株式投資やFXなどで成功するためには、できるだけ正確に売買のタイミングを見極められるようになることが大切で、さまざまな状況に応じた投資スキルを習得することが大切です。
売買のタイミングを見極める基本的な投資方法として、「戻り売り」や「押し目買い」といった相場の節目となるタイミングで売買するスキルを覚えておくと、無駄なエントリーを防いで損失を最小限に抑えながらストレスフリーで取引できるメリットがあります。
そこでこの記事では、戻り売りの特徴やタイミングを見極める方法について詳しく紹介します。
これから本格的に投資を行いたいと考えている方には戻り売りや押し目買いのタイミングを見極めるスキルが必ず役に立ちますので、ぜひ参考にしてください。
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この記事を書いた人
ファイナンシャルプランナー
児玉一希
プロフィール・所持資格
日本ファイナンシャル・プランナーズ協会が定めている、ファイナンシャルプランナー技能士の資格を有し、当サイトの監修活動を始め、相場情報のまとめやコラムを寄稿する活動なども行なっている。
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戻り売りとは
まずは戻り売りとはどのような特徴があるのか確認してみましょう。
下降トレンドでの一時的な上昇で売ること
実際に株式やFXの値動きを確認していただけるとよくわかりますが、たいていの場合は日々細かく上下に変動しながら上昇や下降を繰り返しています。
このように価格が変動するのは需要(買いたい人)と供給(売りたい人)のバランスによって左右され、一時的にどちらかのニーズが増えると買われすぎ・売られすぎの状態になって大きく変動する場合があります。
株価が下降トレンドになっている状況では、一時的に上昇して調整され(戻り)また下降していきますが、この一時的に上昇したポイントで売ることを「戻り売り」といいます。
株価チャートの戻り目で判断
戻り売りのタイミングを見極めるには、下降トレンドになっている株価チャートで一時的に上昇した時で判断できます。
戻り目は、株価が下がり続けている状況で「そろそろ底値だな」と判断した投資家が購入すると株価が一時的に上昇しますが、「そろそろ上げ止まるな」と考える水準のことで、株価チャートにおけるギザギザになった山の頂点部分をさしています。
戻り売りと反対の行為は押し目買いという
戻り売りと合わせて覚えておきたいのが「押し目買い」です。
上昇トレンドの一時的な下降で売ること
押し目買いとは、戻り売りとは逆に株価が上昇トレンドの時に投資家の利確売りが多くなって一時的に株価が下がり、また上昇に転じたポイントで買い注文をすることです。
株価チャートの押し目で判断
押し目買いのタイミングを見極めるときにも戻り売り逆の考え方で、上昇トレンドの時の株価が一時的に下がった時の押し目で判断できます。
押し目は、株価が上がり続けている時に利確する投資家が増えて一時的に株価が下がってしまいますが、投資家が「そろそろ下げ止まるな」と考える水準のことで、株価チャートにおけるギザギザになった谷の底辺部分をさします。
戻り売りの判断ができれば有利に取引できる
株価はギザギザの山や谷を形成するように、押し目と戻り目を繰り返して変動していますが、これらのタイミングを的確に判断できれば有利に取引を進められます。
とくに戻り売りのタイミングを絞れるようになると、押し目や戻り目がでる好機を逃さずに有利に取引できるようになり、さまざまなメリットを得られます。
戻り売りを狙う下降トレンドの局面では、売るタイミングを間違えると含み損が生じやすいのですが、一時的に上昇した時を見逃さずに売却できるとストレスを感じずに取引を進めやすくなります。
また、戻り目と押し目のタイミングを見逃さずに売買することで、損失を抑えて利益を得られるようになるので勝率が高まっていきます。
戻り売りのタイミングを判断するポイント
株価チャートを見ながら戻り売りのタイミングを判断するのは意外と難しいものですが、以下のポイントを抑えて的確に判断できるようにしましょう。
相場の節目を見極める
まず大切なことは、相場の節目となるポイントを見極めることです。
相場の節目とは価格の転換点のこと
相場における節目とは、株価の転換点、いわゆるターニングポイントとなる部分であり、戻り目や押し目となる部分をいいます。
株価チャートを確認してみると、節目をつけながら「N」の字を描くようにして上昇トレンドでは押し目をつけながら、下降トレンドでは戻り目をつけながら変動しています。
