株式投資の経験がある人であれば、「仕手株」という単語を1度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。中には、「仕手株には手を出すな」という相場格言が唱えられている程ですが、あなたはこの「仕手株」というものが、どのようなものか知っていますか?
いくら「仕手株には手を出すな」と言われても、仕手株がどんな株なのか、どうして仕手株は手を出してはいけないのか、といったことが理解できていないと、知らぬ間に仕手株を購入してしまい、大きな損失を出してしまう可能性もあります。株式投資を行う上で、仕手株とはどのようなものなのかを把握しておくことは非常に重要です。
そこで今回は、仕手株とはなにか、仕手株の特徴は何なのかといった内容をメインに、仕手株について詳しくご紹介していきます。
また、仕手株には知られざる「旨み」もありますので、上手く付き合うことで短期間で大きな利益を手にすることも可能です。この記事で「仕手株」についてはっきり理解しておきましょう。
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この記事を書いた人
ファイナンシャルプランナー
児玉一希
プロフィール・所持資格
日本ファイナンシャル・プランナーズ協会が定めている、ファイナンシャルプランナー技能士の資格を有し、当サイトの監修活動を始め、相場情報のまとめやコラムを寄稿する活動なども行なっている。
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仕手株とは
「仕手株=読み方:してかぶ 英語:Market manipulation」とは、特定の投資家たちが意図的にまとまった投資資金を流入させることで、急激な株価吊り上げや吊り下げが行われた銘柄(その傾向が強い銘柄)のことです。また、これら非合法な手段をつかい、株価操縦を行う投資家たちのことを「仕手筋」と呼びます。
仕手筋の目的は、株式市場で大量の投機的な売買を行って取引が活発化させ、それに目をつけた一般の投資家を誘い込んで株価の急騰・急落を人為的に起こすことにあります。株価の急騰・急落を人為的に起こすことで仕手筋に有利な売買が成立し、その相場で売り抜けを狙うことで短期間での利益獲得を目的としています。
ただし仕手は、風説の流布や株価操縦行為、仮装売買、見せ板などは非合法な取引手法(金融商品取引法違反)であり、市場の公正性と投資家一般の利益を損なうものとして証券取引等監視委員会の取り締まり対象です。
仕手株の特徴
そんな仕手株の特徴ですが、株価が急騰している銘柄が、何かしらの好材料によって急騰しているのか、仕手筋の介入による意図的な株価吊り上げなのか、正確に判断することは困難です。
ただし、仕手筋が仕手株の対象としてターゲットにする銘柄には特徴があるので、その特徴に当てはまるかを確認することで、仕手株かどうかの判断材料にすることができます。
仕手株に見られる主な特徴としては、
新興企業などの価値判断が難しい株
上場したばかりの企業や新興企業の場合、安価な株価で対象の株券を買い集めることができる他、判断材料が少ないことで株価急騰に対する理由を後づけできる余地があるといったメリットをもっているため、仕手株の対象になりやすくなっています。
値動きが軽い/株価の安い、低位株・ボロ株
これも、上記の理由と同じですが、仕手筋は仕手を始める前に気づかれないように対象の株券を買い集めることが必要になってくるので、比較的株価が安価な低位株やボロ株というのは、仕手株の対象として選ばれやすくなります。
発行済み株式数が少ない株
発行済み株式数が少ない株のほとんどを手に入れることで、仕手筋の思い通りに相場を操作することが可能なため、発行済株式数が少ない銘柄は必然的に仕手株として狙われやすくなります。
普段から出来高が多くない株
一説的に、出来高が多くない株のほうが、仕手筋が動いた際に株式市場で注目されやすいという特徴を持っているため、一般投資家を集めやすく、仕手株の対象になりやすくなっています。
仕手株に手を出すのは危険?
