落することがあり、移動平均線から大きく離れてしまう(乖離してしまう)こともあります。その例がこちらの図です。
画像を見てもわかる通り、移動平均線から長期間大きく乖離しているという状態はなく、急騰や急落は徐々に落ち着きます。その時、株価は移動平均線の近くに戻っていくのです。
移動平均乖離率で売買のタイミングを判断する方法
では、移動平均率を用いて売買のタイミングを判断する方法について例を用いてご紹介しましょう。まずは売りに出すタイミングについてです。
当日終値が1,100円の株価に対し、移動平均値は1,000円でした。この時の移動平均乖離率は
(1,100円-1,000円)÷1,000円=1,000%
となります。
この時、既に天井圏へ入っているためすぐに売りに出す必要があります。
次は買うタイミングについてです。
当日終値が900円の株価に対し、移動平均値は1,000円でした。
この時の移動平均乖離率は
(900円-1,000円)÷1,000円=-10%
となります。
この時は、すでに株価が底値圏に入っていると判断されるため、買いに転じるようにします。一般的に売買のタイミングとして、移動平均乖離率が+10%を超えた時は売り、-10%を超えた時は買い戻しを行います。
移動平均乖離率は短中期型の投資家におすすめ!
移動平均乖離率は、一般的に日足や週足で使われます。そのため、デイトレードやスウィングトレードを行う短中期型の投資家に向いていると言われています。
乖離率の「エンベロープ」とは
株価は移動平均線から大きく乖離することがないため、移動平均線からある程度乖離した場所(上下)に線を引くと、その線内に株の値動きが大体収まります。
このような、移動平均線から一定の乖離率で上下に平行線を描いたものを、エンベロープと呼びます。
エンベロープは基本的に25日移動平均線を中心線として、5%、10%、15%等の乖離率で線が引かれています。
MT4で移動平均乖離率のインストール方法
MT4とは、MetaTrade(メタトレーダー)4の略称であり、インジケーター(指標)の1つです。一般的にはメタフォー、エムティフォーと呼ばれています。
MT4は、ロシアのメタクォーツソフトウェア社が開発した、無料の高機能トレードシステムツールです。
一般的に、取引口座にも相場を分析するツールがついていますが、このMT4は分析ツールが豊富で、上位時間足の上昇、下降、買われすぎ、売られすぎで色の変わる移動平均乖離率を下位時間足に表示すること等ができます。
さて、その便利なMT4のインストール方法は以下のとおりです。
⑴移動平均乖離率のインジケーターを配布してくれているサイトでPCにダウンロードする
移動平均乖離率のインジケーターを配布しているサイトはこちらです→http://mt4indifx.seesaa.net/article/412710834.html
ダウンロードが完了したら、今度はインストールを行いましょう。
デスクトップに保存した場合、デスクトップにアイコンが表示されます。アイコンが表示されているのを確認したら、アイコンをダブルクリックし、続けて実行を押すと、インストーラーが起動します。
そこで言語の選択がありますので「日本語」を選択してください。次に、ダウンロードに関する警告が出ますので「次へ」を押しますそうすると、ライセンス条文が出てきますので同意した場合は□の部分に☑(チェック)を入れて「次へ」をクリックしましょう。
次にインストールフォルダが出てきますので、インストール先を選択しましょう。インストールが完了したら、自動的にMT4のウィンドウが開きます。PC画面にチャートが出てきたらインストールが無事にできたということになります。
⑵ ダウンロードしたプログラムをMT4のインジケーターのファイルに移す
MT4のダウンロードに成功したら、次は自分の使いたいインジケーターを探し、自分のPCにダウンロードしましょう。この時、インジケーターをダウンロードするには、リンク先をパソコンに保存する必要があります。
リンクの上で右クリックすると、Internet Explorerだと「対象をファイルに保存」と表示され、Google ChromeやFirefoxの場合「名前を付けてリンク先を保存」と表示されますのでクリックしてください。
