株の仕組みとは?株価の変動の理由や株の利益の出し方

株の取引を始めたいけれど、何から始めたらいいのかわからない。と悩む方は多いでしょう。今は株の取引経験が豊富で成功している投資家でも最初は誰でも株初心者です。

今回は株の取引を始めるために必ず知っておくべき「株の仕組み」について分かりやすく解説します。特にこれから株の取引を始めようとしている方は参考にしてください。

この記事を書いた人 ファイナンシャルプランナー 児玉一希
プロフィール・所持資格 日本ファイナンシャル・プランナーズ協会が定めている、ファイナンシャルプランナー技能士の資格を有し、当サイトの監修活動を始め、相場情報のまとめやコラムを寄稿する活動なども行なっている。
 
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目次

そもそも株とは何なのか

そもそも株とは企業がビジネス資金を集めるために発行する証書のことです。この機会に株とは何か、株の仕組みについて正しい知識をしっかり身につけましょう!

株は企業が資金調達のために発行

まず、企業は新しい事業をするためにまとまった資金が必要となります。よって、資金調達のために株券を発行することが株券を発行する主な目的なのです。その資金調達の一端を担うあなたに会社のオーナーの1人になってもらう、つまりはその会社のオーナーの1人になる、ということです。

ここで株の歴史にも少し触れてみたいと思います。学生の頃に日本史で学んだ「東インド会社」は覚えていますか?東インド会社は大航海時代の終盤である1602年にオランダに設立された「アジア市場」を担っていた貿易会社です。

このオランダ東インド会社が世界で初めて「株式」を用いて巨額の資金を集めた、と言われています。オランダ東インド会社の前にモスクワ会社またはロシア会社と呼ばれる会社が行った仕組みもあったそうですが、実際に株式を発券し資金調達を行ったのはオランダ東インド会社だそうです。

以下にて、簡単に株の歴史をまとめてみました。

18世紀の半ばにイギリスで産業革命が起こる(ヨーロッパで株取引が盛んになる)

  • ロスチャイルドなどの財閥が出てくる
  • ヨーロッパでは七年戦争やナポレオンの戦いが多くあった
  • 鉄道を敷いたり、植民地の開拓に巨額のお金が必要となった


その後、アメリカ(ニューヨークの証券所は1817年に設立)にも広がり、今では全世界で株が使われています。

ここで知っておくべきもう一つの情報は、なぜ株式を発券したのか、ということ。大航海時代といえばマゼランなどが世界中を航海し新しい発見を見つけていく、という時代でした。

その当時、航海に出るたびに資金を調達し、帰国後その航海で得た利益を出資者に分配していたそうです。

ただ、万が一その航海が失敗してしまうと分配金だけではなく、元手も戻ってこないというリスクがありました。

このリスクを軽減するために、オランダ東インド会社は数回分の資金を一度に集めて、一度や二度航海が失敗したとしてもそのほかの航海で得た利益でカバーできるという仕組みを考案したのです。

このシステムが「株式の始まり」なのです。予備知識として覚えておくとよいでしょう。

メリットがあるから株は売れる

株は、持っている株が多いほど、企業の経営方針に影響を及ぼすため、利益に応じて配当金が分配されます。配当金は株取引で儲けを出すために非常に重要なポイントです。

企業が利益を出したときに、その一部を株主に還元するのが「配当金」です。ちなみに、企業が配当を実施している間は、継続して配当金を受け取ることができます。

また、株が値上がりしたら資産が増える、という仕組みとなっています。なぜなら、株価が上がると、その株を持っている投資家は買ったときよりも高く売ることができるので、得をするからです。

自社製品やサービスの優待を受けられる「株主優待」を提供している企業の株主になれば、株主優待を得る権利があります。

株主優待の内容は、会社によって提供される商品やサービスは異なりますので、自分がよく使う商品やサービスを提供している企業の株を買うとよいでしょう。

企業が倒産しても損失は限定的

まず、会社の利益が大きくなり株価が上がることや配当の金額が大きくなるのに「いくらまで」という制限はありません。

長期的に見て、株価が何倍・何十倍にもなることもありますし、配当金がどんどん大きくなっていくことも場合によってはあります。

それに反して、損失は会社がどれだけ大きな損失を出したとしても、私たち投資家が損をするのは株を買った金額分までです。つまり、株を購入した以上の金額の損失が出ることはないのです。

なので、例えばあなたが株を保有している企業が10億円の負債を抱えて倒産したとしても、株主であるあなたに支払い請求をすることはないので安心してくださいね。

そのリスクは株を買った人数で分散できることも覚えておくとよいでしょう。

株の投資で儲けられる仕組み

株の基本的な仕組みがわかりましたね!

