「株式投資は儲かると聞くけど、誰でも実現できるの?」
株式投資に興味を持ったとき、あるいは始めたばかりのとき、こういった疑問を浮かべる方は少なくないはず。
結論からいえば、株式投資で儲けることは誰にでもできます。
しかし、なんの工夫もなく、簡単に実現できるというわけではありません。
利益をもたらすことがある一方で、損失をもたらす可能性もあることを考慮しておかないと、成功への道のりは程遠いものとなってしまうでしょう。
そこでこの記事では、株式投資で儲けるためにかならず知っておきたいことを詳しく解説します。
株式投資の基礎を理解し、儲かる確率をアップさせましょう!
この記事を書いた人 ファイナンシャルプランナー 児玉一希 | |
プロフィール・所持資格 | 日本ファイナンシャル・プランナーズ協会が定めている、ファイナンシャルプランナー技能士の資格を有し、当サイトの監修活動を始め、相場情報のまとめやコラムを寄稿する活動なども行なっている。 |
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株は本当に儲かるの?
株式投資で1円でも多く儲けるためにまず理解しておきたい要素として、「株の儲かる仕組み」が挙げられます。
この仕組みの理解こそがスタートラインであり、ここがあやふやなままで株式投資に臨んでも、大した利益は期待できないと言わざるを得ません。
はじめに株の儲かる仕組みの説明を、次に株式投資で実際に儲けている人たちの特徴をご紹介します。
株の儲かる仕組みは3種類
株式投資で利益を得る方法は、以下の3種類があります。
【株式投資で利益を得る方法】
・値上がり益(キャピタルゲイン)
・配当駅(インカムゲイン)
・株主優待
必ずしもこれらすべてを活用する必要はありませんが、覚えておいて損のないことは確かです。
それでは、順番に見ていきましょう。
値上がり益(キャピタルゲイン)
値上がり益とは、買った株の価値が上がったとき、それを売った際に得られる差益を指します。
たとえば100円で買った株が150円で売れたとしたら、差額の50円が値上がり益です。
ただし、株式投資で得た利益には税率20.315%の税金が発生するため、この値上がり益はまるまる自分の利益になるわけではない点に注意しましょう。
たとえば100万円の値上がり益を得たとしたら、そこからおよそ20%、つまり約20万円が税金として差し引かれてしまうのです。
納税時の計算が面倒ですが、「年間の総利益の20%は税金となる」と覚えておけば混乱してしまうことはありません。
配当(インカムゲイン)
株式投資は値上がり益のみならず、配当によっても利益を得られます。
配当とは、企業がその事業で大きな利益を出したとき、その一部を株主へ還元するものをいいます。
投資した企業が配当を出していた場合、持っている株の数に応じて配当金を受け取れるのがポイント。
配当金額は企業によって違いがあり、どこが良いかは「配当利回り」を見ることで判断できます。
【配当利回りの計算】
配当利回り(%)= 1株あたりの配当金 ÷ 現時点の株価例:
配当金が20円、A社の株価が1,000円であれば、
20円 ÷ 1,000円 = 2%(配当利回り)となる
配当金を受け取るには、権利確定日(決算日)の3営業日前に対象の株を持っていなければなりません。
日本の企業は毎年3月31日に決算するところが多く、ゆえに権利確定日も同日がメインとなります。
より効率的に利益を得るならば、配当を出している企業をチェックしましょう。
株主優待
「株主優待」とは、企業が株主に対して自社商品やサービスなどの優待品を無料でプレゼントしてくれる制度です。
株を長く保有しているともらえるところが多く、プレゼント内容は金券や割引券などがあります。
値上がり益および配当とは違い、直接的にお金をもらえるわけではありませんが、金品相当のものを受け取れるため、株主優待を利用している投資家は多いです。
中には、優待品を目当てにその企業へ投資している方も存在します。
もらえる優待品は企業によって異なりますので、欲しいものが具体的にイメージできているならば、それに沿って投資したい企業を探すのも一つの手ですね。
