ETFは“Exchange Traded Funds”の略で、「上場投資信託」と呼ばれるものです。しかし、上場投資信託ってどんなものか良くわかっていない人も多いのではないでしょうか?ETFをうまく活用することができるようになれば、投資の幅を広げることができます。
この記事では、そんなETFの概要をわかりやすく解説していきます。この記事を読めば、ETFがどんな投資対象なのかがよくわかるようになります。
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この記事を書いた人
ファイナンシャルプランナー
児玉一希
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ETFのおすすめポイントとは
まずはETFの基礎について解説していきましょう。
ETFのおすすめポイント:初心者におすすめ
ETFは数々の投資対象の中でも初心者におすすめできるものです。なぜなら、信託報酬手数料が低く設定されているからです。
信託報酬は、証券会社や銀行などの販売会社や運用会社、信託銀行に支払う手数料のことを言います。投資信託を保有している間、毎日発生するものなので、できるだけ低く抑えたほうが投資効率も高まります。
その他にも、指標の情報はニュースなどで日々報道されていることから、値動きや損益が把握しやすく、また個別株の投資に必要な企業分析も不要です。さらに、ETFは上場しているものであるため、いつでも売買することができます。つまりETFは流動性の高い金融商品なのです。
さらに、上場しているETFには、日本株から外国株、公社債や不動産(REIT)、コモディティなど様々な種類があります。少額で投資が可能なものもあるので、投資資金が少なくても投資できることが魅力です。
ETFのおすすめポイント:豊富な種類について
ETFは非常に豊富な種類がある投資対象です。異なる特徴がある投資対象から投資先を選べるので、自分の好みの投資先を発見しやすいことが特徴です。自分の投資スタイルに合わせて投資先を選ぶことができます。
ETFにはどのような指標があるかというと、大きく分けて次の表のようになります。
ETF種類 | 対象指標 | 内容 |
日本株価指数 連動型 |
TOPIX・日経平均株価・JPX日経インデックス400・東証マザーズ指数・JASDAQ・S&P日本新興株など | 目標とする指数をベンチマークとして運用するETF |
外国株価指数 連動型 |
ダウ工業株価指数(米国)・NASDAQ指数(米国)・S&P500指数(米国)など | 外国の株価指数をベンチマークとして運用するタイプのETF。NYダウや先進国や新興国の株価指数を対象としています。 |
商品価格連動型 | 金・金先物・WIT原油・小麦・大豆など | 対象商品の価格に連動しているETFです。 |
テーマ別指標 連動型 |
東証REIT指数など | 不動産関連銘柄や金融関連銘柄などテーマに沿った投資対象を選別したETFです。 |
さらに、こうしたETFはより具体的な指標となっています。TOPIXなどが有名です。どのような指標があるかについて以下の表でまとめておきましょう。
ETFのおすすめな選び方
ETFのおすすめな選び方についてここでは説明します。
ETFのおすすめな選び方:TOPIX連動型ETF
ETFには様々な種類があるのでまずはTOPIX連動型ETFの選び方について説明していきましょう。
TOPIX連動型ETFは、TOPIXに連動する投資成果を目指すので、TOPIXに採用されている、または採用が決定された銘柄の株式のみに投資がなされることになります。
TOPIX連動型ETFの代表的銘柄としては、MAXIS日経225上場投信(1346)、MAXIS日経225上場投信(1346)、ニッセイ日経225インデックスファンド、日経225インデックスeなどがあります。
TOPIX連動型ETFだけでも様々な種類のものがあるので、自分の投資スタイルや考え方に合ったものを選ぶことが大切です。
ETFのおすすめな選び方:日経平均連動型ETF
日経平均連動型ETFは、東京証券取引所1部上場銘柄から選ばれた日本を代表する225社の株価を平均したものである日経平均株価と連動したETFです。そのため、日本の上場している主な会社の株価と連動した動きをすることが特徴です。
TOPIX連動型ETFにはたとえば次のようなものがあります。
ダイワ上場投信-日経225(1320)、日経225連動型上場投資信託(1321)、iシェアーズ・コア 日経225 ETF(1329)、上場インデックスファンド225(1330)、MAXIS 日経225上場投信(1346)
などが該当します。
