デイトレード向けの銘柄と銘柄選びのポイントとは?売買のコツをわかりやすく解説

1日ごとの短い取引で大きな利益を狙えるため、上手くいけば専業で生活できるほどの収益を見込むこともできるのが「デイトレード」。実はこのデイトレードで大きなカギとなっているのは「銘柄」である、ということはご存知でしたか?

ですが、たとえ経験豊富なデイトレーダーであっても、この銘柄選びを間違えるだけでトレードが失敗に終わることも多いのです。

逆に、あまり経験の無い初心者であったとしても、しっかりと銘柄選びすればトレードを成功させることは容易でしょう。そのため銘柄選びは、プロのデイトレーダーも非常に重要視しているのです。

今回は、そのような「デイトレード向きの銘柄」について、その特徴から選び方のポイントに至るまで詳しく解説していきます。

特にこれからデイトレードを始めたいと考えている方は、是非ともこの記事を参考にしていただくことで、初めてのトレードを成功させられる確率がぐっと高まりますよ!

この記事を書いた人 ファイナンシャルプランナー 児玉一希
プロフィール・所持資格 日本ファイナンシャル・プランナーズ協会が定めている、ファイナンシャルプランナー技能士の資格を有し、当サイトの監修活動を始め、相場情報のまとめやコラムを寄稿する活動なども行なっている。
 
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目次

デイトレードは投資ではなく投機

まずはデイトレを始める前に、そもそも「デイトレード」とはどのような行為であるかについて確認しておきましょう。

初心者が間違いがちなのは、株式投資の枠組みで行うためにデイトレードも「投資」と考えてしまうこと。「投資」とは本来、投資家として企業の成長を見守るスタンスで資金を投じる行為のことを指します。そのため、株価の上げ下げだけを見るデイトレは「投資」ではないのです。

ではデイトレードとは何かと言うと、短期的な値動きの機会に乗じて利益目的で売買を行う、すなわち「投機」に当たります。

この2つの違いはとても重要で、たとえ十分に株の知識があったとしても、この点を混同していると戦略や判断を誤ってしまい、デイトレードは失敗しがちになるため気を付けましょう。

デイトレード向け銘柄の特徴

株式市場にはさまざまな銘柄が存在しますが、デイトレードをする際には向いている銘柄を選ぶことが大切です。

では、そのようなデイトレード向け銘柄には、どのような特徴があるのでしょうか。

1日で値動きのある銘柄

1日のうちに売買を完了するデイトレードでは、値動きが無ければ収益を見込むこともできません。

なのでデイトレでは、新製品や決算の発表などでその日に注目が集まっており、大きく値動きすることが予想される銘柄に狙いを定めるのがポイント。

そのため、株式ニュースや企業の発信する情報などについて、日常的にアンテナを立てておくことも大切です。

1株当たりの値段が安い

たとえば1日で1株当たりの値動きが100円あるような銘柄でも、値段が高いと資金に余裕がなくなってしまい、思うようにトレードができません。

なので、少ない資金で大きな利益が狙えるようにするためにも、デイトレードでは1株当たりの値段が安い銘柄を選ぶのが適しています。

特に少なめの資金から感覚を掴んでいきたい初心者の方は、こうした値段の安い低位株を使ってデイトレードの練習をするのがおすすめですよ。

流動性があり取引がすぐに成立する

せっかく希望の値段で株を買えたとしても、売ることができなければ利益には繋がりません。そのためデイトレでは流動性があり、取引がすぐに成立するような銘柄を選ぶこともポイントです。

たとえば1株当たり3,000円以上となるような、値がさ株には流動性がありデイトレードに最適な銘柄も多く存在します。ですが、先ほど述べたように値段が高い銘柄ですとある程度の資金力が必要とされるため、初心者には厳しいところ。

そこで、まずは低位株で練習を積み、資金面、経験面ともに積みあがってきたらこのような銘柄でデイトレードに挑戦してみるのが良いでしょう。

デイトレード向け銘柄選びのポイント5選

デイトレードについても、だんだんと理解が深まってきましたでしょうか。

ここからは、デイトレードのカギともいえる「銘柄選び」について、重要な5つのポイントをご説明いたします。

①テーマ株で複数の銘柄をリストアップ

まず、デイトレードでチェックしておきたいのが「テーマ株」です。この「テーマ株」とは例えば、政府がキャッシュレス経済を推進しているとなれば”電子マネーを開発している会社”といったように、世間で話題になっている事柄(=テーマ)に対し、関連する事業を行っている会社の株を指します。

いわゆる名の知れた大型株ではなく、これから将来に向けての期待度が高い産業に関する銘柄が多いと言えるでしょう。旬となっているテーマ株は注目が集まるため、流動性もボラティリティも高く、非常にデイトレード向き。たとえ損をしても、次のチャンスを狙ってすぐに盛り返せる可能性が高いのです。

そこで、日ごろから人気商品の発売予定をチェックしたり、大きな事件が起きた直後などはニュースを素早くチェックし。盛り上がっているテーマ株をいくつかリストアップする癖を付けておくと良いですよ。

②ネット上のランキングを有効活用

Yahoo!ファイナンスをはじめとした株式情報サイトや、各証券会社のページに掲載されている、人気や値上がり率などのランキングもデイトレの銘柄選びにはかなり参考となります。

ここで注意して見るべきポイントは2つ。それは「出来高」と「値動きの激しさ」です。「出来高」とは売買された株の取引量を表しており、この数量が多いほどたくさんの投資家がその銘柄の売買に参加しているということがわかり、これからの値上がりや流動性にも期待することができるでしょう。