実際に株価チャートを分析して投資を行っている人たちはが強く意識する水準が節目であり、重要な相場のポイントとなるのです。
切りの良い数値で予想
節目を見極めるポイントとして、切りの良い数値を意識することが多い点に着目してみましょう。
これは人間の心理状態として、「998円」などと細かい数値でお金を数えるよりも、「1,000円」などと切りの良い数値で考えることが多いため、「今は998円だから1,000円になったら注文しよう!」と考える人が多いと予想します。
このような切りの良い数値が戻り売りのタイミングに必ずなる!と断言できませんが、タイミングよく戻り目になる可能性は高いと考えられるので、戻り売りのタイミングを見極める一つの指標として覚えておくと良いです。
過去の高値で予想
戻り売りのタイミングを見極める方法として、過去に遡ってチャートを確認してみることも大切です。
過去に高値や安値になったポイントは、実は他の投資家も意識している価格と一致するため、注文が集中しやすくなる傾向があります。
そのため、押し目や戻り目になるポイントは、以前にも他の投資家も意識することで高値や安値になりやすいため予想しやすいのが特徴です。
移動平均線で見極める
株価やFXなどのチャート分析でよく参考にされる指標である移動平均線を活用して戻り売りのタイミングを見極める方法もあります。
移動平均線とは、一定期間における終値の平均値を線でつなぎ合わせた指標で、相場がどのような流れで変動しているのかわかりやすくなるメリットがあります。
投資家の中には移動平均線の上に価格があることでトレンドを判断していることから、チャート上でも反発して戻り目(押し目)になることがあります。
移動平均線の時間軸を短期・中期・長期と3本表示させた状態のときに上から長期→短期→中期の順になっていると戻り目になる可能性が高いとされていますが、3本の移動平均線がこのような順番になっていても、必ず戻り目になるとは限りません。
ちなみに、中期→短期→長期の順になっていた場合は押し目になる可能性があります。
戻り売りの注意点
戻り売りを投資に活用する場合に注意したいポイントを確認しておきましょう。
無理に戻り目を狙わない
戻り目を狙って戻り売りを100%成功させるのは、プロのトレーダーであってもほぼ不可能だと言っても過言ではないほど難しいものです。
「戻り目になりそう」と思ったタイミングを狙っていたけど、思っていたよりも戻りが浅くてエントリーできないこともよくありますので、全ての狙った戻り目でタイミングよくエントリーできないものだと考えた方が良いです。
戻り売りだけでなく、押し目買いをする場合にも狙っていたけど取れなかったエントリーポイントは潔く諦め、取れるポイントに集中しましょう。
下降トレンドの銘柄は戻りにくい
株価が下がっている下降トレンドの時には、他の投資家が考えているのは「少しでも高値がついているうちに売ってしまいたい」ということです。
そろそろ戻り目がくるだろうと思って売るタイミングを見計らって待っているうちに、さらにどんどん値が下がりを続けて売るタイミングがわからなくなることも予想されます。
このような状況を「戻り待ちに戻りなし」といいますが、下降トレンドの銘柄に必ず戻り目があるわけではないので、上昇に転じる要素が何一つない状態でいつまでも戻り目を待ち続けるのはおすすめできません。
ただ、何の前触れもなく下落し続けることは少ないので、事前に価格に影響を与えそうな情報をいち早く把握したうえで、下降トレンドになりそうな場合はどう対処するべきか考えておきましょう。
戻り売りはしっかりとタイミングを見極めて
投資を行い成功させるには、売買のタイミングをしっかり見極めることが大切ですが、タイミングを判断する一つの指標として参考にしたいのが戻り売りや押し目買いです。
戻り売りや押し目買いに最適なタイミングを見極めるためには、押し目や戻り目となる節目をできるだけ正確に見極めなければいけませんが、投資のプロでも正確に見極めるのは難しいといわれています。
株価が切りの良い数値になる時や、過去の高値、移動平均線などを活用することで精度の高い戻り目を判断しやすくなりますが、狙ったポイントで確実にエントリーできない場合もあります。
仮にうまくエントリーできなかった場合は潔く諦めて、また次のエントリーポイントを狙ってみることをおすすめします。
まずは、エントリーのタイミングを判断する練習を重ねて、できるだけ損失が少ない取引が実現するように経験を重ねていきましょう!
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