投資を行う際には値動きに合わせて売買のタイミングを見極めなければいけない面もあるため、どのタイミングで買うべきか判断しにくいものですよね。
できるだけ安心して投資できる方法として検討したいのが「ドルコスト平均法」で、リスクの少ない投資方法とも言えますが、万能な投資方法ではありません。
そこでこの記事では、ドルコスト平均法のメリットとデメリットを含め、どのような場合に得をするのか・損をするのかについても詳しく紹介します。
さまざまな投資方法の中でもドルコスト平均法を特性を活かして投資を行いたいと検討中の方は、ぜひ参考にしてあなたに合った投資方法を選択してください。
この記事を書いた人 ファイナンシャルプランナー 児玉一希 | |
プロフィール・所持資格 | 日本ファイナンシャル・プランナーズ協会が定めている、ファイナンシャルプランナー技能士の資格を有し、当サイトの監修活動を始め、相場情報のまとめやコラムを寄稿する活動なども行なっている。 |
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ドルコスト平均法とは
ドルコスト平均法の由来は「dollar cost averaging」なので、通貨単位の$(ドル)をイメージされるかもしれませんが、「dollar=お金」という意味もあるので「お金のコストを平均する」という意味になります。
直訳した意味だけではわかりにくいので、具体的にどのような投資方法になるのか詳しく確認してみましょう。
定期的に同じ金額を購入する方法
ドルコスト平均法とは、一定の金額を毎月・毎週などのタイミングで定期的に買い付けする投資方法で、「定額購入法」と呼ばれる場合もあります。
同じように一定の数量を定期的に買い付ける「定量購入法」と比較してみると、以下のように平均購入価格が安くなるのが特徴です。
一口あたりの価格 | 毎月1万円ずつ投資 (ドルコスト平均法) |
毎月10口ずつ投資 (定量購入法) |
---|---|---|
1回目:1,000円 | 10,000円(10口) | 10,000円(10口) |
2回目:1,200円 | 10,000円(8口) | 12,000円(10口) |
3回目:700円 | 10,000円(14口) | 7,000円(10口) |
一口あたりの平均 | 30,000 ÷ 32 = 約937円 | 29,000 ÷ 30 = 約966円 |
価格と数量は平準化される
ドルコスト平均法で一定額ずつに分けて購入すると、価格が高い時には購入する口数が少なくなり、価格が安い時には購入する口数が多くなります。
購入価格が平準化されるので、価格が高くなった時に大量に購入して高値つかみをするリスクを軽減できるのが特徴です。
できるだけリスクを避けて安全にコツコツ投資していきたいと考えている方にドルコスト平均法は検討したい投資方法の一つですが、メリットだけでなくデメリットもあるので、しっかり特性を把握しておくことも大切です。
ドルコスト平均法のメリット
ドルコスト平均法は、相場価格が変動したとしても毎回定額で一定期間投資する特性を活かせるメリットがあります。
高値つかみを避けられる
価格が変動してちょうど安値になったタイミングを見計らってたくさん購入し、高値になったタイミングでうまく売る抜けるのが理想ですが、実際にはタイミングを見計らって売買するのは難しいものです。
安値のタイミングだけを狙った買い方をしていると、少しタイミングがずれただけで高値で買ってしまう可能性が高くなります。
ドルコスト平均法の大きなメリットは、毎回一定の価格で購入できて高値つかみを避けられる点で、高値になったタイミングで大量に買って大損するリスクを避けたいと考えている方に有効な投資方法といえます。
メンタルの安定に繋がる
「もし投資で大損したらどうしよう……せっかく貯めた資産が激減するのは困る……」「買った時よりもこんなに価格が上がった!とにかく今すぐに売らなきゃ!」
このように不安や欲を抱きながら投資を行っている方も少なくないようですが、不安や欲を抱きメンタルが不安定になって、正常な判断ができない状態で投資を続けるのは非常に危険です。
投資を成功させるにはメンタルが非常に重要と言われており、どんな状況になったとしても冷静な判断ができる心理状態を維持しなければいけません。
ドルコスト平均法の場合は、高値つかみのリスクが非常に少ない特性があるため、結果に一喜一憂せずにメンタルを冷静に保てるので、結果的に安定的な投資が可能となってプラスに転じやすくなるのです。
初心者でも手を出しやすい投資法
確実に儲かる投資方法は存在していませんが、できるだけ損失リスクは避けたいものですよね。
