株式投資を始めようと思った際に、まず悩んでしまうのが「証券会社選び」ではないでしょうか?
あまり今までの生活では馴染みがないので、どんな証券会社があるのかイメージが湧かず、「とりあえず、目に付いた証券会社に決める」、といった選び方をされている方も多いようです。
しかし、利用する証券会社というのは株式投資で成功する上でも大きく関わっています。もし適当に選び、自分に合っていない証券会社を利用してしまうと、割高な手数料が取られてしまったり、トレードがしづらく、結果利益が出せない、といった状況にもなりかねません。
そこで、今回はおすすめの証券会社について、基本的な知識や選び方を交えて解説いたします。
さまざまな投資スタイルの方に応じた証券会社を見つけられるよう、タイプ別に分けてご紹介していますので、この記事を読めば自分に合った証券会社が必ずやわかるはず。
最適な証券会社を選び、スムーズに株式投資への第一歩を踏み出しましょう!
この記事を書いた人 ファイナンシャルプランナー 児玉一希 | |
プロフィール・所持資格 | 日本ファイナンシャル・プランナーズ協会が定めている、ファイナンシャルプランナー技能士の資格を有し、当サイトの監修活動を始め、相場情報のまとめやコラムを寄稿する活動なども行なっている。 |
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ネット証券と総合証券の違い
まず、株式投資を行うために欠かせないのが証券会社ですが、これには大きく分けて「ネット証券」と「総合証券」の2種類があります。
手数料やサポート・利便性など、それぞれに特徴やメリット・デメリットがありますので、どちらが自分に合っているか確認してみましょう。
ネット証券の特徴
インターネットの普及に伴い、その規模も拡大している「ネット証券」。代表的なところを挙げれば、「楽天証券」「SBI証券」「松井証券」などの証券会社がネット証券に当たります。
ネット証券の魅力は、何と言っても手数料の安さや利便性にあります。多くの手続きをネットで完結させることで、物件費や人件費などの大幅なコスト削減が可能となるため、その分ネット証券の手数料は比較的割安に設定されていることがほとんど。業者によっては、総合証券の10分の1まで安い手数料で運営しているネット証券も。
さらに、ネットで24時間どこからでも、好きなタイミングで注文を出せるのもネット証券のメリットです。
パソコンだけでなくスマホでもトレードを行うことができるため、取引時間中に仕事をされている方でも、いざという時にはその場で決済注文を出せるのは安心ですね。
ただし、ネット証券は低コストで自由度が高い反面、証券会社からのサポートはあまり受けられないといったデメリットも。そのため、わからないことがあっても、基本的に独学で株の知識を身に付けていく姿勢が必要となります。
総合証券の特徴
長い歴史があり、規模の大きな証券会社が運営しているのが「総合証券」。代表的なところを挙げれば、「野村証券」「大和証券」「みずほ証券」などの証券会社が総合証券に当たります。
総合証券では顧客一人一人に担当のスタッフが付くため、手厚いサポートを受けられるところがメリットです。
株についての基本的な知識からおすすめの銘柄、マーケット情勢までさまざまなアドバイスを受けられるため、始めたてであまり知識の無い初心者にとっては非常に助かることでしょう。
しかし、その分総合証券では手数料が割高に設定されている点や、営業時間に合わせて注文を出さなければならない点がデメリットとも言えます。
証券会社の選び方のポイントとおすすめの証券会社
それでは、具体的にどのような証券会社に決めればよいのか、ここでは選び方のポイントやおすすめについて解説していきます。
どんな投資商品を扱うか、どのくらいの頻度で取引するか、国内株だけか外国株も投資するのかなど、各個人の投資スタイルによって適した証券会社も変わってくるもの。
そこで、さまざまなタイプ別に分けて証券会社をご紹介しますので、自分の行いたい投資に適した証券会社をぜひとも見つけてみてくださいね。
手数料で選ぶ
証券会社を選ぶ上でまず気になるのは、やはり手数料。取引をする度にかかるものなので、なるべく安く抑えておきたいところですよね。
そこで、手数料の安さで選ぶなら、コスト削減により低い手数料を実現しているネット証券の証券会社を選びましょう。
ネット証券は少ない資金で投資を始められるサービスも揃っており、少額投資からスタートしたい株の初心者にも人気ですよ。
デイトレーダー向け
1日のうちだけでも頻繁に売買を重ねるデイトレーダーは、その分手数料がかかる機会も増えることになるため、証券会社選びでは特に手数料をシビアに見ておく必要があります。
実は証券会社によっては、デイトレーダー向けに定額制の手数料プランを用意しているところがあるため、是非ともチェックしておきましょう。
例えば松井証券であれば、デイトレード限定で手数料が無料になる「一日信用取引」、手数料が激安になる 「一日先物取引」など、専業デイトレーダーにとって利便性の高いサービスも充実していますよ。
頻繁に取引しない人向け