一般投資家の立場では、これから投資しようと思っている銘柄が、違法行為によって株高を演出しているかどうかは判断できません。したがって、投資をする人にとっては、仕手株に手を出すことは違法行為ではありませんので安心してください。
ただし、仕手株は理由が分からないまま、短期間で株価が急騰・急落することが多いため、扱い方を知らない人が投資をすれば損をする確率が高くなるとも言われています。
その時点では取引量も活発で急騰している銘柄であっても、仕手筋が撤退してしまうと株価も急騰前の水準まで戻ってしまいますので、仕手株を売買する際には十分に注意が必要です。
仕手株の利益確定のタイミング
仕手株の売買において重要なのが、利益確定のタイミングです。仕手戦は売買する銘柄によっては、数週間続くこともあれば2~3日で終わることもあります。一般的には、仕手の仕込みに時間をかける程、仕手戦も長期間続くと言われています。
もちろん、仕込みの段階で仕手の動きに気づいて行動していれば、仕手が参入した際には必然的に売買チャンスは訪れますが、確実に利益を得たいと思うなら、一定のルールに沿って利益確定することが重要です。
利益確定のタイミングとして有効なルールとしては、
①初動の始値から30%上げたら全部または半分程度利益確定する
②初動からの出来高が浮動株数を超えた時点で全部または過半数を利益確定する
③出来高が1日~2日で発行株式数を超えたら全部売る
④初動日ストップ高に張り付いて終わる様なら全部または一部を利益確定する
⑤初動2日目がギャップアップスタートなら残りを利益確定する
※ギャップアップ=前日の終値より高く始まること
⑥初動2日目もいきなりストップ高に張り付いた場合は取り合えず成り行きで売りを入れ様子を見る
最終的にストップ高のまま引ける様なら半分利益確定し残りを持ち越す
⑦ストップ高3連荘は取り敢えず売り
⑧インターネット上で騒がれ始めたら売り(投資顧問などが盛んに買いを推奨する時は最後の仕上げ段階)
などが参考に挙げられます。
仕手株の売買をする際には、このような一定の売買ルールに沿って利益確定をすることが重要だと言われています。
仕手筋の手口と仕手株の値動きを見てみよう!
仕手株の売買をする際にもう1つ重要なことが、仕手筋の手口を知っておくことです。仕手筋の手口を把握しておくことで、仕手が狙っているであろう銘柄をある程度絞ることが可能です。
具体的な手口を見る前に、まずは仕手が動く流れを簡単に解説します。
- 仕手筋が銘柄を選択する
- 水面下でこっそり仕込みを入れる
- ある程度集まったら少しずつ株価を上げる
- 一般投資家が注目した頃、株価を吊り上げる
- 一旦、株価を下げて市場の熱を冷ます
- 再度、株価を吊り上げて注目を浴びる
- 一般投資家の参入と共に売り抜ける
では、細かく解説していきます。
仕手筋が銘柄を選択する
これに関しては、もうある程度予想できると思いますが、まずは仕手筋が参入する銘柄の選定が必要です。莫大な資金を持つ仕手筋であっても、一度失敗すればかなりの額の損失を被ることになりますので、銘柄選定は特に慎重に行います。
紹介した仕手株の特徴の他にも、
・ブームで投資家の注目を集めやすいジャンルの銘柄
・過去に仕手株に選ばれたことがある銘柄
なども、仕手筋のターゲットになりやすい銘柄です。
水面下でこっそり仕込みを入れる
仕手筋側の立場で一番やってはいけないことは、仕込みの段階で株を仕込んでいる情報が流出してしまうことです。もし、仕手筋が株券をかき集めていることがバレてしまえば、全て台無しになってしまいますので、時には、仕込みの段階に数ヶ月以上の期間をかけるほど、慎重に行われます。
そして、仕手筋側が株価の低い段階で株券を買い集めたい時に使われるのが、玉集めと呼ばれる手口です。玉集めとは、誰にも気づかれないように株価の低い段階で、ある程度の期間ゆっくりと株価を上げすぎず、大きく出来高を増やさないよう、静かに対象銘柄を買上げていく手法です。
玉集めを使って水面下で仕込みを入れることで、買い上げが終わった後に一気に株価の吊り上げにかかり、ターゲットの銘柄が市場の注目を集めるように仕向けることができます。
