株式市場では日々株価が変動して取引が行われていますが、どのような仕組みで株価が決まっているかご存じでしょうか?
株取引の基本となる株価決定の仕組みを理解するうえで知っておきたいのが「板寄せ」についてです。
この記事では板寄せとはどのような仕組みで株価決定に関わるのか、株価が決定するまでの計算方法や流れなどを詳しく紹介します。
板寄せの仕組みを理解することで株価決定の流れがわかるので、値動きを予想しながら適切なタイミングで注文できるようになりますので、ぜひ参考にして株取引にお役立てください!
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この記事を書いた人
ファイナンシャルプランナー
児玉一希
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板寄せとはどんな仕組みか
株式投資で知っておきたい売買成立方式の一つである板寄せとはどのような仕組みのものか確認してみましょう。
株価が約定するための売買成立方式のひとつ
株取引において売買が成立することを「約定(やくじょう)」といいますが、単純に考えると「この株を1,000円で100株売りたい」という人と、「この株を1,000円なら100株買いたい」という人の希望が合致すると約定し、この時の価格(1,000円)が株価となります。
しかし実際の株取引においては売り手と買い手の数が非常に多く、それぞれ希望する条件が異なるためなかなか株価が決まりません。
そこで株式市場では株価が約定するための売買成立方式の「板寄せ」と、後述する「ザラバ寄せ」の2種類を採用し、状況によってどちらかの方式を採用して株価が決定しています。
板寄せ方式は取引が行われていない時間帯に受け付けた注文を、同時に受け付けたものをみなして板に記載して整理し、売り注文と買い注文から合致する値段を求めて、約定した値段が株価となります。
寄りと引けでおこなわれる
板寄せ方式で株価が決まるのは、取引を行っていない株式市場の開場時間(東京証券取引所は前場:9時~11時半、後場:12時半~15時)の前後に注文を受け付けた時です。
前場や後場の前後にたまった売り手と買い手の注文から株価を決めるために板寄せ方式が採用されます。
- 寄付:証券取引所が開いてその日の最初の売買
- 前引け:前場(午前中の取引)の最後の売買
- 後場寄り:後場(午後の取引)の最初の売買
- 大引け:後場(その日)の最後の売買
板寄せ方式により始値と終値が決まることになります。
板寄せの対象外の注文はザラバ寄せで約定
株式市場が開場し、取引が開始されると「ザラ場」と呼んでいることから、取引時間中に株価が決まる方式をザラバ寄せと呼んでいます。
板(気配値)の売り注文と買い注文の状況に合わせて都度取引が成立して株価が動く仕組みになっており、競争売買によって合致した数量・価格でどんどん約定されていきます。
板寄せを含む株取引の約定にはルールがある
株取引の約定は一定のルールが存在しており、具体的にどのような仕組みで株価が決まるのか確認してみましょう。
注文の値段により優先される価格優先の原則
株取引における売買注文の約定には優先順位があり、競争売買(セリ売買)に基づき有利な条件を提示した相手と取引を行い、約定すると株価が決まります。
「価格優先の原則」とは、売り注文だと一番低い値段の注文が優先、買い注文だと一番高い値段の注文が優先されるものです。
たとえば売り注文が1,000円と990円がある場合、「1,000円よりも10円安い990円でもぜひ売りたい!」と希望している売り注文なので、990円が優先されて約定します。
ただし、同じ値段で注文が入っている場合は、注文を受け付けた時間が早いほうが優先される「時間優先の原則」のルールが適用されます。
注文が早い方が優先される時間優先の原則
時間優先の原則は、同じ銘柄に対して同じ価格で指値注文があった際に適用されるルールで、注文を受け付けた時間が早い順に約定するものです。
ただし、取引時間外(前場や後場の前後)については同時に注文したものとみなされて時間優先の原則が適用されません。
指値注文よりも成行注文が優先される
株取引における注文方法(成行注文と指値注文)によっても優先順位が異なります。
- 成行注文:価格を指定しない。いくらでも良いので買いたい(売りたい)と希望する注文方法
- 指値注文:価格を指定する。この価格以下なら買いたい(この価格以上なら売りたい)と希望する注文方法
成行注文は「どんな株価になるのかわからないけど、とにかく早く売買を成立させたい」という注文なので、指値注文よりも優先して約定されます。
ここまでをまとめると、売買の優先順位は以下のようになります。
- 成行注文
- 指値注文(買い注文は値段が高い方が優先、売り注文は値段が安い方が優先)
- 指値注文(取引時間内で注文の受付時間が早い方)
板寄せではどのように株価が決定するのか
板寄せ方式ではどのような流れで株価が決まるのか、計算方法の例を見ながら確認してみましょう。
株価決定には条件を満たす必要がある
板寄せ方式で株価が決まるには以下の条件をすべて満たした場合です。
- 条件1:成行注文の売り注文、買い注文すべてが約定する
- 条件2:約定価格よりも高い買い注文、約定価格よりも低い売り注文がすべて約定する
- 条件3:約定価格で売り注文か買い注文のどちらかすべてが約定する
これら3つの条件を満たした時に株価が決まる流れを紹介します。
