信託財産留保額とは何のコスト?「あり」「なし」の違いと用語の意味

信託財産留保額とは一体何?」

「投資信託は途中解約しても大丈夫?」

信託財産留保額とは、投資信託を解約する際に投資家が支払う費用を意味します。

これは「投資信託を保有し続ける投資家」に迷惑がかからないようにするための費用で、投資信託ごとに決まっています。

信託財産留保額がどのような役割を持っているのか、いくら取られるのかを知ることで、不安なく投資信託で資産運用を始めることが可能になります。

今回は、信託財産留保額のあり・なしが投資家にとってどのようなメリットがあるのかを分かりやすく解説します。

この記事を読んで、「投資信託の不安」が少しでも解消できると幸いです。

この記事を書いた人 ファイナンシャルプランナー 児玉一希
プロフィール・所持資格 日本ファイナンシャル・プランナーズ協会が定めている、ファイナンシャルプランナー技能士の資格を有し、当サイトの監修活動を始め、相場情報のまとめやコラムを寄稿する活動なども行なっている。
 
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信託財産留保額は途中解約のペナルティ

まず、信託財産留保額で最も重要なこと「途中解約のペナルティ」について理解を深めましょう。

投資家が信託財産留保額を支払う理由

信託財産留保額とは、投資信託を解約する際に「投資家」が支払う費用で、手数料のように運用会社や販売会社の収益にはなりません。

投資信託が解約した顧客に代金を支払うために資産の売却が必要であるため、売却には手数料がかかります。

つまり、信託財産留保額は「解約することによって発生する手数料」なので、解約する投資家に負担してもらう仕組みになっているのです。

信託財産留保額は、ファンドの安易な解約を防ぐためのシステムだと言えますね。

支払う信託財産留保額は資産の割合で決定

信託財産留保額は、投資信託によって割合が異なります。

一般的に、投資資産の0.1~0.5%程度を解約の時に支払う(解約代金から差し引かれる)場合が多いとされていますが、差し引かれない投資信託も多くあります。

信託財産留保額が「差し引かれない」投資信託を選ぶ場合は、目論見書の最後の方のページにある「ファンドの費用」という欄を確認するとよいでしょう。

投資信託の目論見書は、各運用会社のホームページにPDFで載っていることが多いと言われています。

信託財産留保額の計算例

では、実際にどのような計算になるのか、下記の例で解説いたします。

例えば、信託財産留保額が1%の投資信託を換金すると仮定し、計算をしてみましょう。

換金時の基準価額が10,000円だったとします。

この場合、換金するときの計算は基準価額10,000円では行われません。

信託財産留保額の1%を差し引いた9,900円という解約価額を用いて計算されますのでご注意くださいね!

例えば、1,000,000口の投資信託(基準価額10,000円、評価額100万円)を持っている場合 、全てを換金したとしても、9,900円の基準価額で計算されます。

そのため、あなたが受け取れるの金額は100万円ではなく「99万円」となるので、1万円の信託財産留保額を負担した計算になります。

このように、売却時の解約手数料と信託財産留保額がかかる場合があるため、投資信託を解約した際に実際の受取金額が基準価額より計算した金額と異なるのです。

また、解約手数料や信託財産留保額がある投資信託は、受渡金額から差し引かれていますので確認しておくとよいでしょう。

支払った信託財産留保額の行方

ここで疑問に思うことはありませんか?

そうです、あなたが支払った信託財産留保額がどこに行くのか?」という疑問が残りますよね!

信託財産留保額は、信託財産留保額は、投資家が負担し換金時に差し引かれるため、一見すると換金手数料と同じですが、ファンドの信託財産として扱われます。

つまり、信託財産留保額は、引き続き投資信託を保有していく「他の投資家のために」信託財産を少し残していくものなのです。

他の投資家のために残された信託財産留保額は、信託財産に取り入れられるため、純資産総額に追加され、基準価額や分配金にも反映されます。

信託財産留保額の確認方法

信託財産留保額を確認したい場合は、投資信託説明書(交付目論見書)をチェックしましょう。

投資信託説明書は、投資信託を購入する前に必ず投資家に渡される書類です。

交付目論見書は、全投資家に必ず交付しなければならない目論見書で、投資信託の基本的な情報が記載されていますので、しっかりと確認しておくこと、そして大切な場所に保管することをおすすめいたします。

償還まで待てば信託財産留保額の支払いなし

しかし、償還まで待った場合は信託財産留保額を支払う必要がありません。

償還金額=償還価額×投資口数÷口数単位-税金でお金が還ってきます。

なぜなら、信託財産留保額はあくまで途中解約のペナルティであるため、償還では支払う義務が発生しないのです。

解約手数料との違い

解約手数料は信託財産留保額とは別途で徴収され(解約代金から差し引かれ)ます。

そして、解約手数料は「販売会社」が受け取ります。

その一方、信託財産留保額は、先にもお伝えしたように、解約代金から差し引かれ、引き続きその投資信託を保有し続ける「投資家」が受け取ります。

信託財産留保額という名の通り、信託財産に留保されるものであることが分かりましたね!

