株のAI(人工知能)関連銘柄の魅力とは|伸びる企業と出遅れ企業までわかりやすく解説

最近、テレビや新聞などでも耳にすることが多いAI。AIの技術はすでに社会の中で活用されており、今後も発展していくと予測されています。そのため、そうしたAIと関連する銘柄については、事業の成長を見込むことができます。

この記事では、そんなAI関連銘柄についてわかりやすく解説していきます。この記事を読めば、どのような銘柄がAI関連銘柄であるのかがわかるようになります。

この記事を書いた人 ファイナンシャルプランナー 児玉一希
プロフィール・所持資格 日本ファイナンシャル・プランナーズ協会が定めている、ファイナンシャルプランナー技能士の資格を有し、当サイトの監修活動を始め、相場情報のまとめやコラムを寄稿する活動なども行なっている。
 
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目次

AI関連銘柄とは

まずはAI関連銘柄について解説していきましょう。

AIとは何か?

AIとはArtificial Intelligenceの略で、日本語では人工知能と呼ばれています。ごく簡単に言えば、AIは、学習・推論・判断と言った人間の知能が有している機能を備えたコンピュータシステムです。

ただし、AIは、従来のロボットとは異なり、一度作ってしまえば人間の手を離れても自発的に発展していくことが特徴となっています。

近年では機械学習と深層学習など新しいAI技術が大きく進歩したことによって、今まではできなかったことができるようになっています。その具体的な例が自動運転、画像・動画・音声の認識などです。

人間がわざわざ運転をしなくても、AIが自動車を運転してくれたり、AIを搭載したスピーカーに話しかけるだけで、必要な情報をピックアップしてくれたりします。

AIが活用されている技術や分野とは

AIで活用されている技術としては、画像認識・音声認識などによってモノゴトを識別したり、データから未来の事象を予測したり、表現生成、デザイン、行動の最適化、作業の自動化を実行する技術が開発されています。

こうした技術が、AIスピーカー、自動翻訳、自動運転、無人レジ、WEB広告などの分野で活用されています。

証券会社でのAIを活用したサービスとは

証券会社でもAIを活用しようとする動きは活発です。AIを使って5分先の株価を予測するシステムを導入するなどの動きが出ています。証券取引にAIを活用することができるようになれば、より正確かつ素早く取引を行うことが可能となります。

コンピューターシステムが株価や出来高などに応じて、自動的に株式売買注文のタイミングや数量を決めて注文を繰り返すことによって、自らの取引によって株価が乱高下しないように売買注文を分散したり、また株価が割安と判断したタイミングで自動的に買い注文を出したりすることができます。

こうした技術はまだ課題が多いものの、将来的には実現する可能性が高いとされています。

AI関連の市場規模とAI関連銘柄の注目度

AIの応用領域は非常に広範囲であるため、AI関連市場の規模の予測は調査会社によって全く異なっています。

ある調査会社の調査では、AI関連市場の市場規模は、2015年の3.7兆円から2030年には約87兆円に成長するという予測もあり非常に注目を集めています。AI関連の市場規模が大きくなるということは、AI関連銘柄も大きく成長する可能性があるということです。

そのため、AI技術の発展が著しい分野については、AI関連銘柄に対する注目が集まっており、すでに多額の投資を行っている投資家も大勢います。

AI関連銘柄の株価動向について

ここからは具体的なAI関連銘柄の株価動向を説明していきましょう。

AI関連銘柄の一覧

AI関連の銘柄には様々な銘柄があります。そのため、AI関連銘柄の中でも人工知能関連銘柄(ビッグデータ解析・コンサル・マーケティング系)を以下の表でまとめていきます。