株で儲けている人の割合は全体のおよそ20%
「株式投資で儲けられている人は全体の1~2割」
あなたが以前にも株で儲ける方法を調べていたとしたら、上記のような言葉を目にしたことがあるのではないでしょうか。
この言葉はあらゆる場所で見られこそするものの、実際の割合を知るのはむずかしいのが実情です。
しかし「パレートの法則」を株式投資に適用するならば、おおよその割合を考察することができます。
パレートの法則とは、あらゆるものが80:20の割合に集約される法則です。
つまり、株式投資で儲けている人は20%で、残り80%の人は儲けられていないと考えられます。
株式投資でコンスタントに儲けるのは簡単ではない、ということがうかがえますね。
株で儲けている人の多くは「長期投資」がメイン
株で儲けている人の多くは、今後に業績が伸びそうな企業の株式を長く保有する「長期投資」をメインにしています。
株で成功できている人たちは、短期間で一気に儲けることを良しとしていません。
たしかに短期投資は手っ取り早く利益を上げるチャンスのある場ですが、相応のリスクが常に付きまといます。
彼らはこのリスクを承知しているため、目先の利益は追わず、長い目で少しずつ儲ける手段をとっているのです。
世界一の投資家と呼ばれる「ウォーレン・バフェット」氏も同様に、企業分析やテクニカル指標を活用しつつ、長期投資で大成功を掴み取りました。
短期投資をメインに生計を立てている人もいますが、それもリスクを完璧に把握できているからこそ成せる業というもの。
厳しいようですが、こちらは投資初心者にはまず向いていないといえるでしょう。
「急がば回れ」の精神で臨むのが、株式投資において間違いのない攻略法と考えられますね。
株の平均利回りは年間5~6%ほど
株式市場全体の平均利回りは、年間をベースにすると5〜6%程度とされています。
たとえば100万円で株式投資を行なったとしたら、1年で得られる利益の平均額は5~6万円、つまり105~106万円に増えることになります。
プロの個人投資家や機関投資家がいる中で平均利回りがこの程度しかないのは、利益を得られていない人が大半を占めているためと考えられるでしょう。
投資初心者もはじめは上記の大半組に含まれますので、平均利回りを超える運用はかなりむずかしいとも考えられます。
株式投資で儲けるコツがわかってくるまでは、負担のかかる運用は避けるべきですね。
株で儲ける具体的な方法
株で儲ける基本は「安く買って、高く売る」であり、先ほどご紹介した「配当利回り(キャピタルゲイン)」がこれに該当します。
これだけだとなんだか簡単そうに見えますが、実際はそうではないことは、ここまで読んでいれば理解できていることでしょう。
ここでは、上記の基本によって儲けるポイントを具体的に説明していきます。
売買タイミングを見極めよう
株で儲けるための重要ポイントは、買うタイミングと売るタイミングの双方を見極めることです。
当然といえば当然ですが、株価が高値をつけているときに購入したり、株価が底値であるのに売却していては、儲けることはできません。
しかしながら相場の動きを読めていないと、こうしたミスを起こしてしまうのです。
売買タイミングを見極めるには、売買高やテクニカル指標などを用いて、市場の動向を探るのが手軽かつ有力です。
また、買うタイミングは適切だったけれど、売るタイミングが良くなかったというケースもあります。
その主な理由は「押し目」という、上昇中に起こる一時的な下落が挙げられるでしょう。
押し目で売却して損失を積み重ねないためにも、日々の分析は欠かせません。
また、株の利益確定はこまめに行いましょう。
株価はランダムに動くものですから、途中で利益が出ている状態(含み益)で保有しつづけることも可能です。
しかし、その利益は確定するまでずっとプラスでいられるわけではありません。
先述した押し目でマイナスに転じるパターンは珍しくありませんので、ある程度の含み益が出ていたら確定させてしまいましょう。
このようにこまめに利益を確定したほうが、小さな利益とはいえ確実に積み上げられます。
株式投資に欲張りは禁物であるため、くれぐれも繊細な立ち回りを心がけてください。