特に初心者は「投資で失敗するわけにはいかない!」と損失リスクに大きな不安を抱いている方が多いので、できるだけ安全に安定した収益を確保しやすい投資方法を選ぶことをおすすめします。
ドルコスト平均法は一定の金額を定期的に投資する方法なので、あらかじめ予算を立てやすいのも初心者に嬉しい点だといえます。
家計の中から投資に使えるお金はいくらと決めておけば、相場の変動にとらわれずに決まった金額の範囲内で投資できます。
大きな損失を避けて着実に安定した利益を見込める投資方法の一つなので、初めて投資を行う方でも実践しやすいのが大きなメリットです。
ドルコスト平均法のデメリット
ドルコスト平均法は投資初心者にも始めやすい投資方法でメリットも多いですが、逆にデメリットになる部分もあります。
しっかりデメリットになる部分を理解したうえで、あなたのトレードスタイルに合っているのか見極めましょう。
大きな利益を上げることがない
ドルコスト平均法は一定の金額を定期的に購入する方法なので、大きな損失リスクを避けられる一方で、大きな利益は見込めません。
それなりに大きなリスクも伴う投資方法なら大きなリターンも期待できますが、ドルコスト平均法だけではどうしても大きく儲けるのが難しいです。
コツコツと地道に資産を増やしていきたいと考えている方にはおすすめできますが、一攫千金を狙いたいと考えている方には物足りなさを感じられるかもしれません。
不測の事態で損失発生のリスクがある
ドルコスト平均法は大きな損失を避ける投資方法として有利な面もありますが、確実に損失リスクがないわけではありません。一定の金額で定期的に購入する特性が、逆に損失リスクを引き起こす原因になる場合も考えられます。
基本的にドルコスト平均法は、同じ投資商品に対して投資し続けて長期的に資産を増やすのが目的の投資方法です。
長期間同じ投資商品を保有し続けるため、予測していない事態が発生して暴落すると、想像していた以上の損失が生じる可能性も考えられます。
短期間で利益を上げることがない
ドルコスト平均法はコツコツと地道に時間をかけて投資する方法なので、複利(利息が元本に組み込まれて各期の利息が増えていく)が効くまでにも時間がかかります。
そのため、長い時間をかけなければ期待しているほどの利益が見込めません。
10年や20年もかけて低リスクでコツコツと資産形成したいと考えている方には良いですが、半年や1年などの短期間で利益を確保したいと考えている方にはおすすめできない投資方法です。
運用が単調になってしまいがちである
「毎月○円分購入する」と、一定の金額を定期的に購入するルールを決めてしまえば、どんなに相場が変動したとしてもルールに則って運用を行うのがドルコスト平均法の特徴です。
リスクが少なく合理的な運用方法ともいえますが、やはり相場の状態によっては「あの時もっと買っておけば良かった!」と後悔する時が来るかもしれません。
ルールに基づいて淡々と運用を行っているとあまりにも単調に感じられるため、相場の状態に応じて自分の判断で売買し、リスクがあってもより大きな利益が期待できる裁量トレードに切り替えたくなる方も少なくありません。
ドルコスト平均法の注意点
ドルコスト平均法のメリットとデメリットを踏まえ、ドルコスト平均法で投資を始めてみたいと考えている方が注意すべきポイントが2つあります。それぞれの注意点にも気をつけて投資を行いましょう。
最低購入金額が高い株は注意
ドルコスト平均法で投資を行う場合には、投資できる金額に応じて投資商品の購入価格をよく検討する必要があります。
株式を購入する場合の最低購入金額は各銘柄によって異なり、株価と最低単位数で計算されます。
最低購入金額が高額になるほど投資するたびに資金が必要になるため、潤沢な資金がなければ最低購入金額が高額な銘柄を選ばない方が良いです。
株式投資の場合は最低購入金額が安い銘柄を選ぶか、最低購入金額が数百円からでも行える投資信託を検討するのもおすすめです。
手数料の負担がある
ドルコスト平均法は定期的に決まった金額の投資商品を購入しますが、購入するたびに手数料も継続して負担しなければいけない点に注意が必要です。
相場が下がっても手数料だけがかさんでしまい、マイナスに転じる可能性も高くなります。
相場の状況によっては、リスクが少ないと言われるドルコスト平均法でも手数料の負担が多くなるほど元本割れリスクが発生する可能性が少なからずある点を覚えておきましょう。
ドルコスト平均法で得をする例
実際にドルコスト平均法で運用した場合に得をするのはどのような時なのか例を挙げて紹介します。
株価が下がった後に値戻ししたとき
ドルコスト平均法で購入した場合、株価がいったん下がっても値戻しをすると結果的に得をする例を紹介します。