信託財産留保額なしの投資信託とは

次に、「信託財産留保額なし」の投資信託のシステムについて分かりやすく解説します。

運用を続けている人が信託財産留保額を肩代わり

信託財産留保額なしの投資信託は、解約にかかるコストを運用を続けている人たちが負担をする仕組みになっています。

自分は売却していないため、信託財産留保額を払うことはありませんが、他の人が解約した際に入るはずの信託財産留保額も入ってきません。

上記理由から、信託財産留保額「なし」は短期投資向けだと言えますね。

運用を続ける人が損をするおかしな制度

また、運用を辞める人が支払うべきものなのに、信託財産留保額が好まれてしまうため、「信託財産留保額なし」の投資信託が増えてきていると言われています。

末端の投資家は、手数料や費用はなんでも「安ければ安いほどよい」と考えてしまっている人が多く、制度のおかしさを認識せず、信託財産留保額なしの投資信託を利用しているのが現状です。

短期投資が目的なら信託財産留保額なしはメリット

ただし、短期投資が目的の場合、解約する際に余計なコストがかからないため、利益を最大限大きくできるというメリットがあることを覚えておくとよいでしょう。

短期投資の場合、自分自身も解約をするため、信託財産留保額を払います。

信託財産留保額が高ければ高いほどあなたが払う費用は増えます。

例えば、100万円投資信託を買っていた場合、それを解約したケースを見てみましょう!

もし信託財産留保額が0.5%の場合は、5,000円の費用が発生します。

その一方、信託財産留保額「なし」の投資信託の場合には当然その費用は発生しません。

そのため、短期投資を検討中の方にとっては、信託財産留保額「なし」の方が有利なのです。

投資運用と関係のないところのコストは低いに越したことはありません。

信託財産留保額ありの投資信託を選ぶ2つのメリット

最後に、信託財産留保額「あり」の投資信託を選ぶメリットを2つ紹介します。

今後の参考にしてください。

長期投資で財産の保有額が増える可能性

まず、支払われた信託財産留保額は、投資を続ける人に割り振られるため、トータルの資産は増えます。

そのため、長期に投資信託を保有し続ける投資家にとっては、「信託財産留保額」は有利な制度と言えるかもしれませんね。

投資信託の運用パフォーマンスが安定

また、信託財産留保額の支払いを避けるため長期投資をする人が増えるため、投資信託が投資にまわせる資産が安定するというメリットも挙げられます。

運用側も、資金不足による運用パフォーマンスの悪化を妨げる効果があるとされています。

なぜなら、投資信託の換金がある場合、運用側は投資資産(株式や債券など)を売却などをすることで資金を用意する必要があるからです。

投資資産を頻繁に換金された場合、投資資産を売却するための手数料がかかるだけではなく、運用パフォーマンスに悪影響を与える可能性もあります。

一見すると手数料に見えがちな信託財産留保金ではありますが、投資家にとってメリットも多い仕組みであるとも言えるでしょう。

投資信託の相続税評価は信託財産留保額の扱いに注意

最後に、「相続税評価の信託財産留保額の扱い」で注意すべき2つのポイントをまとめましたので、今後の参考にしてください。

財産の評価で信託財産留保額を控除

相続財産の中には、投資信託や公社債(国債や地方債など)が含まれている場合があるのはご存知でしょうか?

[証券投資信託受益証券] 投資信託会社が投資家から集めた資金を株などの有価証券に投資して、その運用で得た利益を受けることができる証券です。

[上場不動産投資信託証券(J-REIT)] 投資法人または、投資信託委託業者などが多くの投資家から集めた資金を、不動産などの資産に投資して運用し、賃料や売却益などの収益を投資家に分配する証券です。

なお、株式と同様に金融商品取引所に上場された不動産投資信託証券は、市場を通じて自由に売買することができます。

一般的な投資信託の評価では、解約した場合にかかる諸費用を控除して相続税評価額を計算します。

証券投資信託受益証券の評価

  1. 中期国債ファンドやMMF等の日々決算型の投資信託
    評価方法 :
    一口当りの基準価額×口数 + 再投資されていない未収分配金 - 未収分配金に対する源泉所得税相当額 - 信託財産留保額及び解約手数料(消費税込)
  2. 上場されている投資信託
    評価方法 :
    上場株式の評価を準用して評価する
  3. 上記以外のもの
    評価方法 :
    一口当りの基準価額×口数 - 課税時期に解約請求した場合の源泉所得税相当額 - 信託財産留保額及び解約手数料(消費税込)

上場不動産投資信託証券(J-REIT)の評価

上場株式の評価を適用して評価するため、下記のうち最も低い金額になります。

・ 課税時期の最終価格
・ 課税時期の属する月の毎日の最終価格の月平均額
・ 課税時期の属する前月の毎日の最終価格の月平均額
・ 課税時期の属する前々月の毎日の最終価格の月平均額

解約時に徴収されることとなる信託財産留保額も控除することが可能です。

信託財産留保額は消費税込みで計算します。

相続税の提出書類には計算メモを添付

一般的な投資信託に関しては、土地や上場株式のように「評価明細書」が用意されていません。

国税庁による相続税申告書の記載例を参考にしましょう。

相続税申告書を作成する際には、第11表に数量、単価を記載したうえで、自分で計算した価額を記入すれば問題ないとされています。

とはいえ、第11表の提出だけの場合、どのような計算方法で評価額を算出したのか、記載した数字の根拠を税務署に示すことができないため、根拠となる資料や計算メモを相続税申告書と一緒に提出することをおすすめいたします。

投資信託を始める前に信託財産留保額をチェック

信託財産留保額は、換金手数料のようにも見えますが、全く異なるもので、「投資家間の公平性を図る」ことを理由に、投資信託の換金を申し込んだ投資家から徴収するものです。

信託財産留保額は、長期保有する投資家の利益を守ってくれるとても心強い味方であるとも言えますね。

この機会に信託財産留保額に関する理解を深めて、安心して投資ライフを継続しましょう!

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