首吊り線とは?初心者でもわかる見方とローソク足との関係をかんたん解説

ローソク足の特徴的な形の1つに、「首吊り線」というものがあります。

首吊り線はトレンド転換のサインとされており、これが見られたときはトレンドの変わる可能性が出てきます。

しかし、転換のタイミングは一定ではなく、ゆっくりであることもあれば、急激に変わることもあるのです。

そのため、タイミングを的確に見極めるには、首吊り線の特徴をしっかりと押さえておかなければなりません。

そこでこの記事では、首吊り線とはどのようなものなのか、詳細から見方までをわかりやすく解説します。

初心者の方でも理解できるように進めていきますので、この記事を終わりまで読むことで、首吊り線を熟知することができるようになるはずです。

首吊り線でトレンドの転換点を見極めて、利益をごっそり取れるようになりましょう!

この記事を書いた人
ファイナンシャルプランナー
児玉一希
プロフィール・所持資格 日本ファイナンシャル・プランナーズ協会が定めている、ファイナンシャルプランナー技能士の資格を有し、当サイトの監修活動を始め、相場情報のまとめやコラムを寄稿する活動なども行なっている。

首吊り線の前にまずはローソク足を覚えよう!

首吊り線をしっかりと理解するには、その前に「ローソク足」についてマスターしておくことが欠かせません。

投資初心者の方は、はじめにローソク足とは何かを覚えましょう!

ローソク足はもっともメジャーなチャート

ローソク足とは、株価の動きを1本の足にまとめたチャートです。

「始値・高値・安値・終値」の4つの値を用いており、ローソク足1本を見るだけでこれらの値を瞬時に知ることができるスグレモノです。

ローソク足は日本ではじめて生まれたチャートとされ、株式投資やFXにおいて、世界中の投資家から愛用されています。

ちなみに海外では「キャンドル・チャート」と呼ばれています。

歴史は江戸時代にまでさかのぼり、出雲国の米商人だった「本間 宗久(ほんま そうきゅう)」が発案しました。

そして、大阪・堂島の米取引で使われたことが、ローソク足の定義を確立したきっかけと言われています。

ローソク足の見方はいたってシンプル!

ローソク足の歴史をお話ししたところで、本題に入っていきましょう。

世界中に使われているとだけあり、ローソク足の見方はいたってシンプルなものとなっています。

こちらの画像をご覧ください。

「陽線」は株価が上昇しているときに付けられる線で、「陰線」は下落しているときに付けられる線です。

買い手が多ければ陽線が増え、反対に売り手が多ければ陰線が増えます。

陽はプラスで、陰はマイナスと覚えておけば良いでしょう。

4種類の値の意味は、以下のとおりです。

【ローソク足の基礎】

  • 始値:一番最初に取引されたときの株価
  • 高値:もっとも高い株価
  • 安値:もっとも低い株価
  • 終値:次のローソク足へ変わる直前に取引された株価

続いて、ローソク足の細い線は「ヒゲ」と呼びます。

1本あたりの時間内に、どこまで株価が上下したかを記録する、いわば足跡のようなものです。

このヒゲが長いほど、株価の変動幅が大きいと判断することができます。

ローソク足からわかること

ローソク足の見方がわかれば、さまざまな情報を得ることが可能になります。

【ローソク足から得られる情報】

  • その時間内の相場の勢い
  • 買い手と売り手それぞれの勢力関係
  • マーケットに存在する建て玉(未決済の株)
  • 材料出現後の反応度合い
  • 投資家心理の移り変わり

