資産運用として非常に魅力的な株式投資ですが、損失を出した時のことを考えるとどうも二の足を踏んでしまう…という方もいらっしゃるのではないでしょうか?
そこでおすすめなのが少ない資金で行える「少額投資」。仮に失敗したとしても損失が少なく、1,000円程度からでも始められるので初心者にピッタリです。少額投資できる銘柄の種類も実はかなり豊富であり、株価が高くて手の届かない銘柄を少ない金額から購入できるサービスも。
今回は、そのような「少額投資」について徹底解説してまいります。最初の資産運用として、ぜひとも少額投資で利益を増やす楽しさを感じてみてくださいね。
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この記事を書いた人
ファイナンシャルプランナー
児玉一希
プロフィール・所持資格
日本ファイナンシャル・プランナーズ協会が定めている、ファイナンシャルプランナー技能士の資格を有し、当サイトの監修活動を始め、相場情報のまとめやコラムを寄稿する活動なども行なっている。
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株の少額投資のメリットと必要資金
はじめに、株で少額投資を行うメリットと、どれくらいの資金が必要であるのかについて解説いたします。
少額投資ならば失敗してもやり直せる
少額投資とは具体的に言うと、1万円~10万円ほどの額で行う株取引のことを指します。この程度の資金であれば、万が一トレードに失敗してしまったとしても再びやり直しがきくため、過度にリスクを恐れる必要がなく行えるのがメリット。
特に初心者のうちは実際の資金を使ったトレード経験を積むことが大切ですので、まずは少額から始めてみて、投資の世界に慣れ、知識を深めていくのがおすすめです。
とは言え、元々の資金が少ないためリターンも小さいですが、逆を言えば万が一失敗してしまっても少ない損失で済むということ。このように比較的気楽に行えることもあり、株式投資デビューをするのに、少額投資から始めて見るのはうってつけと思われます。
銘柄ごとに必要資金は異なる
少額投資でぜひ頭に入れておきたいのが、銘柄ごとに必要となる資金が異なること。その必要資金を左右するのが、主に「株価」と「単元数」になります。それぞれについて説明すると、まず「株価」とは”1株当たりの株の値段”であり、銘柄ごとに異なります。
また、「単元数」とは”購入株数の最低単位”であり、これも銘柄により異なるのですが、基本的には100株単位での購入となります。その場合、100株、200株…といった株数で購入することとなり、110株、158株などの半端な株数では注文できないので注意してください。
これらを踏まえ、株式投資に必要な資金は【株価×購入株数(単元数)】で計算しましょう。例えば500円の株を300円購入するとすれば、【500円×300株=150,000円】が必要資金となります。
そのため、株価が高い銘柄だと数十万円~数百万円無いと購入できませんが、安い銘柄だと1万円程度で購入が可能となるのですね。
10万円以下で購入できる株も豊富
株価を見ると数千円以上をつけている銘柄も多く、あまり少額で購入できる銘柄は無いのではないかと感じるかもしれません。ですが株では単元未満の株数で購入できるといった制度もあり、これを利用すれば株価が高い銘柄でも少額投資の対象とすることが可能です。
例えば「7974 任天堂」のような銘柄は株価が4万円に近く、通常であれば400万円もの資金が無ければ購入できません。ですがこうした制度を使えば、こうした銘柄も数万円程度から投資を行うことができてしまうのです。
また、この他にも「ETF」とよばれる上場投資信託も1株単位で購入できる銘柄が多いので、少額投資にはおすすめですよ。
少額で始められる株式投資の種類
少額投資だと選択肢が限られるように感じるかもしれませんが、実はそのようなことはありません。少額で始められる、さまざまな株式投資の種類についてご紹介いたします。
通常の10分の1の株数で購入できるミニ株
先ほども述べたように、通常であれば株を購入するには最低限購入しなければならない株数が単元数として決まっています。ですが、そうなると株価が高い銘柄などは手を出せなくなってしまいますよね。
そこで活用したいのが「ミニ株」という制度。これは単元株数の1/10の数から購入できる仕組みで、数百円~数万円といった少額であらゆる銘柄に投資を行うことが可能となります。