その後、「名前をつけて保存」という画面が表示されてファイルの保存先を選択します。この時、ダウンロードしたインジケーター専用のフォルダをデスクトップ等に作っておくと、わかりやすいのでおすすめです。
そして、作成したファイルを「Indicators」フォルダへ入れましょう(インストールしましょう)。最後に、MT4を起動してインストールされたことを確認しましょう。
⑶チャート画面に移動平均乖離率を表示させる
最後に、チャート画面に移動平均乖離率を表示させるためには、MT4を開き「Ctrl+N」を押してナビゲーターを開きましょう。
その後、自分がダウンロードしたインジケーターが追加されているので、「ドラック&ドロップ」をし、設定画面が出てきたら「OK」をクリックしましょう。これで移動平均乖離率がMT4で表示されることになります。
移動平均乖離率と株の関係
移動平均乖離率を求めることによって、株の売買のタイミングがわかるようになります。乖離率が+10%になり天井圏に入っているとわかれば、売るタイミングであるとわかりますし、反対に乖離率が-10%になっていれば買いに入るタイミングとわかります。このことから、移動平均乖離率は株の売買タイミングを計る大切な指標と言えるでしょう。
移動平均乖離率の調べ方
ここでは、日経平均と、fx、sbiの移動平均率の調べ方をご紹介したいと思います。この3つの移動平均乖離率は、PCで「移動平均乖離率 日経平均or fx or sbi」と検索すると基本的には25日移動平均乖離率が出てくることが多いです。なので、自分の調べたい日足、週足でパソコンから検索をかけてみましょう。
移動平均乖離率を使った投資法
移動平均乖離率を使った投資法で有名なものは、乖離率逆張り投資法です。
乖離率逆張り投資法とは、
⑴ 「移動平均線乖離率」を見る
⑵ 「乖離率が大きい」株に注目
⑶ 「通常の状態から離れている」ので「近々戻る」と予想
⑷ 「戻ったら得する」方で、売買する
という投資方法です。
「逆張り」や「逆張りスイングトレード」と言われることもありますが、「その指標として、移動平均線乖離率をメインにする」というのが特徴の投資法です。
乖離率逆張り投資法のメリットとデメリット
乖離率逆張り投資法のメリットは、インジケーターが移動平均乖離率のみで良いことです。投資には、様々なインジケーターを使用することがありますが、乖離率逆張り投資法においては移動平均乖離率のみを参考に取引をするので、初心者にはわかりやすく取引きしやすいです。
反対にデメリットは、損失を出したときにすぐに損切りを行なわないと大損をしてしまうという点です。乖離率逆張り投資法では、その名の通り相場の逆をいく投資法ですので、リスクはつきものです。
しかし、そのリスクを最小限にするために、損失を出してしまった時にすぐに損切りをすることが大切なのです。
乖離率逆張り投資法に向いている銘柄
乖離率逆張り投資法に向いている株は、小型株、新興市場、イベント中の株です。小型株は、値動きが激しく、移動平均線より大きく乖離することが多いので、逆張りしやすいのです。
有名な大型株は値動きが激しく動きませんので、逆張りには不向きといえます新興市場も、値動きが激しいのでおすすめです。特に東証二部やジャスダック、マザーズの値動きは激しいです。
どうして、値動きが激しいのかというと、先ほど挙げた小型株が多く取引されている市場だからです。最後にイベント中の株です。イベントには2つの意味があります。1つ目は、新商品がヒットしたこと。もう1つは不祥事等で株の暴落が起きていることです。
これら2つは、どちらも激しい値動きが期待されますので、直近のニュースや新聞等をチェックしておくことで把握できます。
乖離率逆張り投資法を成功させる4つのコツ
(1)「市場全体が荒れている」時は、やらない
市場が荒れている時は、乖離率が定まらずインジケーターが参考になりません。値動きが激しいからと言って一攫千金を狙わないようにしましょう。
(2)「銘柄ごとの、いつもの値動き幅」をチェックする
乖離率逆張り投資法は普段の値動きからどれくらい離れているかを参考に株等の売買を行うものです。よって、いつもの銘柄の値動きはチェックしておきましょう。各銘柄で動く幅も異なります。
小型株だと値動きが普段から激しいので、いつもより「大きく乖離」してようやく逆張りができます。反対に大型株だと普段の値動きが鈍いので「小さく乖離」していたら逆張りのチャンスと言えます。チャンスを逃さないためにも、普段から銘柄の値動きをチェックしておきましょう。