企業コードと企業名 AI関連のサービス
3906 ALBERT AIを活用したコンサルサービス
3905 データセクション AIのビジネス活用支援事業
2158 FRONTEO データ解析AI「KIBIT(キビット)」
3666 テクノスジャパン 人工知能「scorobo(スコロボ)」
3655 ブレインパッド AI活用コンサルサービス「+AI」
4382 HEROZ 将棋AI・AIサービス「HEROZ Kishin」
3993 PKSHA Technology 東大発の人工知能(AI)ベンチャー
3680 ホットリンク ビッグデータ解析ツールにAI技術 前向き
3690 ロックオン AI・ビッグデータ等を活用したマーケティング支援
3691 リアルワールド AIの画像認識分野の教師データ収集
3694 オプティム AI・ビッグデータ・IoTを活用したソリューション
3744 サイオス 人工知能ソリューション・AIビッグデータ解析
3744 サイオス 人工知能ソリューション・AIビッグデータ解析
3962 チェンジ AIを活用したネット炎上対策
3967 エルテス ビッグデータ解析・AI活用の業務支援ツール
3984 ユーザーローカル AI/機械学習ソリューション
3687 フィックスターズ AI導入コンサルサービス
2317 システナ AI需要予測サービス「SENSY MD」
3784 ヴィンクス AIによるビッグデータ解析
4326 インテージHD AI技術コンサルティング
4687 TDCソフト AI活用コンサルティングサービス「Future AI」
4722 フューチャー AIによる市場動向分析ソリューションなど
3836 アバント AIを活用したビジネスプラットフォーム
7587 PALTEK AIによるビッグデータを必要としないデータ分析

ここで挙げている銘柄の他にも、AI関連銘柄は数多くあります。AI関連銘柄に今後成長の見込みがあると言っても、全ての銘柄が必ず成長するとは限りません。その銘柄が今後成長するかどうかについては、慎重に見極める必要があります。

AI関連銘柄の株価動向

2017年9月22日にマザーズ市場へ東大発のAI(人工知能)ベンチャー企業として上場した【3993】パークシャテクノロジーは、以下のような値動きをしました。

この銘柄のように、2017年から現在にかけて3倍近い株価となることもあります。

その他にも、AI(人工知能)を活用したサービス「AI Integration & Deployment プログラム」を提供している【6088】シグマクシスは、以下のような値動きをしています。

この銘柄の値動きをみてもわかるように、AI関連銘柄は上場してから順調に成長していることが確認できます。2017年8月の段階で850円程度だった株価は1,700円まで上昇し、およそ2倍程度の株価をつけています。

今後、AIの導入が期待できる注目の分野とは

現在はAIの導入がなされていないものの、今後AIの導入がなされることによって大きな成長が見込める分野は数多く存在しています。以下では、AIの導入によって大きな成長が期待できる注目の分野についてまとめていきましょう。

業種 AIの用途
農林・水産 ・農林水産業用ロボティクス
製造 ・産業用ロボティクス
・自動運転車
建設・土木 ・建設用ロボティクス
・老朽インフラ監視システム
電力・ガス・通信関係 ・電気やガスの使用量を通知するシステム
・IoTや5Gなどが導入された通信機器を制御するシステム
卸売・小売 ・顔認証受付
・店舗監視
・顧客行動観察システム
・AI利用電子商取引システム
金融・保険 ・フィンテック関係
・自動運転車保険
不動産 ・膨大なデータにもとづく不動産診断
運輸 ・自動運転トラック輸送
物流 ・倉庫のシステム管理
・ドローン利用輸送システム
広告 ・アドテクノロジー
エンターテイメント ・旅行関係
・ペット産業(体調診断、活動レコメンドシステム等)
・興行場関係
教育・学習 ・自習学習支援システム
・教員授業支援、評価支援システム
医療・福祉 ・介護・手術支援ロボティクス
・医療診断支援
生活関連 ・人材マッチングシステム
・清掃用ロボティクス
・コールセンターオペレーター
農林・水産 ・農林水産業用ロボティクス
製造 ・産業用ロボティクス
・自動運転車
建設・土木 ・建設用ロボティクス
・老朽インフラ監視システム
電力・ガス・通信関係 ・電気やガスの使用量を通知するシステム
・IoTや5Gなどが導入された通信機器を制御するシステム
卸売・小売 ・顔認証受付
・店舗監視
・顧客行動観察システム
・AI利用電子商取引システム
金融・保険 ・フィンテック関係
・自動運転車保険
不動産 ・膨大なデータにもとづく不動産診断
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エンターテイメント ・旅行関係
・ペット産業(体調診断、活動レコメンドシステム等)
・興行場関係
教育・学習 ・自習学習支援システム
・教員授業支援、評価支援システム
医療・福祉 ・介護・手術支援ロボティクス
・医療診断支援
生活関連 ・人材マッチングシステム
・清掃用ロボティクス
・コールセンターオペレーター