数週おきのスイングトレードや長期投資などがメインで、一度株式を購入したらその後はそこまで頻繁に取引を行わない、という方もいらっしゃることでしょう。
そのような方であれば、1回の取引にかかる手数料を比較して証券会社を選ぶのがおすすめです。
ただし、約定(取引)金額によって手数料が変わるため、約定金額の価格帯によってどの証券会社が一番得かが変わってきます。
そこで各証券会社の価格帯ごとの手数料について、以下の表を参考にしてみてください。
証券会社名 | 取引手数料 ~10万円 |
取引手数料 ~20万円 |
取引手数料 ~50万円 |
取引手数料 ~100万円 |
SBI証券 | 90円 | 105円 | 250円 | 487円 |
楽天証券 | 90円 | 105円 | 250円 | 487円 |
マネックス証券 | 100円 | 180円 | 450円 | 1,000円 |
カブドットコム証券 | 90円 | 180円 | 250円 | 990円 |
松井証券 | 無料 | 300円 | 500円 | 1,000円 |
GMOクリック証券 | 88円 | 98円 | 241円 | 436円 |
取扱商品で選ぶ
取扱商品とは、国内株式から外国株式・投資信託・単元未満株(ミニ株)・FX(外国為替証拠金取引)など、証券会社で取引できる投資対象のことを指します。
証券会社によって取り扱っている商品やサービスがさまざまであるため、自分が投資したい商品を取引できる証券会社を選ぶようにしましょう。
証券会社名 | 外国株式 | 投資信託 | FX | 単元未満株 |
SBI証券 | 〇(9ヵ国) | 〇 | 〇 | 〇 |
楽天証券 | 〇(6ヵ国) | 〇 | 〇 | × |
マネックス証券 | 〇(2ヵ国) | 〇 | 〇 | 〇 |
カブドットコム証券 | × | 〇 | 〇 | 〇 |
松井証券 | × | 〇 | 〇 | × |
GMOクリック証券 | 〇(2ヵ国) | 〇 | 〇 | × |
投資信託
「投資信託」とは、証券会社により多くの投資家たちから資金が集められ、それが資産運用の専門家であるファンドマネージャーによって運用される金融商品のことです。
投資で最も難しいと言えるトレードの部分をプロに任せることができるため、初心者の方や忙しい方にも投資信託はおすすめ。
特に、「SBI証券」では2,500本超もの投資信託数を扱っており、さまざまな商品を選ぶことができます。少額投資にも対応しており、100円以上から1円単位で買えるので、投資初心者でも気軽に始められるでしょう。
また、「楽天証券」も2,000本以上もの投資信託数を誇り、投資信託をするにはおすすめの証券会社。お得な制度として、投資信託を持っているだけでも買い物などに使えるポイントが貯まるので、長期的に積立投資を考えている人にはうってつけですよ。
少額取引
「株式投資をしたいと思っても、資金が少なくて始められない…」といった悩みを持っている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
しかし、証券会社によっては「単元未満株」といった、1株単位から株式の売買ができるサービスを提供しているところもあるため、少額から株式投資に挑戦したい方でも大丈夫です。
具体的に挙げれば、SBI証券の「S株」やマネックス証券の「ワン株」、カブドットコム証券の「プチ株」といったサービスが単元未満株に当たります。
ただし、S株とワン株については、市場によって売却のみのところもあるのでよく確認しておきましょう。
また、似たような少額投資サービスに「ミニ株」というものもあり、こちらは10株単位で購入するものとなっています。
IPO投資で選ぶ
最初の公募価格よりも大きく値上がりする可能性の高い「IPO株(新規公開株)投資」は、簡単に高額の利益を狙えることから多くの投資家がIPO株の抽選に殺到します。そのため、IPO投資をするなら当選確率の高い証券会社を選ぶようにしましょう。
中でも「SBI証券」「マネックス証券」はIPO株の割り当てが最も多い”主幹事証券会社”となることが多く、IPO投資には強みがあります。
また、「カブドットコム証券」も完全平等抽選を採用しており、IPO株の取扱数の割に、利用者が少なく、競争が激しくないので狙い目と言えるでしょう。
さらにIPO株の当選確率を上げるには、複数の証券会社から応募することも有効です。実際、そのために複数の証券会社に口座を持っている人もたくさんいます。積極的にIPO投資をしていきたいのなら、多くの証券口座を作っておくのもおすすめですよ。
NISA口座で選ぶ
「NISA」とは、2014年1月にスタートした、個人投資家のための税制優遇制度のこと。毎年120万円の非課税投資枠が設定され、通常であれば約20%の税金がかかる株式・投資信託などの配当・譲渡益が非課税対象となります。NISA口座で証券会社を選ぶ際には、開設までの時間や手数料をチェックしておきましょう。
多くの場合、NISA口座で取引をするまでには申し込みから2週間~6週間くらいかかるのが通常ですが、中には「SBI証券」のように最短2営業日、「楽天証券」のように最短6営業日でNISA口座で取引ができるところもあります。
