クロス取引とは?お得に株主優待を手に入れる方法とやり方、節税効果とは

株式投資には魅力的な株主優待を行っている銘柄が多くありますが、一般投資家の資産ではその中の一部を保有するのが限界です。

「そこで株主優待の権利だけでも、うまく手に入れる方法はないだろうか…」と感じたことはありませんか?

今回解説する「クロス取引」は、まさにそれを実現可能となる取引手法です。

ある工夫をしてトレードを行うことで、権利獲得後は損失なしで持ち株を売却できます。

株主優待の権利だけをノーコストでゲットできてしまうのです。

さらに使いこなせば、確定申告の前に節税まで可能。

そのようにとても有用な「クロス取引」とは、一体どんな手法なのでしょうか?

この記事を読んで、さっそく学んでいきましょう!

この記事を書いた人 ファイナンシャルプランナー 児玉一希
プロフィール・所持資格 日本ファイナンシャル・プランナーズ協会が定めている、ファイナンシャルプランナー技能士の資格を有し、当サイトの監修活動を始め、相場情報のまとめやコラムを寄稿する活動なども行なっている。
 
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クロス取引とは

1ランク上の取引手法である「クロス取引」。

まず最初は、その概要についてご説明していきます。

同一銘柄で同量の売りと買いをする取引

「クロス取引」とは同一の銘柄に対し、同じ量の売り注文・買い注文を同時に出す取引方法。

クロス取引を行うことにより株価が上下どちらに変動したとしても、反対注文の利益で相殺されるために損失は発生しない状況となります。

信用取引により買い・売り両方のポジションからエントリーできる株の仕組みをうまく利用した取引方法ですが、一体どのような時に使えば良いのかと戸惑われるかもしれません。

ですが、クロス取引は投資家たちの間で非常に注目されている手法。では、次にその理由についても詳しく見ていきましょう。

クロス取引が注目される理由

売買益がないにもかかわらずクロス取引が注目される理由は、株でのお得な権利をほぼノーコストで得ることが可能となるため。

株式投資には、株式を権利確定日まで保有していると「株主優待」として、企業からさまざまな商品やサービスを受け取ることのできる制度があります。

さらには、権利確定日の翌日(権利落ち日)にはその株式を売ってしまっても問題ありません。

なので、権利落ち日には売り注文が集まり株価が下がる傾向にあります。

そこで優待銘柄へ権利確定日前にクロス取引を行えば、株主優待の権利を獲得した上で、権利落ち日の値下がり損失についても売りポジションの利益で相殺が可能。

結果、何も損することなく株主優待の権利だけを得ることができるのですね。

つなぎ売りとの違い

クロス取引と似た取引方法に「つなぎ売り」があります。

この「つなぎ売り」はすでに保有している銘柄に対し、後から信用売り注文を入れることとなります。

これは保有銘柄が思わぬ下落基調となった際、損失をカバーするために行う手法です。

主に株主優待の権利取りを目的とし、売り買いを同時のタイミングで行う「クロス取引」とは大きな違いがあるのですね。

クロス取引に潜む4つの問題点

クロス取引を行う上では、いくつかの問題点があります。

確実に成功させるためにも、こうした面も理解しておきましょう。

銘柄によっては株主優待を受けられない

上場している銘柄は、全てが株主優待を実施しているわけではありません。

企業によっては全く株主優待を行っていないところもあるので注意しましょう。

また、銘柄によっては数年以上といった長期保有をしていなければ、株主優待の権利を得られないとしているものも。

そうした場合、権利日前の数日のみ株式を保有するクロス取引では優待取得の条件を満たせないこととなってしまいます。

このように、クロス取引を行っても株主優待を受けられないケースもあるので、銘柄の株主優待要件は取引前にしっかりチェックしておくようにしましょう。

逆日歩や手数料のコストがかかる

クロス取引で忘れてはならないのが、逆日歩や売買手数料といったコスト面。

特に注意すべきは空売りでかかる「逆日歩」。

これは信用売りのために株式を借りる際、証券会社が株式を調達するコストとして請求されるもの。

普段であれば大した額ではないのですが、権利確定日前後のように株の売り注文が殺到する状況では株式の調達が難しくなるため、その分で逆日歩もかなりの高額となるケースがあります。