次に株の投資でどのように儲けることができるのか、その仕組みについて詳しくみていきましょう。

株は需要と供給のバランスで値動き

まずはじめに、株価が動く理由について解説します。株価が上下に動く直接の理由は、売り手と買い手のバランスです。買い手が多ければ株価は上昇し、売り手が多ければ株価は下落します。このバランスを「株式需給」や「需給」と呼びます。

メリットを得るために高くても買いたい、もういらないから安くても売りたいといった需要と供給で値動きがあるのです。これは商品にも同じことが言えます。

同じ商品でも「(将来価値が上がるから)買う」と思う人と「(将来価値が下がるから)今売る」と思う人がいます。同じ状況でも人によって味方が異なるのが「相場」です。

売買をするごとに差額で儲ける

1日の間でも株は値動きします。少額の取引で儲けを出したい!という方はデイトレードで大きな利益を狙うのもよいでしょう。

デイトレード(デイトレ)は短期売買を繰り返し行い、小刻みに利益を積み重ねていくごとに差額で儲けるトレード手法です。1日1時間の売買で10万円儲ける人もいますよ!

デイトレードは少額の取引でも数をこなせば短時間で利益が増える取引方法なので、株初心者の間でも人気があります。

成長する企業なら長期に株の保有で儲ける

株は1日にして成らず、と言っても過言ではありません。ですので、あなたが株を保有する企業から配当金と株主優待を受け続けていくことで儲けを出すようにしましょう。

利益で株を積み増していけば、長く投資を続けている人ほど儲けが大きくなります。

株の売買をする証券取引所の仕組み

株式を売りたい人、買いたい人は世界中にたくさんいます。彼らの条件にあった企業を見つけるのは非常に難しいことですが、証券取引所があるおかげで株式の売買をスムーズに行うことができています。

証券取引所の仕組みをみていきましょう!

株の売買をできる場を用意

個々の売買の要望は証券会社を通して、証券取引所に集められ、証券取引所が決めた売買ルールに沿って、取引が成立します。株式の値段は、基本的にはモノの値段の決まり方と同じです。

値段が高くても欲しい!と思う人が多ければ株価は高くなりますが、安くなければ買わない!と思う人が多ければ株価は低くなります。

部門ごとの登録された企業だけ売買できる

全国には4つの証券取引所があります。

  1. 東京証券取引所(東証)
  2. 名古屋証券取引所(名証)
  3. 札幌証券取引所(札証)
  4. 福岡証券取引所(福証)

1部や2部、新興の株だけを扱う部門などに分けられていますが、東京の1部が最も売買できる企業が多いです。企業によって上場している市場が異なりますので、あなたが売買したい企業がどこで扱われているのか、あらかじめ調べておくとよいでしょう。

証券取引所での売買は昼間だけ

株の取引の大前提となるのが「取引時間」です。東京証券取引所の取引可能時間は、平日の朝9時から11時30分までと12時30分から15時までです。午前中を前場(ぜんば)、午後を後場(ごば)と呼んでいます。

平日の上記時間以外や土・日・祝日、年末年始などは取引所はお休みですので、株の売買ができませんので注意してください。取引できるのはこの時間のみですが、証券会社に注文を出すだけなら24時間いつでもできます。

株は3つの理由で失敗してしまう

ここまで株の仕組みを解説してきましたが、実は株の仕組みがわかっていても、株取引で失敗してしまう可能性があります。

なぜ株で失敗するのか、主な理由を3つ紹介します。

株に生活費まで使っている

資金に余裕がないと冷静な判断ができなくなります。株の取引をする際は必ず余裕資金を使いましょう!

生活費を株の取引に充ててしまうと、失敗したらどうしよう、なくなったら困る!などの不安要素が常に頭の中にあるため、落ち着いて取引をすることができなくなります。

また、「いつまでにこの金額まで増やさないといけない!」など決めている場合も無理な投資方法をしてしまうこともあります。損失を取り戻すために、リスクの大きいことをしてしまわないように気をつけましょう。

いつまでも損失を確定しない

株式投資では損切りができるかできないかで利益が大きく変わります。予想に反した値動きをしたときは、あらかじめ決めておいたルールに沿って損失を確定させる必要があります。

確定させないと、損失が膨らむ可能性がありますので注意してください。ルール化する事によって人間が取る心理的な行動を抑えることができるので、実際に株の取引をスタートさせる前にルールを決めておくとよいでしょう。

株の勉強をしないでおすすめ銘柄だけ売買

株式投資は「すべて自己責任のもとで取引を行う」必要があります。雑誌や人気の個人投資家、投資顧問などが薦める株を、何も考えずに売買するのは危険です。

「情報に騙された!」と言っても後悔先に立たず。自分の身は自分しか守れません。自分で勉強をして株のよしあしを判断できるようになりましょう!

株の仕組みを知って取引を始めよう

いかがでしたでしょうか?人生、何事もリスクはつきものです。リスクをきちんと理解し、リスクを最小限に抑える努力をすること、そしてそのリスクを上手にコントロールすることができればハイリターンも期待できるのが株取引です。

インターネット上やSNSの情報だけを鵜呑みにはせず、自分自身で正しい情報を集めて、知識を深めることも忘れないでくださいね。

株の仕組みをしっかり理解できた上で、株取引を始めましょう!

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