ある程度集まったら少しずつ株価を上げる
玉集めを使って、目標数の株券をかき集めることに成功したら、次は少しずつ株価を上げていきます。
こうすることによって、あくまでも自然に一般投資家の目に止まりやすくなるので、後に株価を吊り上げた際に大きな効果を生み出すことができます。
ただし、ここで重要なのは、あくまでも少しずつ、違和感なく、自然に、株価を上げることです。
一般投資家が注目した頃、株価を吊り上げる
これまでの仕込みと準備によって、十分な株券の確保ができたため、株価を操作しやすくなりました。仕込みの段階では気付かれないように水面下で行動していましたが、ここからは派手に売買を繰り返して一気に株価を吊り上げます。その際に使うのが玉転がしと呼ばれる手口です。
玉転がしとは、一気に売り注文を入れることで、証券会社が公開している値上りランキングにターゲット銘柄が顔を出し、出来高を急増させる一連の株価操作を意味します。その後、仕手筋は、これまでの玉集めに比べると何倍規模の買い注文を市場に出し、ターゲット銘柄を一気に買上げます。
つまり簡単に言うなら、自分で売り出した株券を自分の資金で購入することで、株価を引き上げるというものです。こうすることで効果的に注目を集め、ターゲットの銘柄に注目した一般投資家をマネーゲームに引き込む目的があります。
一旦、株価を下げて市場の熱を冷ます
玉転がしを繰り返すことでターゲット銘柄の出来高は上昇し、多くの注目を集めます。一方で、注目を集めすぎてしまうことで、これまでまったく注目されてこなかったターゲット銘柄が、株価の上昇率ランキングや日ごろ情報収集を行っている株情報サイトに顔を出し、ネット掲示板でも大きな話題となって、一般投資家による「提灯買い」が起こります。
そこで、仕手筋はふるい落としという手口を使って、投資家の売り注文を揺さぶります。ふるい落としとは、意図的に売り注文を増やしたり、保有株を大量に買い板にぶつけるなどして、投資家の心理を揺さぶり株価を一時的に下落させる手口です。
上がった株価がふるい落としによって一気に下落し始めることで、投資家はターゲット銘柄を手放し始めますが、仕手筋はそのタイミングで再び玉転がしを始め、株価の吊り上げを狙います。
再度、株価を吊り上げて注目を浴びる
玉転がしやふるい落としを繰り返して市場の注目を大いに集めたら、これで最終段階です。引き続き、玉転がしとふるい落としを続けながら、情報操作やSNSなどの心理戦を使って投資家の買いを大きく誘い、注目度を限界まで引き上げます。
この頃になると、インターネットの掲示板や投資顧問業を持つ企業などが騒ぎ始めるなど、株価の勢いが大きく上下します。そういった形で、一般投資家が高値で買い上げる状況を作り上げ、仕手筋は何事もなかったように売り抜けを続けて、利益を確定させます。
すると、大量の株券を保有している仕手筋が売り抜けることで、市場には売り注文が溢れ始めます。それを感じ取った一般投資家が相乗りして売り注文を入れていくことで、最終的には株価も適正価格まで戻る、というのが一連の流れになります。
仕手筋側からすれば最高値で売り逃げることができますが、一方でそれを知らずに購入した一般投資家は、この先、株価がどうなるかも分からないボロ株を掴まされることになります。
仕手株の見分け方
仕手筋は誰もが知っている大企業をターゲットにすることはありません。というのも、そのレベルの大企業になると、仕手を仕掛けるのに莫大な資金が必要になるためです。いくら仕手筋といえど、株価が高い上に発行済株式数が多い企業の株価を操作できるほどの資金を用意することは困難です。
また、上記で説明したとおり、仕手戦では最初に株券の買い占めが行われます。有名企業の場合は事業内容や決算情報などがある程度オープンに開示されているので、水面下での買い占めが難しいということも理由に挙げられるのです。
つまり、仕手株として狙われやすいのは、株価が上がっても主だってその原因がわからないような銘柄だといわれています。
具体的な例を挙げるなら、
- 少しずつ株価が上がっているが特に理由がない