さらには通常の株式投資と同様に、権利確定日まで株式を保有していれば配当金を受け取れ、株主優待までも受け取ることができるサービスもあります。
ただし注意しておきたいのは、ミニ株に限らず少額投資は手数料が割高になるケースが多いこと。なので、なるべく手数料がかからないよう、証券会社選びを入念に行うことが大切です。
1株から購入できる単元未満株
ミニ株よりも少ない単位で購入できる制度が「単元未満株」です。先ほどのミニ株は1単元あたり1/10の株数を購入できるのに対し、単元未満株は1株から購入できるため、さらに少ない資金での投資が可能。
最低単元が100株の場合であれば、1~99株までの間で自由な株数を購入することができます。また、単元未満株でもミニ株と同じように、保有株数に応じて配当金が受け取れるようになっています。
ただし株主優待はもらえないことがほとんどですが、企業によっては単元未満株でも株主優待を実施しているところがありますので、そうした銘柄はぜひとも押さえておきたいですね。
これから上場する企業の株で利益を得るIPO
「IPO」とはいわゆる”新規公開株”のことで、企業が初めて株式市場(証券取引所)に自社の株を公開することを言います。
IPOの銘柄は上場してからしばらくは、最初に決められた値段である公開価格よりも大幅に値上がりするケースが多くなっています。なので、これから上場するIPOの株を買い、上場した日に初値で株を売って利益を出すことを狙うのもおすすめの投資方法。
テクニカル分析や板読みなどのトレードテクニックが無くても簡単に大きな利益を上げられるため、初心者でも安心して行うことができます。
ただしIPO株を購入するには抽選に申し込み、当選しないと購入できず、その倍率はかなり高いのが一般的。また、IPO株の当選確率にも各証券会社によって変わってくるため、ここでも証券会社選びは大切となってきます。
スマホ専用の株式投資のワンタップバイ
ミニ株や単元未満株とは別に、スマホで気軽に少額投資を行えるサービスが「ワンタップバイ」。専用のアプリをダウンロードすることで、口座開設から入金、株取引までのすべてをスマホだけで完了できるため、とても気軽に投資を始めることが可能です。
取り扱っている商品も種類豊富。「日本株」「米国株」「積み株」「CFD」「IPO」と5種類の専用アプリがあるため、それぞれ用途に応じて使い分けましょう。
日本株と米国株に関しては、個別銘柄とETF(上場投資信託)に1,000円単位で投資できるようになっています。
こうしたサービスであるワンタップバイは初心者が株を始めるにも非常におすすめで、実際に利用者の約7割が投資未経験者のようです。
ただし取り扱い銘柄が限定的、手数料が高めなどのデメリットもあるため、投資に慣れてきたら証券会社での投資に移っていくのも良いでしょう。
毎月一定金額を投資する「るいとう」
「るいとう」とは”株式累積投資”のことで、毎月1万円以上などの少額から投資が可能となっています。
るいとうでは通常の株を購入する場合とは異なり単元数に従う必要がなく、小数点以下の株数で購入できるのが特徴。そのため株価の変動に関わらず、毎月1万円など決まった額で投資を続けていくことができます。
単元株数に満たなくても、保有株数に応じて配当金をもらうことができるのも優れた点と言えるでしょう。
ただし少し手数料は高めで、取り扱い証券会社や銘柄もまだ限定的となっているところがありますので、他の少額投資と併用して活用するのが良いと思われます。
企業からのプレゼントやサービスの株主優待
「株主優待」とは決まった日にちまで株を保有しているだけで、半年や1年ごとに企業からプレゼントが送られてくる制度のことです。具体的に株主優待を受け取るためには、年に数回ある「権利付き最終日」にその銘柄の必要株数を保有している必要があります。
しかし、(たくさんの株式を保有していなければこうした優待は受け取れないのでは?)と思われるかもしれませんが、実はそのようなことはありません。最低株数である100株の保有でも株主優待がもらえる銘柄も多く存在しているため、5万円以下の少額投資でも十分に株主優待を受け取ることが可能。
受け取れるプレゼントを現金換算して考えても、銀行預金の金利よりも全然お得なものがたくさんありますよ。