その中でも、日経225連動型上場投資信託(1321)は運用期間が長く純資産額が最大であるためおすすめできる日経平均連動型ETFです。
ETFのおすすめな選び方:海外ETF
海外ETFは海外の証券取引所に上場している投資信託のことを言います。海外の投資信託が証券取引所に上場しているので、株の売買と同じように証券会社を通して取引できることが特徴です。国内ETFと比較すると海外ETFの方が市場規模が大きいことが特徴です。
特に、アメリカのETFは日本よりも市場規模が大きいので、大きな利益が見込める可能性があります。
海外ETFの代表的な銘柄としては、『iシェアーズ MSCI ACWI ETF』『ヴァンエックベクトル アフリカ インデックス ETF』『SPDR MSCI 全世界株式(除く米国)ETF』『WisdomTree U.S. SmallCap Dividend Fundウィズダムツリー 米国小型株配当ファンド』などがあります。
海外ETFを購入する際には、ETFの流動性、経費率、取引手数料などをきちんと把握して取引するようにします。日本のETFよりも手数料が高く流動性が高い傾向にあるので、特に注意が必要です。
ETFのおすすめな選び方:債権ETF
債権ETFは債券を対象にしたETFです。その主な投資対象というと短期国債や長期国債、短期社債、長期社債、モーゲージ債などがあります。債券のメリットといえば、リスクが低く、元本割れが滅多に起きない点です。
途中で売却するなどの例外を除き、満期まで保有していれば、元本保証があるため、利息つきで全額が還ってきます。そのため、着実に資産を増やしていきたいという人におすすめの投資対象です。
債権ETFにはNOMURA-BPI総合(2510)、Markit iBoxx ABF 汎アジア指数(1349)、FTSE世界国債インデックス(除く日本、ヘッジなし・円ベース)(1677)、FTSE世界国債インデックス(除く日本、ヘッジなし・円ベース)(2511)などがあります。
債権ETFは少額から購入できる、証券会社を通じていつでも売買ができる、複数の債券に分散して投資ができる、などのメリットがあります。着実にお金を増やしたいと考えている場合には、リスクが比較的少ない債権ETF NOMURA-BPI総合などがおすすめです。
ETFにおすすめの証券会社や口座とは
ETFを取引するためには証券会社で口座を開設する必要があります。以下ではETFにおすすめの証券会社を紹介していきましょう。
ETFにおすすめの証券会社
ETFは数多くの証券会社で取り扱われています。証券会社ごとに何を重視するかが異なるので、売買手数料の安さ、取扱銘柄数、海外ETFの取扱いの有無は異なります。
まずは一回あたりの売買手数料について、証券会社ごとに見てみましょう。
証券会社名 | 約定代金 10万円 |
約定代金 20万円 |
約定代金 30万円 |
約定代金 50万円 |
楽天証券 | 54円 | 97円 | 270円 | 270円 |
ライブスター 証券 |
86円 | 104円 | 194円 | 432円 |
SBI証券 | 97円 | 113円 | 270円 | 270円 |
GMOクリック証券 | 95円 | 105円 | 260円 | 260円 |
カブドットコム証券 | 90円 | 194円 | 270円 | 270円 |
松井証券 | 0円 | 0円*/324円 | 0円*/324円 | 540円 |
マネックス証券 | 108円 | 194円 | 270円 | 486円 |
*松井証券では1日の株式約定代金合計が30万円まで無料となるのは、新たに信用取引口座を開設してから6か月後の末日までです。
次に、一日定額のETF売買手数料を比較していきましょう。
証券会社名 | 10万円まで | 20万円まで | 30万円まで | 50万円まで |
SBI証券 | 0円 | 206円 | 308円 | 463円 |
楽天証券 | 0円 | 206円 | 308円 | 463円 |
松井証券 | 0円 | 0円*/324円 | 0円*/324円 | 540円 |
GMOクリック証券 | 248円 | 324円 | 324円 | 464円 |
カブドットコム証券 | ― | ― | ― | ― |
ライブスター証券 | 432円 | 432円 | 432円 | 432円 |
マネックス証券 | 2,500円 | 2,500円 | 2,500円 | 2,500円 |
このように、それぞれの証券会社ごとに取引手数料が定められているので、自分の投資スタイルと合ったところでETFの取引をすることが大切となります。
海外ETFを取り扱っていない証券会社もあるため、海外ETFに投資したいと考えている場合には、海外ETFの取扱いがある証券会社を選ぶようにしましょう。
NISA口座を使ってETF投資はおすすめか?