一見シンプルな形をしていますが、これだけの情報がわかるようになるのです。

それでは、実体(ヒゲを含まない部分)の長さを、実際のチャートから見てみましょう。

緑の枠内にある陽線の実体は、ほかと比べて長いことが見て取れると思います。

これはつまり、取引が始まってから終わるまでの値上がりが大きかったことを表しています。

この時間内は買い手の勢いがとても強かったということですね。

一方で、紫の枠内にある陽線の実体は短いものとなっています。

こちらは、その時間内にはあまり値が上がらなかったことを示しています。

次はヒゲの長さに注目してみてください。

短めである実体に長いヒゲが付いているものと、ヒゲが少なく、ほとんどが実体となっているものがありますね。

前者は始値と終値こそ近かったものの、その時間内にとりわけ大きな値動きがあったことがわかります。

後者は始値と終値が離れているほど、買い手と売り手いずれかの勢力が強かったことがうかがえます。

また、上下のヒゲの長さによっても特徴が分かれます。

たとえば、上ヒゲのない陽線が見つかったときは、最高値でその時間内の取引を終えたと認識することが可能です。

このように、実体とヒゲそれぞれの長さで見方が異なりますので、こちらも合わせて覚えておきましょう。

ローソク足のヒゲが伸びる理由

ここで、ローソク足チャートの要とも言えるヒゲ部分にだけ着目してみましょう。

ローソク足は下図のように、始値と終値が示されているだけの場合はヒゲがありません。

しかし、取引が繰り返されるにつれて、やがてさまざまな価格帯で取引されるようになります。

この動きが何度も行われるため、徐々にヒゲが伸びてくるようになるのです。

そして上に伸びたヒゲ(上ヒゲ)がローソク足のてっぺんを記録した場合は、そこが高値となります。

逆に、実体の下から伸びたヒゲは下ヒゲといいます。

先述したように、下ヒゲの底は安値と呼び、その時間内の取引の中でもっとも安い株価を意味するものです。

下ヒゲが長い場合は、下への圧力がいったん弱まり、強く上昇したことを示しています。

上ヒゲが長い場合はその逆で、上への勢いが弱まり、強く下落したことを示します。

特徴的なローソク足「カラカサ」

ローソク足の形は実にさまざまで、常に同じ形をつくることはありません。

チャートを眺めていると、とても特徴的な形をしたローソク足を見ることがあります。

ここでご紹介する「カラカサ」は、その特徴的なローソク足たちの一種であり、また首吊り線における重要な形でもあります。

カラカサは、「下陰陽線」あるいは「下陰陰線」とも呼ばれます。

陽線・陰線ともに実体が短いのに対し、下ヒゲが実体よりも長く伸びています。

加えて、上ヒゲが非常に短い、もしくはまったくないのも特徴です。

名前のとおり、傘のような形をしているので覚えやすいですね。

カラカサは陽線の場合、一時は大量の売りで下落したものの、そのあとに買い手の勢いが強まったことを示しています。

これはつまり底を意味しており、これから上昇する可能性が高くなったことが考えられます。

陽線で見られた場合は、大量の売りに買い手が対抗したものの力は及ばず、始値を下回って引けたことを表します。

買い手が劣勢であることがわかるので、引き続き下落する可能性が高いと考えるのが基本です。

首吊り線とは?

ローソク足の概要をお話ししたところで、ここから首吊り線について解説します。

重要な役割を持つチャートであるため、見逃すことのないようにしっかりと覚えておきましょう!

首吊り線の形状を見てみよう

詳細をお話しする前に、首吊り線とはどういったチャートなのかを先にご紹介します。

首吊り線は、上昇トレンド中に窓を開け、高く上がったあとに付いた、長い下ヒゲのあるローソク足を指します。

先ほどお話しした、カラカサのような形をしていることがおわかりでしょうか?

このチャートが見られたときは、勢いよく上振れて寄り付いたものの、そこが天井である可能性が高いことを示しています。

ほどなくして買い手の利確が殺到し、大きく下押しするケースが多く見られます。

そして、下落トレンドへ転換するため、首吊り線はトレンド転換のサインとされているのですね。

首吊り線が現れる状況とその特徴

上昇トレンド中に首吊り線が見られるのは、押し目買いの勢いが弱かったときに多いとされます。

高値でカラカサが見られた際は、ごく短時間に集中した大量の買いに対し、利確や新規などの売り注文が殺到している状況を表しています。

よって、高値圏でこれが現れたら、買い注文が停滞していると考えることが可能です。

同時に、そこから急激に下落することも考えられますので、不用意に飛びつかないように注意しましょう。

首吊り線は危険なシグナル!