投資金額は12万円で、運用開始時に全額投資した場合と、毎月1万円ずつ積み立てた場合は1年後にどうなるのかという前提で比較してみます。
株価 | 取得株数 | |
---|---|---|
1月(運用開始) | 100円 | 100 |
2月 | 95円 | 106 |
3月 | 90円 | 112 |
4月 | 85円 | 118 |
5月 | 80円 | 125 |
6月 | 75円 | 134 |
7月 | 70円 | 143 |
8月 | 65円 | 154 |
9月 | 75円 | 134 |
10月 | 80円 | 125 |
11月 | 85円 | 118 |
12月 | 90円 | 112 |
12月までの取得株数 | 1,481 |
運用開始した1月時点で12万円を投資していた場合の取得株数は1,200株なので、12月での評価額は108,000円になります。
ドルコスト平均法で毎月1万円ずつ投資した場合の取得株数は1,481株なので、12月での評価額は133,290円です。
株価が下がっても平均購入単価が引き下げられたことで取得株数が増えた結果、相場価格が値戻しされた時に利益が増える良い例ですね。
短期的な上下があっても長期的に上昇するとき
先程の例のように、運用開始時よりも株価が下落し、その後値戻しする場合は評価益が出る可能性が高くなりますが、逆に下落し続けていくと評価損が増えていく可能性が高くなります。
どんどん下落して運用開始時よりも低い価格になったので、慌てて買い増しして平均購入単価が更に下がって利益がもっと減る「ナンピン買い」だけは避けなければいけません。
ただし、短期間で下落と上昇を繰り返していても、長期的にみると株価が徐々に上昇している場合は利益が出る可能性が高くなります。
ドルコスト平均法は長期投資が前提になるため、短期間の価格変動に惑わされず長期的な視点で判断することが大切ですね。
ドルコスト平均法で損をする例
ドルコスト平均法で運用した結果損をする例も合わせて確認しておきましょう。
株価が上昇してからもとの価格に値下がりする場合
株価がいったん上昇しても、運用開始時の水準に戻ると損をする例を紹介します。
今回も投資金額は12万円で、運用開始時に全額投資した場合と、毎月1万円ずつ積み立てた場合は1年後にどうなるのかという前提で比較してみましょう。
株価 | 取得株数 | |
---|---|---|
1月(運用開始) | 100円 | 100 |
2月 | 110円 | 91 |
3月 | 120円 | 84 |
4月 | 150円 | 67 |
5月 | 200円 | 50 |
6月 | 250円 | 40 |
7月 | 280円 | 36 |
8月 | 300円 | 34 |
9月 | 240円 | 42 |
9月 | 200円 | 50 |
10月 | 180円 | 56 |
11月 | 120円 | 84 |
12月 | 100円 | 100 |
12月までの取得株数 | 834 |
運用開始した1月時点で12万円を投資していた場合の取得株数は1,200株なので、12月での評価額は120,000円です。
ドルコスト平均法で毎月1万円ずつ投資した場合の取得株数は834なので、12月での評価額は83,400円になります。
株価が上がった時にも買い増すため、最終的には運用開始時の株価に戻っても損失が出てしまう例になります。
株価が一辺倒な動きをする場合
銘柄によっては下がり続ける、または上がり続ける一辺倒な動きを見せる場合がありますが、このような場合はドルコスト平均法だと適しません。
運用開始時の株価が1年間一度も下がらずに上がり続けていた場合、運用開始時の段階で一括購入していると評価益が多くなります。
運用開始のタイミングによっては、株価が一度も上がらずに下がり続けるケースもあるため、このタイミングでドルコスト平均法を用いて投資を始めると損失が大きくなる可能性もあるのです。
ドルコスト平均法は手法の一つとして効果的に利用しよう
ドルコスト平均法は損失リスクを出しにくい長期投資の一つなので投資初心者にもおすすめできる方法といえますが、必ず損失が出ないとは限りません。
特に運用開始のタイミングが上昇トレンドなのか、下降トレンドなのかによっても結果が変わるので、相場の動きをよく確認しておく必要があります。
投資を行う際にはドルコスト平均法だけに絞らずに、あくまでも投資方法の一つとして考え、他の投資方法も組み合わせながら効果的に活用することをおすすめします。
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