売買開始前の板状況から始値を仮定する
まずは売買取引が開始される前の売り注文と買い注文が入っている板状況から始値を仮定します。
売り注文 | 価格 | 買い注文 | ||
---|---|---|---|---|
累計 | 数量 | 数量 | 累計 | |
成行 | 300 *4 | |||
4,200 | 400 | 502円 | 200 *5 | 500 *6 |
3,800 | 2,200 | 501円 | 600 | 1,100 |
1,600 | 500 | 500円 | 800 | 1,900 |
1,100 | 300 | 499円 | 1,000 | 2,900 |
800 *3 | 300 *2 | 498円 | 2,000 | 4,900 |
500 *1 | 成行 |
*1 + *2 = *3 以下、同様に加算していきます
*4 + *5 = *6以下、同様に加算していきます
上記の板状況から、売り注文と買い注文の累計数量が逆転している価格を探してみます。
- 502円:売り注文 >買い注文
- 501円:売り注文 > 買い注文
- 500円:売り注文< 買い注文
- 499円:売り注文 < 買い注文
- 498円:売り注文< 買い注文
累計数量が逆転しているのは501円と500円の段階なので、どちらかの価格で始値が決まると仮定できます。
売り成行注文と買い成行注文を約定させる
株価決定の条件1を満たすために、成行注文の売り注文と買い注文をすべて約定させます。
板状況からまずは500円が始値と仮定し、成行注文の買い注文300株はすべて約定、売り注文の500株のうち200株が残ります。
売り注文 | 価格 | 買い注文 |
---|---|---|
成行 | 300 | |
400 | 502円 | 200 |
2,200 | 501円 | 600 |
500 | 500円 | 800 |
300 | 499円 | 1,000 |
300 | 498円 | 2,000 |
500 | 成行 |
始値より低い売値と高い買値を相殺
成行注文の残った売り注文200株と、株価決定の条件2の約定価格(500円)よりも高い(501円と502円)の買い注文800株と、低い(499円と498円)の売り注文600株を約定します。
売り注文 | 価格 | 買い注文 |
---|---|---|
成行 | ||
400 | 502円 | 200 |
2,200 | 501円 | 600 |
500 | 500円 | 800 |
300 | 499円 | 1,000 |
300 | 498円 | 2,000 |
成行 |
この段階で残っていた成行注文と、約定価格(500円)よりも高い買い注文と、低い売り注文のすべてが相殺されるので条件1と2を満たすことになります。
約定価格の売りか買いの注文を全て約定させる
最後に約定価格(500円)の売り注文と買い注文を約定させます。
売り注文の500株はすべて約定、買い注文の800株のうち500株が約定します。
売り注文 | 価格 | 買い注文 |
---|---|---|
成行 | ||
400 | 502円 | |
2,200 | 501円 | |
500 | 500円 | |
499円 | 1,000 | |
498円 | 2,000 | |
成行 |
ここまでの流れで株価決定の条件3を満たすので、始値500円で売買が成立しました。
この後、501円の売り注文2,200株、500円の買い注文300株になります。
板寄せ方式に関する注意点
板寄せ方式で株価が決まる仕組みや計算方法について理解しておくと、値動きを予想するためのヒントになりますが注意点もいくつかあります。
株価を完璧に予想することは難しい
板寄せ方式における株価決定の計算方法を覚えておくと、これから株価がどう変動するのかを予想するために役立つことは確かです。
しかし、どんなに株取引のベテランでも予想した値動きを百発百中で的中させることは非常に難しいものです。
たとえば、銘柄によっては株取引がはじまる直前になって機械的な注文が入り、計算結果が本当の直前で合わなくなるケースが考えられます。
計算結果が100%ではないことを考えると、やはり株価を完璧に予想するのは難しいのです。
成行注文を出してもすぐに約定しない
成行注文は価格を指定せずに注文を出すので、指値注文よりも早く約定しやすいのがメリットなのに、すぐ約定しなくてヤキモキさせられる場合があります。
前場と後場の前後に受け付けた注文はすべて同時注文とみなされることから、成行注文が多いとすぐに約定するとは限らないのです。
状況によっては成行注文が良い場合もありますが、すぐに約定しない場合があることや、想定外の価格で約定するおそれもある点を十分理解したうえで、指値注文と使い分けることが大切です。
板寄せの仕組みを理解して注文を出そう
実際に株取引をはじめてみると、予想通りの価格で取引が成立してうまくいった!と喜ぶこともあれば、株価の見極めがよくわからなくて売買のタイミングを間違えて失敗することもあるはずです。
確実に値動きを予想して的中させるのは難しいですが、板寄せ方式により株価が決まる仕組みを理解していればある程度値動きの予想を立てることはできます。
値動きの予想を踏まえて成行注文にするべきか、それとも指値注文が良いのかを考えて最適なタイミングで注文できるように場数を踏むことからはじめてみましょう!
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