株のスクリーニングとは?|銘柄を見つけるために必要な3つの条件

株におけるスクリーニングとは、宝探しのようなもので自分の投資する銘柄を決めるための選別作業です。あなたはスクリーニングがどういったもので、どんな風にスクリーニングすればいいかコツをつかんでいますか?スクリーニングのやり方を間違えると、良い銘柄を選べずに大きな損をしてしまうこともあります。

この記事では、スクリーニングとは何か、スクリーニング方法、スクリーニングに便利なツールについてくわしく紹介します。

投資のプロが必ずやっているスクリーニングをマスターすれば、投資の結果が大きく変わってくるはずです。スクリーニングのコツを学び取って、投資ライフを成功させましょう。

この記事を書いた人 ファイナンシャルプランナー 児玉一希
プロフィール・所持資格 日本ファイナンシャル・プランナーズ協会が定めている、ファイナンシャルプランナー技能士の資格を有し、当サイトの監修活動を始め、相場情報のまとめやコラムを寄稿する活動なども行なっている。
 
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目次

株のスクリーニングとは

株のスクリーニングとは何でしょうか?それは、自分の好きな条件で投資したい銘柄を選ぶことです。株で大きな成果を出すためには、これから株が上昇していく企業を選択することが必要です。

なぜなら、株式市場で取引されている銘柄は3,500以上にもなるからです。「え?それ全部チェックして比べないといけないの?」って思いますよね。毎日毎日すべての銘柄をくらべてみることは不可能です。

そこで便利なのが「スクリーニング」です。スクリーニングをうまくすれば、効率的に底値から株価が何十倍も伸びるであろう金の卵ともいれる株を発掘することができます。企業が業績予想をしたり投資サイトを運営していますが、一つ一つ銘柄を確認していくのは大きな手間がかかり非効率的です。ぜひスクリーニングを使いこなしてください。

スクリーニングの銘柄を選択する方法には2種類あります。テクニカル分析「チャート分析」とファンダメンタルズ分析「企業情報分析」です。チャートと企業情報、この2つを駆使することで、自分が投資できる銘柄を的確に決めていくことができます。

株スクリーニングに必要な3つの条件とは

株スクリーニングに必要な条件は3つあります。小型で上昇気味の業績の良い株式を探すために、以下の3つの条件でスクリーニングを試すことをおすすめします。

小型株

スクリーニングをするときに重要なのが、時価総額です。時価総額とは、すでに発行されている株数と現在の株価を掛け合わせて算出される数字のことです。いわゆるその銘柄全体の価値を表しているんですね。

この時の価総額が大きければ大きいほど安定した値動きでゆっくり落ち着いたものになります。なので、10倍株など大きく上がる株を見つけるためには、時価総額が数十億円ほどの小型株を選ぶのがポイントです。

割安

割安株とは、現在の会社の利益や資産に対しての評価が株価に反映されていない状態のものです。現在の株価が割安なのかを決めるための基準に、PER(利益などのフローから計測したもの)やPBR(資産などのストックから計測したもの)があります。

これはスクリーニングする際に大切なポイントです。現在の利益にくらべて株価が割安に保たれている銘柄であれば業績が上がると株価の伸びが大きくなるからです。

気を付けておかないといけないのは、成長しはじめた株式は一時だけ割安指標が高くなることがあります。企業の業績が伸び続くと、ある時は高くなったPERもまた低くなって、割安度がもう一度増えることになります。

高収益

高収益とは、株主からの出資金を使って、どれくらい効率的に利益を上げられるかを表すものです。ROEと呼ばれる指標が最近では特に注目されています。ROEの数字が高ければ高いほど収益性も高くなります。

株スクリーニングにテクニックはいるの?