首吊り線は名前のとおり、ここで買ってしまうと首を吊るほど負けてしまうというシグナルです。

すでにお話ししていますが、首吊り線は下落トレンドの入り口を示唆する危険なシグナルであると認識しなければなりません。

首吊り線が見られたときは、そこからトレンド転換の起こる可能性が高まりますので、そこで注文を出さないことが大切です。

首吊り線はトレンド転換の見極めに有力

一般的に、首吊り線は注文ではなくトレンドの転換点を見極めるために利用します。

首吊り線が現れたら、翌日以降の株価は下落基調へ転じていることが多く、それにともない、売り手の勢いが強まりやすくなります。

しつこいようですが、首吊り線が見られた場合は不用意な注文を控えるようにしましょう。

注文は出さず、トレンドが転換するかの判断材料として利用するのがオススメです。

そのあと、予想と同じ流れになったら、そこで初めて注文を入れましょう。

ストップ高の後は首吊り線に注意

ストップ高になった銘柄はその翌日も上昇トレンドになることもあり、狙い目とされるケースも少なくありません。

とはいえ、一時的な上昇なのか、本当に上昇トレンドになるのかを判断するのは難しいですよね。

そんな時にも首吊り線は優秀なシグナルとなります。

先ほども解説しましたが、首吊り線が出たということは、そこが天井である可能性がかなり高くなり、トレンド転換の予兆でもあります。

つまり、前日のストップ高から上昇トレンドが形成される確率は低い、今は買いで入るべきではない。と考えられるのです。

ストップ高まで綺麗な形が続いていたとしても、首吊り線が出てきたら十分に注意しましょう。

また、逆にストップ高後に首吊り線が出たから空売りしてみる、というのも良いかもしれません。その場合は他の指標も確認してからチャレンジしてみるのが良いと思います。

首吊り線の下ヒゲに注目!

首吊り線が出たときは、まず下ヒゲの長さに注目してください。

下ヒゲは売り手の勢いを表しているため、これが長ければ長いほど売りの圧力が強いということになります。

これは、いままで買いをしていた人たちが売り始めたことも暗に示しています。

売りの圧力が目に見えて強いので、このまま買うのは危険だと判断し、利確や新規売りを入れたということですね。

各々のこういった行動が巡り巡って、買い手の勢いは徐々に弱まり、やがて下落が始まります。

よって、そこで見られた首吊り線の下ヒゲが長ければ、下落トレンドへ転換する可能性がより高いと考えることが可能です。

この特徴から、首吊り線の下ヒゲの長さは、シグナルの信頼度と密接に関わっていると言えます。

首吊り線の有効な使い方を覚えよう

首吊り線の特徴をご紹介しましたが、実際のところどのように動けば良いのか?といった疑問は誰もが持つものと思います。

ここでは、首吊り線の有効な使い方を事例つきで解説させていただきます。

いざ本当に首吊り線が現れても、慌てず冷静に対応できるようになりましょう!

首吊り線の事例をチェック!

それでは、実際のチャートで見られる首吊り線は具体的にどのような形で、どのような流れになっているかをご紹介します。

◯印の中にカラカサを形成しており、手前は大きな陽線であることがわかると思います。

一個あとの陰線にも長い下ヒゲが付いていることから、買い手の勢いが強かったことも今なら理解できるのではないでしょうか。

しかしながら抵抗もむなしく、そのあとは段々と下がり続け、下落トレンドへ転換していますね。

およそ半年で、1,600円から1,000未満にまで下がってしまっています。

この事例が示しているように、首吊り線が現れたときはそのあとの流れに気を配る必要があります。

トレンドに逆らうトレードは非常に難しいので、初心者のうちはなるべく観察へ徹するようにしましょう。

高値圏でカラカサが現れたら注意

これは復習ですが、高値圏でカラカサが見られたときは警戒してください。

カラカサはトレンドの転換点であるケースが多いため、ここで流れに沿ったトレードをすると、思わぬ損失を出してしまう危険性があるからです。

買い手の勢いが弱まっていることを示しているので、むやみに買うことは避けましょう。

しかしその一方、底値圏でカラカサが見られたときはチャンスとなる場合があります。

底値圏でのカラカサは、そこまでに大量の売りが積もったため、今度は買い注文が殺到しているサインとなるのです。

よって、株価が大きく上がる可能性が出てきます。

こちらのカラカサも、高値圏のものと同じくトレンド転換のシグナルと考えることができますね。

首吊り線の関連用語4選

最後に、首吊り線と馴染みのある用語についてご紹介します。

こちらも合わせて覚えておけば、今後のトレードを良いものとする強力な助っ人となってくれるでしょう。

同じく本間宗久が発案した「酒田五法」

「酒田五法」は、首吊り線と同じく本間宗久が編み出したトレード手法です。

ローソク足の組み合わせによって買い場または売り場を読む5つの法則があります。

【酒田五法の5つの法則】

  • 三山(さんざん)
  • 三川(さんぜん)
  • 三空(さんくう)
  • 三兵(さんぺい)
  • 三法(さんぽう)