- 少しずつ出来高が増えているが特に理由がない
- 株価が上がる理由が見当たらないのに急に値上がり率の上位にランクインした
といったような不審な動きがあれば、仕手筋が株を買い始めている可能性があると言われています。
仕手筋が狙う仕手株銘柄の特徴
仕手筋が狙う仕手株候補の銘柄には、主にこのような特徴があります。
値動きしやすい株価の安い銘柄
仕手筋からすると、参入前に株価が低い銘柄ほど、仕手が成功することによる利益が大きくなるため、株価が安価な銘柄が狙われやすくなります。
ここで言う「株価が安い」とは、1株100円未満の低位株を指しますが、1株300未満、500円未満といった数字も基準になることがあるので、注意が必要です。
普段から出来高が少ない銘柄
前章でも説明した通り、仕手筋は玉転がしなどの手口を使い、自分で出した売り注文に買いを入れることで株価を吊り上げようとします。
その際、普段から出来高が多い銘柄だと、板の上位にある価格で買いを入れなければいけなくなります。(つまり、株価を上げるのに資金が大量に必要になる)
一方で、普段から出来高が少ない銘柄であれば、出来高が少ない=普段からその株を売買している人が少ないため、取引の板が薄くなります。板が薄ければ、株価の値幅も低いので、より少額で株価を吊り上げることが可能になります。
発行株式数が少ない銘柄
これについても出来高と同じ理由ですが、発行株式数が少ない銘柄であれば、少額の資金で株価操作が非常に行えます。また、発行株式数が少ないことに加えて、資本金や時価総額が小さい企業は、仕手のターゲットにされやすい傾向にあります。
出来高や発行株数が多いか少ないか、の判断が難しい場合は業績が悪く赤字続きかどうかも確認しましょう。仕手筋は設けを上げるために安い株を大量に買い占めなくてはなりません。そのため、誰も欲しがらないボロ株の方が都合がよい、ということです。
貸借倍率(信用倍率)が低い銘柄
貸借倍率(信用倍率)とは、信用買いと信用売りのバランスを倍率で表した数値のこと。計算式は、(信用買い)÷(信用売り)で計算されるため、1.00なら信用買いと信用売りがほぼ同数ということになります。
この貸借倍率が悪化すると、信用売りしている人に対して、逆日歩(ぎゃくひぶ)というペナルティが課せられて、株の買い戻しを促されます。
つまり、信用売りが多い銘柄の株価を急騰させることができれば、高値で株を売り抜けることができるため、元から1.00を下回るような低い貸借倍率の銘柄は仕手筋に狙われやすくなっています。
ただし、このような動きがあった際は仕手筋だと断定する前に、出来高がなぜ増えているのかや、企業の業績なども確認する必要があります。
代表的な過去の仕手株
では、実際に過去にはどのような仕手株があったのでしょうか。
過去の代表的な仕手株を挙げると、
佐藤渡辺(1807)、旭ホームズ(1913)、鬼怒川ゴム(5156)、ニチモウ(8091)、
キムラタン(8107) 、川辺(8123)、ファースト宅建(8917)、ヤマタネ(9305)、
ワットマン(9927)、すみや(9939)、杉村倉庫(9307)、ニチダイ(6467)…
などがありますが、例えば、2015年頃に仕手株として騒がれたキムラタン(8107)は仕手筋の撤退後から業績が伸び悩み、現在も株価が右肩下がりの状態が続いています。
また、この他の銘柄に関しても同様に仕手筋に仕掛けられた銘柄の行く末は、株券が投げ売られることで市場から買い手が消える株価急落です。上記の仕手株がその一例です。
ただし、仕手筋も100%ではありませんので、まれに売り損ねた株券を抱え込むこともあります。その場合、市場が落ち着いて仕手が忘れられたころに、改めて仕手を仕掛けることで売り抜けを狙う事もあります。
これによって、1度仕手筋のターゲットになった銘柄が再び狙われるといった現象が起きます。逆に、仕手の撤退後に業績が伸びた銘柄に関しては、仕手の条件から外れていきますので、再度狙われることはありません。
このように、仕手株に狙われる銘柄も常に変化しているということに気づくことも重要になります。
仕手株の塩漬けは絶対回避しよう!