この表からわかるように、数多くの分野でAIの導入が今後進められていくことが予想されています。

実践!AI関連銘柄まとめ

以下では、実際にAI関連銘柄に投資をするときの参考情報を紹介していきましょう。

実践!AI関連銘柄:本命のAI関連銘柄

まずは、今後大きな成長が見込める本命のAI関連銘柄を紹介していきます。

最初に紹介する本命のAI関連銘柄は、AIを活用したインターネットサービスの企画・開発・運営している【4382】HEROZ株式会社です。

公募価格4,500円の10倍も上回る49,000円を初値でつけるなど注目を集めました。2019年には、株価は低迷中であるものの、今後どこかのタイミングでブレイクすれば、さらに大きな成長が見込める会社です。

次に注目したいAI関連銘柄が、プリファードネットワークスです。プリファードネットワークスは、ディープラーニング(深層学習)の研究と開発を行っており、業界、投資家の中でも話題となるほど注目を集めている会社です。日本経済新聞が有望スタートアップを調査したNEXTユニコーン調査では、このプリファードネットワークスは見事に1位を獲得しました。

さらに、東大発のAIベンチャー企業として期待されているのが【3993】パークシャテクノロジーです。自然言語処理、機械学習、深層学習技術を用いたアルゴリズムソリューションビジネスを展開しています。トヨタ自動車などの企業も出資しているなど、非常に人気がある会社です。

実践!AI関連銘柄:米国株のAI関連銘柄

米国株の中でもAI関連銘柄として注目を集めてる銘柄を紹介していきましょう。

まず最初に紹介するのは、alphabet【GOOGL】です。Alphabetは、グーグルのAI技術を開発する研究開発部門で、自動運転の実験データ蓄積やアルファ碁、Googleホームの開発を行ってきています。

さらに、Microsoft【MSFT】やセールスフォース【CRM】も積極的にAI技術を活用しており、前者はWindowsに標準搭載されているCortana、azureなどの開発に成功してきました。後者は、Salesforce Einsteinというウェブ上での業務アプリケーションを開発しています。

その他にも、不適切な投稿のチェックや、写真のチェックにすでにAIを導入している企業としてはFBがあります。FBはFacebook AI Researchという研究所を持っており、AIの研究開発に力を入れています。

実践!AI関連銘柄:出遅れのAI関連銘柄

同業他社(または他の業種)の株価が総じて上昇する中、何らかの原因で上昇しない銘柄は出遅れ株と呼ばれますが、AI関連銘柄にも出遅れ株があります。出遅れ株に投資して成功すれば、大きな利益を獲得できる見込みがあります。

たとえば、ネット広告の効果測定サービスをクラウドで提供していたり、またECサイトの構築関連事業も手掛けているロックオンは、時価総額規模も大きくないし値動きも軽いことから注目を集めています。

その他にも、ポイントサイトの「Gendama」を提供しているリアルワールドは、人工知能の画像認識分野の教師データと音声教師データの収集も手掛けています。この技術が実を結んで市場から評価されるようになれば、今後大きな成長を見込むことができます。