これらの法則を総称したものが、酒田五法になります。

余談ですが、日本は江戸時代の時点で、世界に先駆けて米の先物相場を作り上げていました。

ローソク足はこの相場で初めて生まれ、罫線法という手法、いわゆるチャート分析も同時に編み出されています。

トレードにおける、私たちのよく知るチャートモデルは、江戸時代から確立されていたということですね。

1日のはじめの取引「寄り付き(よりつき)」

「寄り付き」とは、1区間の取引時間帯の中で行われる最初の取引のことです。

一例として、株式投資の1日の取引時間帯は前場(9:00~11:30)と後場(12:30~15:00)の2区間に分かれています。

これらそれぞれの最初の取引が寄り付きとなります。

ですが、近年は前場のみを寄り付きと呼ぶことが一般化しており、後場で呼ばれることは少なくなってきていますね。

「始値」は、その日の寄り付きで売買された株価を指します。

上昇トレンド中の底を狙う「押し目買い」

「押し目買い」とは、移動平均線と接する部分を「底値」と考え、そこに近づく、もしくは少し下回った状態で買うことを言います。

上昇トレンド中に起こる一時的な下落を「押し目」と呼び、押し目買いはそのポイントを拾って利益を得る手法です。

株価に挙げられる特徴として、どう大きく動いても、最終的には移動平均線の付近へ戻るというのがあります。

株価と移動平均線に剥離(株価の開き)が出てくると、少しずつ移動平均線へ向かう傾向があるのです。

たとえば今が上昇トレンド中だとして、どれだけ大きく上がったとしても、最終的には移動平均線にタッチするわけですね。

押し目買いは、この特徴を利用して利益を得ます。

上昇していた株価が移動平均線の付近まで戻るのを待ち、タイミングが来たら買いを入れ、値上がりを待ちます。

強い値動きのサイン「窓」

「窓」は、ローソク足とローソク足の間にできた空間を意味する用語です。

窓があったときは、普段よりも強い買い注文・売り注文が入っています。

このようなチャートが見られるのは、取引時間外に大きな注文が入ったときになります。

チャートに窓ができたときは、「窓開け」と呼ぶのが一般的です。

買い注文による窓は「ギャップアップ」と、売り注文による窓は「ギャップダウン」と呼びます。

ギャップアップ

ギャップダウン

窓の大きな特徴として、空いた窓はいずれ閉まるというものが挙げられます。

大きな窓ができたということは、それだけ大きな注文が殺到したことを示していますが、やがて過熱感は薄れていきます。

そのあとの株価は、通常に評価されるべきポイントまで戻る動きをとるのが一般的です。

こうして、株価が窓の開いたところまで戻ったら、そのポイントは「窓閉め」と呼びます。

ただし、事例が示しているように、窓はできてからすぐに閉まるとは限りません。

あくまで「いずれ閉まる」のであり、そのタイミングはすぐ来ることもあれば、長く離れることもあるので注意してください。

まとめ

首吊り線は、精密なチャート分析をするのに必須と言えるシグナルです。

カラカサ、ひいては首吊り線の役割を知っているのといないのとでは、今後のトレードに大きく影響することは間違いありません。

上昇トレンド中に首吊り線が見られたら、もうじき下落トレンドへ転換するサインと捉えましょう。

その間は買い注文を入れず、そのあとの流れを見守るのが安全です。

一方で、底値圏で首吊り線が見られた場合は、上昇トレンドへ転換する可能性が高まったと考えることができます。

このように、首吊り線は上昇・下落どちらのトレンド中においても重要なシグナルとなりますので、見逃さないようにしてくださいね。

首吊り線の特徴と対応方法をマスターし、効率の良いトレードを実現させましょう!