(3)「失敗したら、即損切り」を徹底
失敗したら即損切りは、鉄則です。逆張り投資法は相場の逆をいく投資法ですので当然リスクがあります。
失敗をしたら、すぐに取り戻そうとせずすぐに損切りしましょう。そうすることで、リスクも損失も最小限に管理することができます。
(4)「ナンピン」は絶対にしない
ナンピン買いとは、値下がりした株をさらに追加購入し、平均取引価格を下げ、値上がりした時に損失をカバーするもしくは、利益を上げるという方法です。相場から大きく乖離しているのなら、これから戻るだろうと予測して買うのです。
しかし、これはあくまで希望的観測でしかありません。そもそも、逆張りをしていて大きく乖離している状態です。
そこで損失が出ているといるのに、まだ戻ると信じて損失を大きくしていくのは得策ではありません。よって、ナンピン買いは絶対にしないようにしましょう。
移動平均乖離率のランキングチャート
投資における移動平均乖離率の役割が重大であることは、これまでのご説明で理解していただけたかと思います。
移動平均線より大きく上に乖離すれば間もなく売りに転じて下落することになりますし、大きく下に乖離すれば間もなく買いが行われ上昇に転じることになります。
リアルタイムで売買を行いたい方には、短期間の移動平均線がとても役に立ちます。そこで、上方・下方をドロップダウンメニューで選択できる移動平均乖離率のランキングリンクがこちらです。
http://miller.co.jp/applications/cgi-bin/cv0/rnk20/01/cv0rnk20c.cgi?p_kbn=0&id=214
ぜひ、投資に役立てていただきたいと思います。
日経平均株価予想をチェックできる移動平均乖離率チャートはこちら
日経平均株価のAI予想が表示されているサイトはこちらです。
https://nikkeiyosoku.com/kairi/
SBI証券のサイトで移動平均乖離率をもっと詳しく学ぼう!
移動平均乖離率について、SBI証券が詳しい情報を公開してくれています。
ぜひこちらも参考にしてみてください!
https://www.sbisec.co.jp/ETGate/WPLETmgR001Control?OutSide=on&getFlg=on&burl=search_home&cat1=home&cat2=learn&dir=learn&file=home_lecture_stock_20.html
まとめ
この記事でお伝えしたことの簡単な内容は以下のとおりです。
- 移動平均乖離率(いどうへいきんかいりりつ)とは、移動平均線に、今の株価がどれだけ離れているかを計算したもの。
- 株価が移動平均線より上にある時はプラス乖離、下にある時はマイナス乖離と呼ばれる。
- 計算方法は、移動平均乖離率=(当日の終値—平均移動値)÷平均移動値
- 一般的な売買のタイミングは、移動平均率が±10%を超えた時
- 移動平均乖離率は短中期型の投資家におすすめ。
- 移動平均線から一定の乖離率で平行線を描いたものをエンベロープと呼ぶ。
- MT4と呼ばれる無料の高機能トレードシステムツールがある。
- 移動平均乖離率を利用した投資法として、乖離率逆張り投資法がある。
- 乖離率逆張り投資法のメリットは、使う指標が少ないため初心者でも簡単に取引のタイミングがわかること。
- 乖離率逆張り投資法のデメリットは、損切りを徹底しないと大きく損をしてしまうこと。
- 乖離率逆張り投資法に向いている株は、小型株、新興市場、イベント中の株です。
- 乖離率逆張り投資法を行う時は、ルールを徹底して守ること
- 乖離率逆張り投資法を成功させるコツは、市場全体が荒れている時はやらない、銘柄ごとのいつもの値動き幅をチェックする、失敗したら即損切りを徹底する、ナンピンは絶対にしないの4つ!
以上が、この記事でご紹介したこととなります。乖離率は文字だけ見れば難しそうな漢字ですが、学べばしっかり理解できるものですよね。
投資家としては必要な知識ですので、ぜひ移動平均乖離率の計算方法やその使い方を覚え、実践で役立たせてください。
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