また、「SBI証券」「楽天証券」「マネックス証券」「松井証券」ではNISA口座での取引手数料が無料であるため、低コストで株を買うことができますよ。
情報コンテンツで選ぶ
株式投資ではどれだけ情報を持っているかが大きく関わってくるため、情報コンテンツの充実度も証券会社選びでは重要です。
証券会社専属のアナリストや、外部の専門家などによるレポートやコラムを逐一読むことができる証券会社を利用すれば、相場への理解を深めやすくなりますよ。
「松井証券」や「マネックス証券」をはじめ、初心者向けの学習コンテンツや株に関するニュース、セミナーを提供しているネット証券もあるので、こちらも積極的に活用していききたいところ。
さらに「楽天証券」では、業績や財務状況が載っている「会社四季報」や日々の情報収集に欠かせない「日経新聞」を無料で閲覧することができるため、メインで使わないとしても開設しておいて損は無いのではないでしょうか。
ツールの使いやすさで選ぶ
特に初心者であれば、トレードツールの使い勝手の良さも重視しておく必要があります。操作が簡単で分かりやすいツールなら、日々のチャート分析や銘柄検索などもはかどるため、投資がずっと簡単になりますよ。
特におすすめのツールをいくつか紹介すると、まずは松井証券の「ネットストック・ハイスピード」。完全無料で使えるにも関わらずとても機能が充実しており、注文から分析までスムーズに行うことができるでしょう。
マネックス証券の「マネックストレーダー」も評判が高く、中でもスピード注文機能やリアルタイムランキングといった機能には定評があります。こちらも、無料で利用できるツールとなっています。
また、楽天証券の「マーケットスピード」はプロトレーダーのツールと匹敵するほどの完成度として有名。一つの画面であらゆる操作を完結できることや、豊富な情報をスピーディーに入手できるなど、特にデイトレーダーのように積極的にトレードを行う方には適していますよ。
それだけに基本的には月額制の有料ツールとなっているのですが、”楽天証券口座に30万円以上入金”といったような簡単な条件を満たせば、なんと無料で利用できてしまいます。
開設口座の多さで選ぶ
優れた証券会社を選ぶためには、開設口座数の多さを見るのが良いでしょう。
開設口座数が多いということは、それだけたくさんの投資家に人気ということでもあるため、売買手数料の安さや使い勝手の良さを含めた「総合的な評価の高い証券会社」を選ぶことができますよ。
ネット証券においては2019年2月現在、利用者数1位が約450万人の「SBI証券」、2位が約300万人の「楽天証券」となっています。
どちらの証券会社もサービス・手数料ともに優れており、人気がある理由もうなずけますね。
サポートで選ぶ
基本的にはサポートの少ないネット証券でも、いざという時に電話やメールなどで問い合わせや相談が出来れば安心ですよね。
例えば「カブドットコム証券」 では、サポートセンターのスタッフに証券外務員の資格を有した専門家を揃えているため、非常に頼りとなることでしょう。
その他でも「松井証券」では、口座開設の疑問に答える専用ダイヤルが用意されているため、安心して口座を作ることができますよ。
また、セミナーや勉強会を通して、投資スキルアップのサポートをしてくれる証券会社も多くあります。
「マネックス証券」のように、口座開設をしていれば、株初心者向けのオンラインセミナーや勉強会を無料で受けられる便利なサービスもあるので、積極的に活用していきましょう。
それぞれの証券会社が主催するセミナーについても、以下の表でまとめてみましたので参考にしてみてください。
証券会社名 | 開催場所 | 参加費用 | セミナーの特徴 |
松井証券 | 東京・大阪 など中心 |
基本無料 | 堅苦しさがなく、多彩なゲストが登場し、 楽しく学べる |
楽天証券 | 全国各地 | 基本無料 | チャートやツールの基礎知識など、 初心者向けの内容も充実 |
SBI証券 | 全国各地 | 基本無料 | オンラインセミナーが充実、 後から見返すことも可能 |
マネックス証券 | 全国各地 | 基本無料 | オンラインセミナーが充実、 スマホでも見れるのが便利 |
カブドットコム証券 | 全国各地 | 基本無料 | ロイター社や三菱UFGグループの 提供を受け、独自の内容も |
まとめ
今回はおすすめの証券会社について、その種類や選び方を踏まえ、さまざまなタイプ別に分けてご紹介してきました。
優れた証券会社が多い一方で、それだけにどこを選べばよいのか迷ってしまった方もいらっしゃるかもしれませんね。
ですがそのような場合は、何も無理やり一つに絞ることはありません。ネット証券への口座開設・口座管理料はすべて無料ですので、まずは複数の証券会社に口座を開いてみましょう。
そこでそれぞれのツールの使い勝手をチェックし、自分にとっての相性のいい証券会社を見つけたり、 特徴に合わせて使いわけるのもおすすめの方法ですよ。
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