さらに、企業コンサルティングを手掛けるプロレド・パートナーズは、従来のコンサルに加え、AI・RPA・ビッグデータを活用し、あらに高品質で高効率なサービスの提供を目指しています。最近は株価が低迷しているものの、今後も十分に成長が見込める銘柄です。

実践!AI関連銘柄:注目のAI関連ベンチャー企業

今後市場の拡大が見込まれるAI市場では、AI関連ベンチャー企業も数多く存在しています。AI関連ベンチャー企業に投資をすれば、今後大きな成長を見込むことが可能です。

もちろん、ベンチャー企業であるため、期待通りに成長しない可能性もありますが、成長すれば大きく成長することが予想されるため、大きな利益を獲得できます。

AI関連ベンチャー企業として注目するべき企業を3つ紹介すると、まず最初に紹介するのはSENSY株式会社です。SENSY株式会社はファッション人工知能アプリ「SENSY」を開発し、その人に似合うコーディネートを考えてくれるサービスを提供しています。

その他にも、ブレインズテクノロジー株式会社は機械学習技術を活用し、リアルタイム大規模データ分析プラットフォームを提供しています。

さらに、株式会社プリファード・ネットワークスでは、ディープラーニング(深層学習)の研究開発を行い、制御技術などの開発を目指しています。

AI関連銘柄の関連用語とは

最後に、AI関連銘柄に関連する用語を解説していきましょう。

AI関連銘柄の関連用語①「ビッグデータ」

ビッグデータとは、従来のデータベース管理システムなどでは記録したり、保管したり、解析することが難しい巨大なデータ群を指す言葉です。ビッグデータという言葉自体は2000年代から使われるようになりましたが、明確な定義があるわけではありません。

ビッグデータは単に大量の情報という意味で用いられることもありますが、様々な種類・形式が含まれる非構造化データ・非定型的データであり、日々膨大に生成・記録される時系列性・リアルタイム性のあるようなデータであることが特徴です。

AI関連銘柄の関連用語②「ディープラーニング」

ディープラーニングとはディープニューラルネットワーク(DNN)を用いた学習のことを言います。ディープラーニングでは、十分なデータ量があれば、人間の力なしに機械が自動的にデータから特徴を抽出することが可能です。

DNNは、ニューラルネットワーク(NN)というパターン認識をするように設計された、人間や動物の脳神経回路をモデルとしたアルゴリズムを多層構造化したものです。

AI関連銘柄の関連用語③「IoT」

IoTとはInternet of Thingsの略で「モノのインターネット」と呼ばれるものです。従来インターネットに接続されていなかった様々なモノ(センサー機器・駆動装置(アクチュエーター)・建物・車・電子機器など)が、インターネットを通じてサーバーやクラウドサービスに接続されて、相互に情報交換をする仕組み一般を指します。

モノがインターネットと接続されることによって、これまで埋もれていたデータをサーバー上で、処理、変換、分析、連携することが可能となります。

AI関連銘柄の関連用語④「ZMP(自動運転)」

ZMP(自動運転)とは、人間ではなく人工知能などのシステムが周囲の状況を適切に判断し、自律的かつ安全に自動車を運転する技術を言います。

自動運転は、完全に人間の判断を介在しないで車を運転する技術を指すこともありますが、現在では、ハンドルやブレーキなどの操作を、さまざまなシステムで支援する技術を指す方が一般的です。

まとめ

AI関連銘柄は今後も大きな成長が見込まれている銘柄です。投資家からの注目度も高くなっています。AI関連銘柄は市場規模の拡大が見込まれていることから、大きな成長が見込まれるものの、順調に成長していくかどうかは誰にもわかりません。

AI関連銘柄に投資をする場合には、その銘柄について十分に情報を集め、分析してから投資を行うことが大切です。AI関連銘柄には大きな期待が寄せられているものの、将来必ず株価が上がるとは限らないことをきちんと理解した上で、投資判断を行うことが大切です。

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