また「値動きの激しさ」は、1日のうちに売買を完了するデイトレードにおいて、利益を上げるためにとても重要なところです。

そこで、チャートの時間足も使い分け、くまなく見ておくのがおすすめ。まずは日足で全体のローソク足の大きさを確認したら、60分足、15分足、5分足…といったように、より短い時間軸でチャートを見ていくことで、値幅のみならず値動きのスピード感や時間帯といった情報についても把握することができますよ。

③有名投資家のSNSでリアルタイム情報収集

最近よく耳にする言葉に、流行に影響を与える人物を指す「インフルエンサー」がありますよね。実は株式投資の世界においても、こうしたインフルエンサー的な影響力を持っている方が結構いるのです。

それがSNSを通じて情報発信している、有名投資家たち。特にツイッターで発信をされている方が多く、彼らの発言を受けてその動きに追従する人は多数現れるため、相場にもそれが反映されることがしばしば。

なので、こうした有名投資家がどんな銘柄に注目しているのかについて、情報収集の一環としてSNSでチェックするのも良い戦略です。

中にはリアルタイムで取引状況を発信している人もいるため、それを受けてのデイトレードを行うことも一つの方法と言えます。

④取引当日でも銘柄に流動性があるか

たとえ現在注目の集まっている銘柄であったとしても、自分がデイトレードを行う取引当日に売買が盛り上がっていなければ意味がありません。そのため、あらかじめ出来高の数量や、板情報においてどれだけ注文が賑わっているかを見ることで、当日の流動性をチェックしておきましょう。

前日に出来高が大幅に下がっていたり、前日に比べて板が盛り上がっていないこともよくあることで、そういった場合、その株の人気が下がっていることを示すので注意が必要です。

また、デイトレードの銘柄選びで特に気を付けなければならないのが、「信用取引の規制措置」。信用取引においては、あまりに相場の取引が過熱してしまった銘柄に対し、取引を制限するために、必要な保証金額を増加させて売買をしにくくさせたり、さらには信用取引を停止する措置が取られることがあるのです。

こうなってしまうと人気のあるテーマ株でも、一気に流動性が下がってしまうためデイトレードの対象とはしづらくなってしまうことも頭に入れておきましょう。

⑤決めた銘柄選びの基準を徹底する

デイトレードでは利益を狙うことはもちろんですが、リスク管理の面もしっかりと考えておくことが大切。不確定要素の多い株式相場にでは、時として予想もしなかったような株の急騰や暴落が突然起こることもあるものです。

そこでリスク管理が甘くなっていた場合、これまで積み重ねてきた利益を一気に失ってしまうどころか、借金を背負って退場するといった最悪のケースになることもあり得るでしょう。

そのような事態を防ぎ、後悔せずデイトレードを続けるためにも、安易な銘柄選びはせず、自分で決めた銘柄選びの基準を徹底するようにしてください。

また、値下がりした株を売って損失を確定する、「損切り(ロスカット)」においても決めた基準は徹底し、曖昧な状態で取引をしないようにしましょう。

損をしないデイトレード向け証券会社とは

実はデイトレードには、証券会社ごとに向き不向きがあり、デイトレ向きでない証券会社を利用してしまうと、トレードとは関係の無い部分で損をしてしまうことも。

そこで、デイトレードではどのような証券会社を選ぶべきかについても、ここで学んでおきましょう。

手数料がデイトレードの収益を下げる

小さな利益を積み重ねていくデイトレードでは、多ければ1日に100回以上もの取引することもあります。そこでネックとなるのが手数料。基本的には1回の取引ごとに手数料がかかるため、それが高ければせっかく稼いだ収益が下がってしまうことに。

そのためデイトレードにおいては、証券会社選びも重要なポイントです。デイトレードのために新しく口座を作るなら、なるべく手数料が少なく資金効率の良い証券会社を選ぶようにしましょう。

取引金額による手数料で証券会社を選ぶ

証券会社の中には、1回ごとの取引回数ではなく、1日の約定金額の合計で手数料が決まるプランを提供しているところもあり、デイトレーダーとしてはそちらを選ぶのがおすすめ。

SBI証券や楽天証券、松井証券などを始めとしてさまざまな証券会社が採用しており、これを活用すればかなりの手数料を抑えられることでしょう。

参考として、以下の表でそうしたプランを提供している証券会社について、約定金額ごとの手数料を比較してみました。

取引手数料
~10万円
取引手数料
~20万円
取引手数料
~50万円
取引手数料
~100万円
SBI証券 90円 105円 250円 487円
楽天証券 90円 105円 250円 487円
マネックス証券 100円 180円 450円 1,000円
カブドットコム証券 90円 180円 250円 990円
松井証券 無料 300円 500円 1,000円
GMOクリック証券 88円 98円 241円 436円

さらには、たとえば松井証券であれば

・信用口座の開設後6ヵ月間は、30万円までの取引手数料が無料
・1回あたりの注文が300万円以上であれば、信用買いにおける金利が無料

といったように、条件次第で手数料や金利が無料にできるサービスを提供していることもあります。

手数料をお得にするためにはとても有用ですので、証券会社を選ぶ際にはこうした条件もぜひチェックしておくのがおすすめですよ。

まとめ

今回は、デイトレードに適した銘柄の特徴や、その選び方を中心に解説してまいりました。

デイトレードでは1日のうちに取引を完了させるため、出来高が多く、値動きの幅も大きな銘柄を選ぶことがポイントなのですね。

良い銘柄を探せるようになるためには、市場の動き方を勉強したり、日々のニュースを欠かさずチェックすることで知識や情報を身に付けることが大切なので、さまざまなメディアを活用して積極的に取り入れていくようにしましょう。

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