事実、これまで優待銘柄の信用売りにおいて一日数千円単位の逆日歩が発生したこともしばしば。

そうなると、クロス取引で得た株主優待の価値よりもコストのほうが高くなってしまいます。

また売買手数料も忘れてはならないポイント。

相場としては数十万円単位の売買では50円~300円、数百万円を超える売買でも500円~1000円程度。

逆日歩に比べれば大した額にはならないものの、余計な額を払って損をしないよう区切り額などは頭にいれておきたいところです。

連休前のクロス取引は成立しない可能性

先ほどの説明と関連する形で、ゴールデンウィークやお盆休みなどの連休前もクロス取引はやりずらくなります。

理由は連休中には株取引ができないため、思わぬ悪材料が発生したとしても連休明けまで対応できないというリスクが生じます。

なのでリスク回避のため、連休前に株を一旦手放したいと思う投資家が多く、売り注文が多く出される傾向にあるのですね。

売り注文の方が多い状況では、クロス取引の買いは約定しても信用売りは約定しない、または不利な条件で約定してしまう場合もしばしば。

こうした状況も起こりうるため、クロス取引をする前には権利確定日だけでなく株式市場の休場スケジュールなどにも気を配っておくようにしましょう。

一部証券会社では一般信用売りが抽選になる

信用売りでは投資家が証券会社から株式を借り、もしも株式が足りなければ証券会社が調達するとご説明しました。

そのように信用売りで貸し出せる株式数には限りがあるため、一般的には信用売りを行えるかは早いもの勝ちのルールとなっています。

ですがカブドットコム証券のように一部の証券会社では、人気が殺到した銘柄については一般信用売りが抽選になることも。

そうなってしまうと抽選が当たるかどうか分からず、思い通りにクロス注文ができないことにもなってしまうので、クロス取引のための証券会社を選ぶ際にはこうした要件もチェックしておきましょう。

クロス取引の方法

クロス取引を実践するためには、具体的にどのような手順を踏めば良いのでしょうか?

基本的な部分からわかりやすくご説明いたします。

信用取引の口座を作る

クロス取引をするためには、まず「信用取引口座」の開設が必要となります。

信用取引口座の開設をするには、通常の口座を作った証券会社へ開設後に別途申し込みをするのが一般的。

そこから証券会社による審査を経て、通れば晴れて信用口座開設となります。

ただし審査では資産状況や株式投資の知識なども見られるため、場合によっては審査に落ちてしまうことも。

審査に受かるためにも、審査前に株の勉強など対策出来ることはやっておくのがベストです。

楽天やSBIではクロス取引は電話で注文

クロス取引を自分で行おうと思うと、売り注文と買い注文を同じ数同じ値段で約定させるので大変に感じてしまうはず。

ですが楽天証券やSBI証券などでは、電話で注文すれば証券会社を取引相手としてクロス取引を行ってもらえるため、手間もかからず確実です。

ただしこの場合24時間取引可能なネット取引と異なり、電話の受付時間中に注文を行わなければならないのでその点は注意しましょう。

ザラ場中の取引は注意が必要

「ザラ場」とは、寄付から引けまでの間の取引時間のこと。

自力でクロス取引を行うとなると、ザラ場中に自分で注文を発注することとなるのですが、場合によっては違法行為である仮装売買の疑いをかけられる可能性があるので気を付けなくてはなりません。

仮装売買の判断基準としては、公正な株価形成に影響を与える取引かどうか。

なので簡単に言えば、自力でのクロス取引は取引タイミングに細心の注意を払わなくてはならなくなるということ。

このように難易度が高い上にリスクもあるとなると、クロス取引は自力で行わず先ほど述べたように証券会社へ電話注文を出すのが無難と言えるでしょう。

クロス取引でおすすめの株主優待3選

クロス取引を行うのに適した、おすすめ銘柄もご紹介します。

ここでは10万円以下の低資金で買え、大きな優待利回りを得られるものだけを厳選。

是非ともトレードの候補に入れてみてください。

マルシェ

関西圏を中心に、”酔虎伝”や”八剣伝”など個性豊かな飲食店を経営する企業が「7524 マルシェ」。

株主優待は店舗で使えるお食事券となっており、以下のように所有株数に応じて受け取れる額も大きくなります。

  • 100株以上:3,000円分(1,000円券×3枚)
  • 500株以上:15,000円分(1,000円券×15枚)
  • 1,000株以上:25,000円分(1,000円券×25枚) + 優待品1品