株券を買ったはいいけれども、その後に株価が下がり売れずに持ち続けることを「塩漬け」といいます。主に、購入後に株価が下がった銘柄を「また上がって来るだろうから売ろう」という思いがあるため持ち続る行為です。また、塩漬けの状態になると投資効率を著しく欠損してしまうので注意が必要です。
そんな塩漬けですが、仕手株を購入してしまった際の塩漬けだけは何があっても止めましょう。というのも、ここまでで紹介した仕手株の特徴から分かる通り、仕手筋は急激に株価が上がり、仕手筋が撤退した後には一気に株価が下がります。つまり、長く持っていれば持っているほど損失も増えていく計算です。
逆に、悔しい気持ちをこらえて損切りできれば、その分の資金はきちんと戻ってきます。その資金を元に、きちんと利益が見込める銘柄を購入すればいいのです。
そのまま未練がましく持ち続けてしまうと、いつまでたっても売ることのできない塩漬け株として、大事な資金が凍り付いてしまいます。
最重要事項なので何度も繰り返しますが、仕手株の塩漬けだけは絶対に避けましょう。
仕手株の塩漬けを回避するには損切りを徹底しよう!
さまざまな情報を元に注意すれば、知らぬ間に仕手株を買ってしまうことはないはずですが、もし仕手株を買ってしまった場合は、株価が下がり始めた時点で、なるべく早く損切りすることをおすすめします。
買いのタイミングが悪く、株価が高値の時に掴んでしまったときでも、それにいち早く気付き、即座に損切りの判断ができれば、損失は最小限に抑えることができます。
損切りのタイミングとしては、仕手株の売買に自信が無ければ気づいたときにすぐ損切りを行うのが良いとは思いますが、株価がそのまま上がり続けるようであれば、その時点で損切りの値を入力してしまいましょう。
あくまでも一例ですが、
- 買いを入れた株価から10%マイナスになった時
- 今の株価から20%マイナスになった時
など、仮に損失が出ても大打撃を被らないレベルで設定することが重要です。
ただし、自分で決めた損切りラインを守らずにズルズルといってしまうと、一気に塩漬け株になってしまう可能性もあります。損切りラインを過ぎた際には、きちんと損切りを入れて、大事な資産を守りましょう。
仕手株は空売りが可能!
100%ではありませんが、仕手株の中には空売りが可能な銘柄も存在します。空売りとは、信用取引における取引方法の1つであり、証券会社から株券を借りて売り、その後、買い戻すことでその差額が利益になるという投資方法です。
仕手株は主に株価の安い低位株で、空売りが可能で発行株数が少なく、浮動株比率(市場に出回っている株券の比率)が低い銘柄がターゲットになる事が多いとされています。この他にも、仕手筋は上昇後の理由付けを目的に、むしろ「賛否両論あるような銘柄」をターゲットに選ぶこともあります。
このほかにも、逆に空売りができない信用銘柄をしかけて一方的に上げていく手法もありますが、この場合に扱う銘柄では空売りができないため、現物の買いに信用の買いが加わり、上昇に加速がつき一気に上げていくことになります。
そのため、結果的に上がるから買う、買うから上がる、という循環構造ができるのです。ただし、ピークを打つとストップ安を続けるなど急落することもあります。
仕手株の賢い売り方
株式投資において難しいとされるものの1つが、売りのタイミングです。損切り・利益確定を問わず、適正な売りのタイミングを図ることは難しい技術になります。特に仕手株の場合、適正なタイミングで迅速に決断をしなければ、その後の株価暴落に巻き込まれる危険性もあるので、しっかりとした売り抜けタイミングを確保することが必要です。
売り抜けるポイントについてですが、一般投資家が仕手株で利益を出したい場合は、仕手筋が株価操作を終えて売りを仕掛けてくる前に「売り」を決断をしなければいけません。ひとたび仕手筋の売りが始まると、ストップ高からストップ安になる勢いで一気に保有株をすべてぶつけてきます。
さらに、それに乗じた投資家の空売りや損切りしたい投資家たちが市場に溢れかえり、売り板はさらに厚くなり、売りたくても売れない状況になってしまいます。もちろん、その頃には株価も暴落しているので、間に合わなければ塩漬け確定です。
あなたの資金が塩漬けにならないためにも、売りを入れるタイミングは事前に決めておくようにしましょう。また、買いと同時に指値・逆指値を入れることで、売りが集中した際でも利益確定を行うことができます。
仕手株投資でおすすめの証券会社