スクリーニングを使うときに覚えておきたいテクニックがあります。それは、出来高急増です。出来高急増とは簡単に言うと、その銘柄の人気レベルがわかるメーターのようなものです。出来高急増では、株価が大きく上昇や下落をする時に、出来高が大きくなることをいいます。

株価が出来高急増すると、株価が大きく上昇するまえに、その予兆を見せてくれます。それはなにかの理由で銘柄に人気が集中しているのです。それで出来高が急激に増えて出来高急増になるわけです。

スイングトレード・株スクリーニングにおすすめの条件

時価総額300億円以上

スイングトレードの株スクリーニングで絞りこむのにおすすめなのが、時価総額300億円以上の銘柄を選ぶことです。やはり、時価総額が小さいものは、株式の売買量も少なく株価が変動しやすいため急騰したり急落したりする可能性が高くなります。

時価総額が300億円を超える銘柄であれば、ある程度安定した動きをしてくれるので、そういったものを探すと良いです。

信用倍率2.5倍以下

スイングトレードの株スクリーニングで絞りこむ時に、信用倍率2.5倍以下で探すのもおすすめです。信用倍率が高い銘柄を外した方が、「上値が軽い傾向にある銘柄」を選びやすいです。

移動平均乖離率(25日)0~1%

スイングトレードの株スクリーニングでさらにdおすすめなのが、移動平均乖離率(25日)0~1%の銘柄に絞り込む方法です。この条件で絞り込むと、上昇トレンド中の「押し目買い」に該当する銘柄を探し出しやすくなります。

RSI(45-60)

スイングトレードの株スクリーニングをする時、オシレーターRSIの数値を「45-60」で絞り込むのも効果的です。RSIと移動平均乖離率の2つ利用することで、より移動平均線に近い銘柄を選択して「押し目」「戻り売り」の銘柄を見つけやすくなります。

出来高(売買代金)

スイングトレードの株スクリーニングをするのに最後のポイントとなるのが「出来高(売買代金)」です。出来高を見ることで、金額の大きさに関係なく売買のやり取りが何回あったか知ることができます。この流動性が小さいと値が飛んでしまったり急騰や急落をしてしまうことがあるので、そのような銘柄を避けることができます。

株スクリーニング後に確認すべき2つの項目

スクリーニングをすることで、かなりの程度まで自分のさがしている条件にあてはまった銘柄を絞りだすことができます。ですが油断は禁物です。スクリーニングで銘柄を絞った後にも、以下の2つの項目をチェックする必要があります。

①チャートを確認すること

チャートを確認すると、株価が今どのような流れにあるのか現在の状況を知ることができます。株価の流れには大きく分けて、上昇、横ばい、下落の3種類があります。

特に下落の流れにあるチャートの銘柄には注意してください。下落しつつある銘柄はいわば「今だけ流行している銘柄」です。そのような落ち気味の銘柄には無難に手をかけない方がよいです。

②本業が順調かどうかをチェックすること

本業が順調かどうかをチェックすることも大切です。スクリーニングでわかるのは、その銘柄の今の人気度だからです。1時間後、1日後、1週間後の人気度はスクリーニングではわかりません。スクリーニングで今は業績の良い割安株を絞り出せたとしても、それが一時的なものであると損失になります。

例えば、資産売却による一時的な利益確保だったり、一時的な話題でできた利益の後押しだったりすると、その時に株価は上がるかもしれませんが、あくまで一時的なものです。永続的ではありません。

それで、スクリーニングをして銘柄を決めて株を買ったあとにも、本業が上手く行っているかどうか定期的にチェックしてください。例えば、業績の修正予想が出たなら、なぜ修正予想が行われたのか、その理由を確認したり、業績が発表されたときにはどこに利益の中心があるのかを調べることができます。

株スクリーニング後も地道な作業を続けよう!

スクリーニングをした後にも、地道な作業を継続できるかどうかが株で成功する分かれ道です。ちなみに、企業ニュースを調べるときにはヤフーファイナンスの個別銘柄のニュース検索が使いやすくておすすめです。

「ニュース」の欄をクリックすると様々な銘柄に関するニュースをチェックすることができます。企業サイトによっては、いくつかの業種が月次の進捗状況を毎月IRに発表しているところもあります。

SBI/楽天/yahooの株スクリーニングツールの特徴や効果的な使い方

各証券会社が提供している株スクリーニング(銘柄条件検索)のサポート内容の特徴や利用方法をいくつか紹介します。

SBI証券のスクリーニングツール

SBI証券のスクリーニングツールには、「大型優良型」「成長型」「割安優良型」「逆張り型」「値上がり追求型」の5つの条件から銘柄の条件を設定して選べる機能があります。