ETF投資はNISA口座から行うことも可能です。ETFはリスクを分散することができることが特徴なので、長期投資で活用することになるNISAには向いています。
NISA口座では、商品を一度売却すると、その枠では再利用できないというルールがあるため、基本的に短期でトレードするにはあまり向いていません。
NISAは非課税であるため、仮に運用で損失が出たとしても一般の課税口座における利益と通算ができません。そのため、すべてを一般口座で運用するよりも多くの税金を払わなければならないという可能性も出てきてしまうというデメリットがあるので注意する必要があります。
実践!ETFおすすめランキングまとめ
次に、ETFおすすめランキングをまとめておきましょう。
実践!ETFおすすめランキング:分配金利回りランキング
まずは分配利回りが高い順にRTFを紹介していきましょう。
銘柄名 | 分配金利回り(%) | 決算日 |
上場インデックスファンド新興国債券 | 6.29 | 1/10、3/10、5/10、7/10、 9/10、11/10 |
シェアーズ 米ドル建てハイイールド社債 ETF(為替ヘッジあり) |
4.56 | 1/11、4/11、7/11、10/11 |
ダイワ上場投信-東証REIT指数 | 4.44 | 6月、10月 |
上場インデックスファンドアジアリート | 3.87 | 1/20、4/20、7/20、10/20 |
NEXT FUNDS ロシア株式指数・RTS連動型上場投信 |
3.76 | 7/8 |
上場インデックスファンド豪州リート | 3.69 | 1/10、3/10、5/10、7/10、 9/10、11/10 |
NEXT FUNDS 金融上場投信 | 3.64 | 7/15 |
上場インデックスファンド Jリート隔月分配型 |
3.55 | 1345 |
SMAM 東証REIT指数上場投信 | 3.53 | 3/8、6/8、9/8、12/8 |
MAXIS Jリート上場投信 | 3.49 | 3/8、6/8、9/8、12/88 |
分配利回りが高いということは、その分リスクも高いということを意味しています。そのため、これらのETFに投資をする場合には、きちんとリスクが管理できるかどうかを把握してから投資をすることが重要です。
実践!ETFおすすめランキング:信託報酬ランキング
証券会社でETFに投資を行う場合、必ず信託報酬がかかります。以下では、信託報酬が少ない順にETFを紹介していきましょう。
銘柄名 | 証券コード | 信託報酬(年率%) |
上場インデックスファンド米国株式(S&P500) 為替ヘッジあり |
2521 | 0.06 |
上場インデックスファンド米国株式(S&P500) | 1547 | 0.06 |
iシェアーズTOPIX ETF | 1475 | 0.06 |
One ETFトピックス | 1473 | 0.08 |
MAXIS JPX日経インデックス400上場投信 | 1593 | 0.08 |
MAXIS トピックス上場投信 | 1348 | 0.08 |
上場インデックスファンドTOPIX | 1308 | 0.09 |
上場インデックス TOPIX Ex-Financials | 1586 | 0.09 |
SPDRS&P500 ETF | 1557 | 0.0945 |
上場インデックス JPX日経インデックス400 | 1592 | 0.1 |
ダイワ上場投信ートピックス | 1305 | 0.11 |
TOPIX連動型上場投資信託 | 1306 | 0.11 |
実践!ETFおすすめランキング:国内ETFランキング
はじめてETF投資をする人に人気のある国内ETFランキングをランキング形式で紹介していきます。はじめてETFに投資をする人が投資先として選んだ数が多い順となっています。
順位 | コード | 銘柄名 |