100株から優待を受けられる手軽さが魅力で、株価も安いので優待狙いのクロス取引を練習するにもぴったりではないでしょうか。

株価(2020年4月20日時点) 556円
時価総額 46.9億円
優待利回り 5.39%
権利確定月 9月

ヤマウラ

長野県に本社を置き、設計建築やマンション開発を手掛ける「1780 ヤマウラ」。

株主優待では、長野県の特産物を保有株数に応じて受け取れるようになっています。

  • 100株以上:3,000円相当の地場商品群の中から1商品選択
  • 300株以上:3,000円相当の地場商品群の中から2商品選択
  • 1,000株以上:3,000円相当の地場商品群の中から3商品選択

建築事業の銘柄ということで景気悪化に強いディフェンシブセクターとなるため、株主優待が廃止されるリスクも少ないのもポイントです。

株価(2020年4月20日時点) 711円
時価総額 149億円
優待利回り 4.21%
権利確定月 3月

アサックス

「8772 アサックス」は不動産担保ローンに特化した金融業を行っている企業。

こちらの株主優待は、あらゆる場面で利用できるQUOカードとなっており、100株単位から受け取ることができます。

  • 100株以上:QUOカード2,000円分

一般的な株主優待では商品などが多いので、汎用性のあるQUOカードが貰えるというのは大きな魅力。
株価も安めなのでクロス取引にも最適です。

株価(2020年4月20日時点) 621円
時価総額 202億円
優待利回り 3.22%
権利確定月 3月

クロス取引でよくある質問

クロス取引について、まだ少し疑問があるという方もいらっしゃるかもしれませんね。

そこで最後によくある質問に対する答えもまとめてみましたので、参考にしてください。

クロス取引で節税はできるのか

株式投資をする上でもネックとなってくる税金。

ですが損失については、利益分から相殺して取られる税金を減らせるといったルールも。

それを利用してクロス取引を行うと、なんと節税することまでできるのです。

まずは含み損がある保有銘柄について、現物売りで損失を確定させて確定申告する利益分を相殺。

次に信用買いでその銘柄を購入し、翌営業日に現引きで現物株を入手。
(ここで信用買いをするのは、現物買いをしてしまうと利益分が相殺できないため)

このように現物売りと信用買いのクロス取引といったテクニックもあり、年末までに行うことで損出しをして節税が可能となるのですね。

クロス取引向けの証券会社はどう選べばいいか

クロス取引向けの証券会社選びも、よくある疑問の一つ。

選び方のポイントとしては「取引にかかるコストの安さ」と「一般信用取引の在庫数」の2点に着目してください。

クロス取引で得をするためにも、取引コストを安く抑えるのは必須。

なるべく売買手数料の安いところを利用するのが好ましいでしょう。

また、信用売りの在庫が少なければクロス取引を行うことすら難しくなってしまいます。

この点については有名証券会社の方が強い傾向にあるので、選ぶ際には意識してみてください。

クロス取引は稼げるのか

そもそもクロス取引は稼げるのか、という疑問をお持ちになるかもしれません。

クロス取引は確実にリターンが期待できる上に失敗するリスクが低く、取引手法としては優れたもの。

しかしその利益は株主優待に依存するため、時には利回りは1%を切ってしまうことも。

またいつでも行えるわけではなく、株主優待の権利確定月にしかできないのもネック。

そのためクロス取引一本で大きく稼ぐのは難しく、利益目的なら売買益を狙ったり長期保有による配当利回りを積み重ねるといった運用方法も併用していくことが好ましいと考えられます。

まとめ

今回は売り・買い注文を同時に出す「クロス取引」について解説してまいりました。

株主優待の権利をほぼノーリスクで得られたり、節税につながるクロス取引は、トレード手法として非常に有用。

ただし逆日歩や手数料など、注意しなければならない点もしっかり頭に入れておくことが大切です。

スクリーニングをしていて、銘柄の株主優待だけ欲しいと思ったことも多々あるはず。

そのような時には、是非ともクロス取引を活用してみてくださいね。

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