購入したいと思っている企業について詳細な分析を行い、その企業が所属する業界全体の動向も踏まえた上で、長期的な目線で利益を得ることを考えましょう。
企業の情報もチェック
株で儲ける基本は値上がり益ですが、「配当」と「株主優待」も魅力があるため、これらを活用しない手はありません。
まず配当ですが、これによって利益を得るためには、企業がきちんと利益を出しており、配当をしている企業を選ぶのが大前提です。
とはいったものの、企業によっては配当を行っていないところもあります。
利益が出ていない企業は基本的に配当がないため、配当による利益も狙う場合は確認漏れに注意しましょう。
次に株主優待ですが、こちらは先ほどお話ししたとおり、企業によってもらえる優待品が異なります。
金券や商品券、サービスなどがありますので、自分の好みに合わせて株主優待を選ぶようにするのがおすすめです。
最近では、株主優待についてまとめたサイトなども多くあるので、情報が集めやすくなっています。
株の選び方も重要
株で儲けるためには、ある程度株価が動き、売買高の多い株式を選ばなければなりません。
株式投資における売買高は「流動性(ボラティリティ)」といい、これが低い企業は株価がほとんど動いていないことになります。
つまり短期・長期に関わらず、利益はさほど期待できません。
ただしこれは値上がり益に注目した場合の話であり、配当に注目した場合は事情が変わってきます。
たとえ流動性は低くとも、業績が比較的安定している企業であれば、配当によって稼ぐことは可能です。
このように、値上がりで稼ぐのか、それとも配当で稼ぐのかで株式銘柄の選び方は大きく異なります。
これは株主優待に関しても例外ではありません。
3種それぞれ稼ぎ方が違えば銘柄の注目ポイントもまた違いますので、稼ぎ方に合った選択をできるスキルが求められます。
値上がり益を狙うのであれば、株価が比較的動くことが多く、売買高も多い企業を選ぶのがベターです。
そもそも株価が動かなければ値上がり益は期待できませんし、売買高についてもこれが多くないと、自分の売りたいタイミングで買い取ってくれる人がいない可能性が高まります。
一方、配当で稼ぐ場合には、安定した業績と配当性向の高い企業の株を購入しなければなりません。
株価は急落するリスクが常にあるため、流動性の高い企業の株式を長期間保有する際は管理を怠らないようにしましょう。
株主優待をメインとする場合も、それに合った選び方を確立させたいところです。
具体的に何が欲しいのか、その企業は投資しても問題ないかなど、自分なりの基準に合わせて選ぶようにしてください。
株で本格的に儲けるなら空売りも活用しよう
ここまで「株は安く買って、高く売る」ことに絞ってお話ししましたが、株は売りから取引を始めることも可能です。
一般的に、これを「空売り」といいます。
空売りとは信用取引を利用した株取引の一種で、証券会社から株を借りて売却し、その株が値下がりした時点で買い戻して返却することで差益を得る投資方法です。
つまり空売りの理想は「高く売って、安く買う」というわけですね。
現物取引は株を実際に保有していないと始められないため、取引をするにはまず株を購入しなければなりません。
しかし信用取引であれば、株を保有していなくても売ることができます。
空売りの流れは、簡単にまとめると以下のとおりになります。
【空売りの流れ】
現在の株価:1,000円(例)①1,000株を借りる(1,000円 × 1,000株で100万円ぶん)
②そのあと株価が600円まで下降したので、ここで買い戻し
③差額の400円 × 1,000株=40万円が利益となる
実際は税金が発生するため、40万円をまるまる獲得できるわけではありませんが、おおむねこのとおりに覚えておけば問題ないでしょう。
普通であれば株価の下降は歓迎されないものですが、そこで空売りを利用すれば、このような状況でも利益を期待できるようになります。
ただし信用取引には、原則6ヶ月の返済期限が定められている点に注意です。
信用取引は借りた株を使って取引するものであるため、後にかならず証券会社へ返さなければなりません。
株を返していないまま6ヶ月が経過すると、強制的に損失が確定してしまいます。