1 | 1306 | TOPIX連動型投信 |
2 | 1321 | 日経225連動投信 |
3 | 1570 | NF日経レバレッジETF |
4 | 1540 | 純金上場信託 |
5 | 1568 | TOPIXブル2倍投信 |
6 | 1343 | REIT-ETF |
7 | 1681 | 上場海外新興国 |
8 | 1571 | NF日経インバースETF |
9 | 1326 | SPDRゴールド・シェア |
10 | 1320 | ダイワ投信-日経225 |
実践!ETFおすすめランキング:米国ETFランキング
最後に、米国ETFランキングを紹介していきましょう。保有口座数(海外ETF)から算出しています。
順位 | ETF名 | ティッカー | 特徴 |
1位 | バンガード・トータル・ワールド・ストックETF | VT | 世界分散株式 |
2位 | バンガード トータル・ストック・マーケットETF | VTI | 米国全体株 |
3位 | バンガード・S&P500ETF | VOO | 米国大型株 |
4位 | バンガード 米国高配当株式 ETF | VYM | 米国高配当株 |
5位 | iシェアーズ 米国優先株式ETF | PFF | 優先株・高配当 |
6位 | バンガード・FTSE・エマージング・マーケッツETF | VWO | 新興国株 |
7位 | バンガード・米国トータル債券市場ETF | BND | 米国債券 |
8位 | パワーシェアーズQQQ信託シリーズ1 | QQQ | 非金融・IT大型 |
9位 | SPDR S&P500 ETF | SPY | 米国大型株 |
10位 | iシェアーズ・コア 米国高配当株 ETF | HDV | 米国高配当株 |
ETFおすすめの関連用語とは
ETF投資をするためには、ETFに関連する用語をきちんと理解しておく必要があります。以下ではETF投資でよく使われる用語を解説していきましょう。
ETFおすすめの関連用語①「信用取引」
信用取引とは、現金や株式を担保として証券会社に預けて、証券会社からお金を借りて株式を買ったり、株券を借りてそれを売ったりする取引のことを言います。
資金力がなりなくても、信用を担保にすることで多額の投資ができるようになります。
ETFおすすめの関連用語②「信託報酬」
信託報酬とは、投資信託を管理・運用してもらうための経費として、投資信託を保有している間はずっと投資家が支払い続ける費用のことを言います。
ETFを購入すると、その資金を使って証券会社が株式の運用を行います。それに必要な手数料として払うのが信託報酬です。
ETFおすすめの関連用語③「繰上償還」
繰上償還とは、あらかじめ決まっていた信託期間が終了する前に、投資信託の運用が終了することを言います。
繰り上げ償還される理由は様々です。投資信託説明書などに、但し書きが記載されているので確認しておくようにしましょう。
ETFおすすめの関連用語④「上場廃止」
上場廃止とは、証券取引所が上場している企業の株式を取引停止にすることを言います。企業自らが廃止を希望する場合もあります。上場廃止となる理由は様々ですが企業不祥事などが主な原因となります。
まとめ
ETFは少ない資金でも効率的に分散投資ができる投資対象であり、企業分析などをする必要もないので、投資初心者にもおすすめできる投資対象です。
しかし、ETFには様々な種類のものがあるので、きちんとそれぞれの特徴を理解しておく必要があります。リスクが高いものは一般に利回りも大きいことが特徴ですが、その分、損失が出る危険も高くなるので注意が必要となります。
まずは運用実績が高いETFを選んでみて、ETFがどのようなものかを理解した上で、ETFに対する投資額を増やしていくことが重要です。
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