株式投資で大口の注文を行う場合に活用されているのが、あらかじめ設定したプログラムで自動取引を行うアルゴリズム取引(「アルゴ」と略される場合もあります)です。
大口注文を行う機関投資家が主に活用していた取引方法ですが、最近は日本の個人投資家にもアルゴリズム取引が普及しており、株式投資の選択肢として検討している方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、株式投資のアルゴリズム取引を行う前に知っておくべきメリットや問題点、おすすめの取引ツールなどを紹介します。
この記事を読んでいただけるとアルゴリズム取引の仕組みをしっかり理解できるので、あなたに合った株式投資の方法なのかじっくり見極めてください。
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この記事を書いた人
ファイナンシャルプランナー
児玉一希
プロフィール・所持資格
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アルゴリズム取引とは
個人投資家にも注目されているアルゴリズム取引とは具体的にどのような取引方法なのか、取引例も含めて詳しく紹介します。
コンピュータで自動的に注文する取引のこと
アルゴリズム取引とは、あらかじめ株価や出来高に合わせて売買注文をするタイミングや数量を決めてプログラムに設定しておくと、その内容に従って自動的に注文を繰り返してくれる取引方法です。
たとえば、株の板情報を見ると瞬時に値動きしていますが、希望通りの条件になった瞬間に人間が手動で注文しようとしてもなかなか間に合いませんよね。
アルゴリズム取引なら、「この価格になったら何株買い注文をする」とコンピューターのプログラムに設定しておくだけで、条件を満たした段階ですぐに取引を行えるのが特徴です。
アローヘッド稼働により市場に大きな影響があった
東京証券取引所では2010年から次世代売買システム「アローヘッド」を稼働させ、なんと1000/1秒もの速さで取引ができる環境を整えました。
アローヘッドの登場によってアルゴリズム取引が積極的に利用されるようになり、株式取引市場にも大きな影響が生じました。
アルゴリズム取引を導入していなかった個人投資家は、コンピューターの繰り出す自動取引のスピード感に太刀打ちできず、苦境に立たされることになったのです。
現在の株式取引はアルゴリズム取引が主流になっており、すでに導入している個人投資家も増えています。
アルゴリズム取引の例
アルゴリズム取引は瞬時に注文できる特性を活かし、さまざまな取引を実現できます。
例えば、社会や経済の動きに対して敏感に反応して自動で注文する、ニュースを監視するアルゴリズム取引は、ニュースの内容によって最適なタイミングで注文を出せます。
ある企業に関して業績アップなどプラスになるニュースがあれば買い、逆に粉飾決算などマイナスになるニュースがあれば売りなどの注文を行います。
他にも、他の投資家が出した注文に対して瞬時に反対の注文を出して、その注文を無かったことのようにする「ステルス注文」、本当は売買するつもりがないのに大きな注文を出して値動きを活性化させる目的の「見せ板」などがアルゴリズム取引で行われています。
アルゴリズム取引のメリット
株式取引をアルゴリズム取引にすることで得られるメリットはいろいろありますが、特に注目したい3つのメリットを紹介します。
現在行っている株式取引と比較して、より大きなメリットが感じられるか確認してみましょう。
スピードが圧倒的である
アルゴリズム取引の大きなメリットは、なんといってもスピーディーな取引が実現する点です。
人間には真似できないプログラムの自動取引は、アルゴリズム取引を導入していない投資家にとっては驚異になる存在です。
アルゴリズム取引を導入していない投資家は、常に株価や市場の動向を探りながら手動で注文しなければならず、スムーズに注文できません。
アルゴリズム取引は一定の条件をあらかじめプログラムに組み込んでおけば、条件を満たしたときにすぐ注文できるので最適なタイミングを逃しにくいのです。
自動であるので投資家の負担が減る
アルゴリズム取引は、コンピューターが自動で取引を行ってくれるので投資家の負担が大幅に軽減されます。
もともとアルゴリズム取引は大口取引を行う機関投資家が重宝したことで発展したものです。
常に株価の動向をチェックしなくても良い、好機を逃さずに即座に注文をしたいなどの希望を叶えつつ、人的コストも削減できて投資家の負担が減るのが大きなメリットといえます。
リスクの軽減ができる
アルゴリズム取引は大口注文をする際にも市場への影響を軽減できるメリットもあります。
たとえば、大量の株式をまとめて売りたい場合、一気に売り注文をすると株価暴落を招きかねず、市場への影響がかなり大きくなることが予想されます。
市場に影響を与えないように少しずつ分割して注文を出すプログラムを組み自動取引する方法をアイスバーグ取引と呼んでいますが、このように株式取引におけるリスクを軽減できる取引を自在にプログラムに組み込めるのがアルゴリズム取引の特徴です。
アルゴリズム取引の問題点