仕手株投資で利益を出すためのポイントとして、売買のタイミングが重要になってきます。狙い目のタイミングで売買を成立させるためにも、仕手株投資をする場合は約定スピードの速さと、いつでも決済ができる便利なツールがそろっている証券口座が必須になってきます。
もしあなたが仕手株投資できちんと利益を出したいのであれば、まず最初にいつでも売買を行える環境を整えておくようにしましょう。
約定スピードが早い証券会社はいくつも存在しますが、仕手株投資に関しては証券マンのサポートやアドバイスなどは一切あてになりません。というのも、そもそも仕手筋の情報や手口などを公開している証券会社はありませんし、証券マンに相談している間に仕手株の株価が大きく動いてしまう恐れがあります。
そのため、仕手株を扱う証券会社に限って言うならば、人材費を抑える代わりに取引手数料が安く抑えられているネット証券がオススメになります。
そんな仕手株投資に向いているネット証券の証券会社について、今回は特徴を踏まえて紹介していきます。いずれのネット証券も、仕手株投資を有利に進めることができますので、最終的には、自分に一番合ったものを選ぶと良いでしょう。
※紹介するネット証券はいずれも取引手数料が安価なため、手数料の面ではさほど大きな違いはありません。選ぶ際には、取引ツールが最も自分に合うものを選ぶことをおすすめします。
SBI証券
ネット証券の中でも顧客満足度No.1(2018年オリコン顧客満足度調査)を確立しているのが、このSBI証券です。ネット証券には珍しく、手厚いカスタマーサポートが用意されているのも魅力です。
そんなSBI証券ですが、投資に必要な情報収集から売買の注文発注までを一貫して行うことのできる、「HYPER SBI(ハイパーエスビーアイ)」という取引ツールを提供しています。
本来は月額500円+税の有料サービスになりますが、「信用取引口座」もしくは「先物・オプション取引口座」の口座を持っている人なら永久的に無料で使用することが可能です!
HYPER SBIの利点は、最大20銘柄を一度に表示してその値動きをチェックできるところです。更に、あらかじめ対象の銘柄と株価を設定しておくことで、設定した価格に株価が変動した際にに通知してくれる機能もあります。
マーケットニュースもリアルタイムで更新されていくので、相場に動きがあった際には何が起こっているのかすぐに知ることができます。
楽天証券
楽天証券では、「MARKET SPEED(マーケットスピード)」というトレードツールを提供しています。このツールの特徴としては、気になる銘柄の株価や日経平均、外国為替、NYダウなどの様々なマーケットニュースを、いつでもどこでもリアルタイムで確認できるところです。「信用取引口座・先物オプション取引口座・FX口座」などを含んだ対象の口座を使っていれば、申請不要かつ無料で利用することができます。
この他にも、ワンクリックで注文発注が可能なシステムなどを搭載しており、直感的に操作できるほど簡単な仕組みになっているので、株価に動きがあった際にはすぐ注文を入れることが可能になっています。
また、楽天証券では取引するたびに楽天スーパーポイントが貯まる仕組みになっていますので、主婦の方や楽天市場を頻繁に使う方には嬉しいネット証券です。
マネックス証券
マネックス証券では、「マネックストレーダー」という取引ツールを提供しています。このマネックストレーダーは、見たい銘柄のチャートや板、ニュースなどをまとめて1画面に表示させることができるので、単一の仕手株を追う際に便利です。
もちろん、注文もワンクリックで入れられるため、銘柄に動きがあった際にはすぐに利益確定を行うことができます。この他にもマネックス証券には、「マーケットボード」という株価情報ツールも用意されているので、登録した銘柄の株価をチェックするのに適しています。登録の方法も非常に簡単で、ひと目で板、チャート、会社情報などの情報を得ることができます。
最近では資産管理ツールというものも導入されており、預金口座と連動させることで、保有している金融資産の価格を把握することも可能です。株式や債券などの細かい金融資産ごとに表示してくれるので、資産が何%増えたかをリアルタイムで表示してくれます。
仕手株注目・代表銘柄リストはこちら
ここでは、過去に仕手株として注目された、仕手株だったのではと言われている銘柄をまとめています。
あくまでも可能性が高い銘柄ですが、仕手株独特の値動きをしている銘柄も複数ありますので、ぜひチェックしてみてくださいね。
代表的な仕手株銘柄
RISE | 8836 |
エア・ウォーター | 4088 |
エーアンドエーマテリアル | 5391 |