マザーズ、ジャスダック、東証1部、東証2部、明証、福証、札証の7カ所から市場設定を選んだり、複数選んで検索することもできます。また、ゴールデンクロスや一目均衡表などの指標でサインが発生している銘柄を検索することもできます。

SBI証券のスクリーニングツールは、シンプルな画面で初心者にも操作しやすいのが特徴です。

楽天証券のスクリーニングツール

楽天証券のホームページにある銘柄スクリーニングツール「スーパークリーナー」では好配当利回り株などの条件に合った銘柄を抽出することができます。3種類の「大型株」「中型株」「小型株」といった投資価格から検索できます。

スーパークリーナーはスマホアプリ「iSPEED」でも利用できるようになったので、パソコンのない人や外出先でもチェックできるといった利便性があります。

yahooのスクリーニングツール

yahooのスクリーニングツール「Yahoo!ファイナンス 」はパソコンでもスマホでも利用できます。スクリーニングするにあたって、企業情報や過去の業績、掲示板などを使って、ライバル投資家の動きをチェックすることもできます。

おすすめの無料株スクリーニングサイト・ソフト・ツールはこちら!

おすすめの無料で使える株スクリーニングサイト・ソフト・ツールを紹介します。

トレーダーズ・ウェブ : 銘柄スクリーニングツール

トレーダーズ・ウェブ

銘柄スクリーニングツールは37つの項目から絞込みできます。表示項目も選択できて、ファンダメンタルズ指標もテクニカル指標も、細かく設定できます。

Alpha スクリーニングツール

鳳ソフトのAlphaスクリーニングです。パラメータを20以上設定できるので、銘柄スクリーニングをくわしく検索できます。「PERが上位何%以内」という風に細かい設定ができるものはとても珍しいです。

ドリームバイザー : テクニカル検索ツール

ドリームバイザーのテクニカル検索(旧銘柄サーチ)ツールです。約20ある項目から絞込みできます。信用倍率、RCI、RSI、ボリンジャーバンド、ストキャスティクス、など必須項目から検索できます。

株マップ.com : 簡易スクリーニングツール

PER、PBR、ROE、配当利回り、株価25日移動平均からの乖離、自己資本率、一日平均売買代金、時価総額、などから銘柄の絞込みができます。

みんなの株式 : スクリーニングツール

個人投資家に人気のある、株のSNSサイト「みんなの株式」が提供しているスクリーニング機能です。「みんなの株式」では、「株テーマから探す」「企業の業績から探す」「株価の値動きから探す」「チャートの形から探す」という、4つのスクリーニングテーマから銘柄を探し出すことができます。

「みんなの株式」は、スマートフォンアプリでも提供されていますが、現在のところ、スクリーニング機能についてはアプリ版での提供は無いようです。

ストックウェザー : 銘柄スクリーニング

PER、PBR、ROE、前日比株価騰落率、配当利回り、などを使った銘柄の絞込みができます。

おすすめの無料・株スクリーニングアプリランキングはこちら!

銘柄スクリーニングアプリの主な機能には、銘柄スクリーニングには主に特定条件でその条件にあった銘柄を検索する「銘柄検索(スクリーニング)」機能と証券会社で設定している項目ごとにランキングを表示する「銘柄ランキング」機能の2つがあります。

ここからは、無料で使える株スクリーニングアプリをおすすめランキングで紹介します。

No.1:カブドットコム証券

カブドットコム証券は200以上の検索条件できるのが大きな特徴です。そのため投資金額、財務、コンセンサス、テクニカルなど細かな設定ができます。検索結果をグラフで表示してくれるのですが、カラフルで見やすく分かりやすいです。

No.2:楽天証券

楽天証券が提供しているスマホアプリは「マーケットスピード(Market Speed)」です。テクニカル指標や銘柄ランキング機能, 最大4つの銘柄を同時に比較してチャート表示する機能など使い勝手の良さが優秀のアプリです。

No.3:SBI証券

シンプルさがイチオシなのが、SBI証券のスマホスクリーニングアプリです。
SBI証券のスクリーニング機能には「カンタン条件検索」と「詳細検索」の2つの機能があります。検索条件数も多く、各条件をクォンツスコアでより詳細にスクリーニングできるのも強みになります。