また、購入株数によって貰えるプレゼントがより豪華になる銘柄も多数あるので、普段から馴染みのある企業がこうした株主優待を実施している場合は、是非とも多くの株式を保有しておきたいところですね。
株式投資を始める手順
少額投資に興味が出てきたら、早速始めてみるのもおすすめ。スムーズに始められるよう、ここでは株式投資を始める手順についてご説明いたします。
証券口座を開設する
株式投資を始めるには、何といっても証券会社の口座が必要となります。口座開設と言うと大変そうなイメージがあるかもしれませんが、現在主流であるネット証券ならオンライン上で全ての手続きが完了し、早ければ翌日から取引が始められるところも。
どこの証券会社で開設するにしても、申し込みの際には
- マイナンバーが確認できる書類
- 本人確認書類(免許証・住民票の写し・パスポートなど)
上記2点が必要となりますので、用意しておくようにしましょう。
証券会社を選ぶポイントとしては手数料の安さや、サービス、知名度などが重要です。これらを総合的に判断して、自分に適した証券会社を選んでみてください。
特定口座の指定をする
証券会社の口座には、
- 「特定口座(源泉徴収あり)」
- 「特定口座(源泉徴収なし)」
- 「一般口座」
といった3種類があり、開設時にはこの中から選ぶこととなります。
口座の種類は株における税金や確定申告の有無に関わってくるため、しっかりと選んでおくようにしましょう。
基本的には、「特定口座(源泉徴収あり)」がおすすめ。この口座では株で利益が出るたびに自動で証券会社が税金を差し引いてくれるため、面倒な確定申告をする必要がないのがメリット。
ただし年間の利益が20万円以下ならそもそも税金を払う必要がないため、源泉徴収ありの口座にしてしまうと自動的に納税してしまい、損をすることとなります。
なので数万円単位の少額投資がメインなのであれば「特定口座(源泉徴収なし)」を選んだ方が良いでしょう。
自分で一から確定申告をする必要がある「一般口座」については、あまり利用するメリットが無いので避けておくのが無難です。
投資資金を入金し株を購入する
口座開設が完了したら、銀行などの金融機関やネットバンキングから証券口座に投資資金を入金しましょう。
ここでおすすめなのはネットバンキングで、オンラインだけで入金処理を完了させられるためわざわざ店舗などに出向く必要がなく、とてもスムーズに完了させられます。
入金が完了しましたら、そこから株式投資を始めることができますので、まずは購入したい銘柄を探してみましょう。
すでに候補があるならばそれを購入するのも良いですし、まずは普段から馴染みのある会社や、東証一部上場の有名企業の銘柄を選んでみるのもおすすめです。
株の少額投資に関する注意点
少ない資金で行うため比較的リスクが低い一方で、少額投資ならではの注意点もあります。最後にそうした点についても頭に入れておきましょう。
長期間の株式保有が前提
少額投資では、短期で儲けることはできません。数ヵ月~数年単位の長期保有が前提となり、じっくりと株価が上昇するのを待ちつつ配当金や株主優待といった恩恵も受けて利益を増やしていくような形となります。
そのため、少額投資では計画を立ててコツコツと資産運用することが大切。逆に、少ない額だからといってリスクを考えずにトレードしてしまうと、すぐに失敗してしまいますので注意してください。
投資する銘柄は分散させる
特に初心者の方であれば一つの銘柄に資金を集中させるのではなく、業種などが異なる複数の銘柄に分散投資をするのが基本となります。
このように分散投資を行うことで、万が一保有している一つの銘柄の業界全体が低迷しても、他の銘柄で損失を相殺することができ、結果的にリスクを抑えられます。
株価が高い銘柄であっても、本記事でご紹介したミニ株や単元未満株の制度を使えば少額で分散投資ができますので、積極的に活用していきましょう。
まとめ
今回は、株の少額投資について解説いたしました。
少額投資では仮に失敗しても損失が少なく、初心者の方でも始めやすいのが特徴。ですがしっかりと計画を立てて長期投資をしないと、失敗しがちなので注意が必要です。
ミニ株や単元未満株を使えば株価の安い銘柄だけではなく、名の知れた大企業など幅広い銘柄まで投資できます。無理なく目標を定めて、コツコツと少額投資で利益を出していきましょう。
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