エクストリーム | 6033 |
ジェイ・エスコム ホールディングス | 3779 |
エムティジェネックス | 9820 |
オカダアイヨン | 6294 |
オメガ・プロジェクト | 6819 |
キムラタン | 8107 |
シー・ヴイ・エス・ベイエリア | 2687 |
ヤマダ・エスバイエル | 1919 |
テラボウ | 3128 |
トーヨーカネツ | 6369 |
ドッドウエル ビー・エム・エスㅤ | 7626 |
ナイガイ | 8013 |
ナラサキ産業 | 8085 |
ニチダイ | 6467 |
プレス工業 | 7246 |
ユニチカ | 3103 |
リズム時計工業 | 7769 |
ルックホールディングス | 8029 |
岩崎電気 | 6924 |
鬼怒川ゴム工業 | 5196 |
共栄タンカー | 9130 |
五洋インテックス | 7519 |
合同製鐵 | 5410 |
黒崎播磨 | 5352 |
佐世保重工業 | 7007 |
佐田建設 | 1826 |
三晃金属工業 | 1972 |
市川毛織 | 3513 |
新日本理化 | 4406 |
石川製作所 | 6208 |
地域新聞社 | 2164 |
中山製鋼所 | 5408 |
東都水産 | 8038 |
東邦亜鉛 | 5707 |
日特建設 | 1929 |
日本アルミ | 5934 |
日本カーバイド工業 | 4064 |
日本バルカー工業 | 7995 |
日本配合飼料 | 2056 |
富士紡ホールディングス | 3104 |
保土ヶ谷化学 | 4112 |
北川鉄工所 | 6317 |
油研工業 | 6393 |
仕手株として注目された銘柄
櫻島埠頭 | 9353 |
ジャストプランニング | 4287 |
ネクストウェア | 4814 |
フライトホールディングス | 3753 |
ビリングシステム | 3623 |
アイレックス | 6944 |
RVH | 6786 |
ファイバーゲート | 9450 |
カナミックネットワーク | 3939 |
バーチャレクス・ホールディングス | 6193 |
メドピア | 6095 |
セキュアヴェイル | 3042 |
仕手株に関する口コミ掲示板
仕手株の情報をいち早く知るためには、時としてYahoo掲示板などのクチコミ掲示板が役に立つ事があります。しかし、書かれている情報を全て鵜呑みにするのではなく、あくまでも一般の情報として受け入れた上で判断を下す必要があります。
特に、特定の仕手株が盛り上がっている間は口コミ掲示板もお祭り騒ぎになり、根拠のない情報が飛び交うこともありますので、じっくりと情報を見定めた上で判断するようにしましょう。
そんな、仕手株の情報収集に役立つ口コミ掲示板をいくつかご紹介します。
【仕手株】恐るべき注目銘柄株速報
https://kabu-sokuhou.com/review_board/
市況実況1板(個別銘柄・セクター・国内市況の実況、暴騰暴落等)
http://hayabusa3.2ch.net/livemarket1/
株式板(相場談義、証券会社、質問相談等 )
http://anago.2ch.net/stock/
ニュース速報+(新聞社サイトソースを中心にさまざまなニュースを取り扱う)
http://uni.2ch.net/newsplus/
Yahoo!ファイナンス掲示板
http://finance.yahoo.co.jp/
まとめ
いかがでしたか?今回はハイリスク・ハイリターンな仕手株について解説しました。
最後に簡単にポイントを整理すると、
・比較的、株価が安価なボロ株が仕手株に選ばれやすい
・仕手株を扱う際には売買のタイミングに気をつけること!
・仕手筋は様々な手口を使って相場を操作してくる
・仕手株を見極める際には、浮遊株の数や貸借倍率にも注意すること
・仕手株の塩漬けは絶対にNG
・仕手株を購入してしまった際にはすぐに売り注文を入れる
・仕手株の情報収集には口コミ掲示板が便利
・仕手株投資をする際にはネット証券がおすすめ!
といった感じですね。
株式投資の初心者には少し難易度の高い仕手株投資ですが、その分、他の投資ではありえないようなリターンがあるのも事実。「腕に自身のある」「一発逆転を狙いたい」といった人は、十分注意しながら仕手株投資に挑戦しましょう。
もしかしたら、数倍を超えるような利益が見込めるかもしれませんよ…?
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