アルゴリズム取引のメリットがある一方で、デメリットになる部分があるのも事実です。
具体的にどのような問題点があるのか確認したうえで、アルゴリズム取引を行うためにどのような
プログラムミスによる誤作動のリスク
アルゴリズム取引はあらかじめ組んだプログラムに沿って自動取引を行いますが、プログラムの組み方によっては、思いもよらぬ結果をもたらす場合もあります。
実際にアメリカの投資ブローカー「ナイト・キャピタル・グループ」では、アルゴリズム取引システムの不具合によって、膨大な損失を出した事例も発生しています。
プログラムを実行するのはコンピューターですが、プログラムを組むのは人間が関わっていますので、何らかの原因でプログラムに欠陥があって誤作動が発生する可能性も忘れてはいけません。
海外ではプログラムを事前に検査するなどの規制が行われていますが、日本では特に実施されていません。
東証の次世代売買システム「アローヘッド」に、プログラムの誤作動と思われる一定の基準を超えた注文を抑制する機能などが搭載されているためです。
ただ、プログラムを活用する投資家側も、誤作動が起こらないように運用できる知識と技術も必要になるでしょう。
アルゴリズム取引を利用した事件が起きている
アルゴリズム取引の利便性を逆手に取り、市場に悪影響を与える事件が発生している点も忘れてはいけません。
現状では、各証券取引所や取引所、証券取引所などの機関で、顧客がアルゴリズム取引でどんな注文を行っているのか、実態を掴むのが難しい状況になっています。
アルゴリズム取引の実態がはっきり見えない状況を悪用し、相場操縦などの不正取引が行われている事例が世界各国で発生しているのです。
日本でも2011年にアルゴリズム取引の特性を悪用し、本当は成立させる気がない注文を繰り返し、株価を不正に変動させて利益を得た人が課徴金納付命令を受けた事例があります。
個人投資家におすすめの取引ツール
アルゴリズム取引はメリットも多いですが、問題点を知るとなんとなく手を出すのが心配……と感じる個人投資家も多いのではないでしょうか。
とはいえ、やはりアルゴリズム取引の利便性は魅力的なので株式取引に導入したい!と前向きに検討している方におすすめの取引ツールを2種類紹介します。
ここで紹介している取引ツールは、大手の証券会社が用意している信頼性が高いもので、スピーディーに取引できるアルゴリズム取引のメリットを実現できるのが特徴です。
楽天証券のマーケットスピードⅡ
楽天証券が提供しているマーケットスピードⅡは、もともと個人投資家向けにリリースされていたマーケットスピードがリニューアルされ、使いやすさを重視した取引ツールとして2018年に誕生しました。
アルゴリズム取引と同様の取引を実現する5種類の「アルゴ取引」が実装されています。
- アイスバーグ注文:1つの注文を小分けして注文する
- スナイパー注文:指定した価格が表示されたら瞬時に注文する
- トレイリング注文:逆指値注文を設定して有利な方向に動くと価格を自動修正して注文する
- リザーブ注文:日時を指定して発注する
- リンク注文:最大10個の注文を連続登録できる
マーケットスピードⅡは操作性が良く、初心者でも感覚的に使いこなせるようになると高く評価されている取引ツールです。
アルゴリズム取引にチャレンジしてみたい初心者はもちろん、臨機応変にいろんな取引を行いたい中級者・上級者も満足していただけるでしょう。
楽天証券に口座開設している方が利用できるツールで、利用料は3ヶ月2,500円+税となります。
カブドットコム証券のkabu.com API
MUFJ(三菱UFJファイナンシャル・グループ)のカブドットコム証券が、プロの機関投資家が導入しているシステムトレード環境を個人投資家向けに提供したのが「kabu.com API」です。
従来は証券会社が提供している取引ツールを使用しなければ得られなかったリアルタイム時価情報や発注系、注文・残高照会などの情報がAPIで提供されています。
独自にアルゴリズム取引ツールを開発して運用したい方向けなので、ツールを開発する知識と技術が必要になります。
kabu.com APIとの接続契約はカブドットコム証券の法人口座が必要になり、個人口座では申し込みできませんが、kabu.com APIの接続が認められた取引ツール(iTRADEなど)に申し込んでいただけると利用可能となります。
市場に影響を与えるアルゴリズム取引の仕組みを理解しよう
株式取引の主流になりつつあるアルゴリズム取引は、スピーディーに取引が成立するなど利便性が良いメリットがある一方で、利便性の良さを悪用して価格操縦を行って市場に悪影響を与えかねない面があるのも事実です。
個人投資家がアルゴリズム取引を行うのは敷居が高く感じられるかもしれませんが、今回紹介した取引ツールを活用していただけるとアルゴリズム取引の利便性を活かした取引が実現します。
アルゴリズム取引の仕組みをしっかり理解したうえで、あなたのトレードスタイルに合わせて柔軟に取引ができるツールを活用してみてはいかがでしょうか。
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