株スクリーニングのやり方

さっそくこれまでに学んだスクリーニングの知識を活かして実際にスクリーニングをやってみましょう。

売上・経常利益が伸びている会社の株スクリーニング方法

年々売り上げが伸びぎみになっている企業は、株価も上がりやすい傾向にあります。スクリーニングするときに、そのような会社を探しだすことができれば、投資での成功につながります。

企業業績重視の株スクリーニング方法「株探」

企業業績重視の株スクリーニングをするには「株探」というスクリーニングツールがおすすめです。「株探」の「ファンダメンタルズで探す」とかなり便利で銘柄が一覧で表示されるためとても探しやすいです。

特に「業績上方修正が有望銘柄」は株価がピッタリと反応するのでやってみてください。

株あたりの利益(EPS)の変化率に注目した株スクリーニング方法

1株あたりの利益(EPS)の変化率に注目した株スクリーニング方法もおすすめです。1株あたりの利益が大きくなれば、その銘柄は割安と判断されることになります。そうなれば、株価が上向きになる可能性が高くなります。

テクニカル分析を用いた株スクリーニング方法「順張り銘柄」

順張りとは、株価の上昇トレンドに沿って「買い」を入れることです。
今より株価が上昇する可能性が高いと思うなら「順張り銘柄」でスクリーニングします。

株探の「トレンド追随型」を使った株スクリーニング方法

テクニカル上の「順張り銘柄」を探したいときには、「株探」の中に「トレンド追随型」を使います。スクリーニングの種類が多くてどれがいいか悩むと思いますが、「一目均衡表3役好転」か「新値3本足陽転」をおすすめします。「空売り」したいときは、 「新値3本足陰転」や「一目均衡表3役陰転」でスクリーニングしてみると良いです。

株探のオシレーター系指標「RSI」を用いたスクリーニング方法

株探のオシレーター系指標「RSI」を用いたスクリーニングでは、「買い」でいくなら「RSI(14日線)20%以下」、そして「空売り」でいくには「RSI(14日線)80%以上」に当てはまる銘柄が「逆張り銘柄」の候補になります。
「空売り」したいときは、「RSI(14日線)80%以上」をクリックします。

トレーダーズWEBの「テクニカル指標」を用いた株スクリーニング方法

トレーダーズWEBの「テクニカル指標」を使った株スクリーニングでは、25日移動平均線やトレンド(25日)の項目を使用します。買いを考える場合は25日移動平均線を「上」にします。そしてトレンド(25日)を「上昇」で選択してください。

「空売り」したいときは、25日移動平均線を「下」にしてトレンド(25日)を「下降」で選択します。

トレーダーズWEBの「乖離率」を用いた株スクリーニング方法

トレーダーズWEBの「乖離率」を用いた株スクリーニング方法とは、25日移動平均からの「乖離率(25日)」を使ってスクリーニングする方法です。基本的に短いスパンでの相場の動きは「回帰性」があるといわれています。

そのため株価が25日移動平均からかけ離れていると、移動平均線に回帰すると予測されます。これは「逆張り」の投資戦略に利用されます。相場環境によってベストな「乖離率」は変わってくるので状況に応じていろいろ試してみてください。

ローソク足のパターンを用いた株スクリーニング方法

テクニカル分析では、ローソク足のパターンから相場がどうなるかを読み解く「パターン分析」が良く行われます。「はらみ足」「赤三兵」「明けの明星」「毛抜き天井」など、印象に残るおもしろい名前がついています。「みんなの株式」のスクリーニング機能が便利だと言われています。

株のスクリーニングアプリやソフトを使う際に注意すべきポイント

株のスクリーニングアプリやソフトは優秀ですが、スクリーニングされた銘柄はあくまで絞り込みの第一段階です。スクリーニングの結果が良いというだけで投資をするのは危険です。「企業業績」や「テクニカル分析」などいろいろな条件を考えながら、さらに一つ一つの銘柄を吟味してください。

いろいろなスクリーニングを試して最後に数個の銘柄まで絞り込めたなら、ようやく投資ができる状況が整ったと言えます。スクリーニングは投資の第一歩です。

まとめ

いかがだったでしょうか。投資するのにスクリーニングは必要不可欠なものです。

スクリーニングのツールを上手く使えば、利益の大きい最適な銘柄を探しだすことができます。この記事で紹介したスクリーニングのノウハウをぜひ活用してみてくださいね。

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