現物取引より繊細なリスク管理が要求されることと、長期投資に向いていないことが空売りのデメリットといえるでしょう。
株で儲けるための基本的な買い方
ここまで株の選び方と買い方、それぞれの基本について説明しました。
株式投資でしっかり儲けるならば、このどちらもマスターしなければなりません。
最後に、株で利益を得るための正しい買い方を詳しくご紹介します。
買いの基本は「順張り」
株式取引には「順張り・逆張り」という投資方法があります。
上昇トレンド中に株を購入するのは順張りで、下降トレンド中に購入するのが逆張りです。
このうち推奨されているのは、前者の順張りになります。
順張りは大まかな流れに沿った動きをすることになりますので、むずかしく考える必要がないためです。
「上昇中にとりあえず買って、下がり始めたら売る」と、これを守るだけで大小あれど利益を得やすくなります。
一方の逆張りは、直後に株価が上がり始めれば底に近い状態から取引を開始できますが、下がり続けた際の損失が計り知れません。
よって、こちらは玄人向けの投資方法といえるでしょう。
順張りはその性質上、逆張りよりもエントリーのタイミングが遅れるため、期待できる利益についてはどうしても劣ります。
ですが下落したときのリスクが低くなりますので、比較的安全にトレードを行うことができます。
株式投資は、一攫千金を狙うような場ではありません。
ゆえに、大きな利益を出そうとするのではなく、できるだけ損失を出さないような投資を行うよう心がけたほうが、あとあと大きな結果を掴みやすいです。
初心者であるうちは逆張りをせず、順張りで投資しましょう。
また、欲を優先して破産などという事態に陥らないよう、自分用のトレードルールを作るのもおすすめです。
株式投資を始めたばかりのときは、どうしても欲が前に出てしまいがち。
たとえば持っている株がどんどん値上がりしているような状況にあったとしたら、「もっと上がってから売りたい」と考える人が多いです。
しかし株価は上下するのが常ですので、当然ながらいつかは反落します。
ただ、そのタイミングを見極めることはプロであってもむずかしいため、そこで自分のルールを適用させることになります。
「◯◯円まで上がったらかならず利益確定」「◯◯まで下がったら絶対に損切り」と、私情を挟まないトレードを継続させるのが成功のコツといえます
売るタイミングは事前に定めよう
株式投資は売りのタイミングが極めて重要です。
理想だけいえば「なるべく天井に近い地点で売る」ですが、これは絶対の正解ではありません。
天井にとらわれるあまり、急な反落に巻き込まれてしまうケースが間々あるからです。
購入したい銘柄を見つけたら、実際に買う前に自分の期待する利益と耐えられる損失を決めておきましょう。
こうして投資のルールを決めて、そのルールに従ったトレードをすることで利益を得やすくなり、メンタルへの負荷も軽減できます。
ルールを作っていないと、含み益・含み損のいずれにおいても悪影響を及ぼしがちです。
前者は「もっと上がるはずだ」とつい欲張ってしまい、後者は「じきにまた上がるだろう」と放置してしまう傾向にあります。
含み益についてはそのまま上がれば良いですが、含み損はそうはいきません。
含み損の発生している株を保有しつづける行為は「塩漬け」と呼ばれます。
塩漬けにしてしまうと損失がどんどん膨らみ、最悪の場合は投資に回す資金が足りなくなる羽目になるため、絶対に避けなければなりません。
もし含み損が発生してしまい、かつ許容できるラインを越えたら、その時は割り切って損切りしましょう。
逆に、株価が上がっている状況であっても、自分が期待しているだけの利益が出たのであれば、欲張らずに売ったほうが良い結果となりやすいです。
株価はいつ急落するかわかりませんので、目標利益に届いた時点で売ることを強くおすすめします。
含み益・含み損のどちらにおいても、一度決めたルールに従うのが大切ということですね。
得た利益には税金が発生する点に注意
株を売って利益が出たり、もしくは配当金をもらったりした場合、その利益に対して20.315%の税金が発生します。
利益を得たにも関わらず、税金を支払わなければ脱税となる可能性もありますので、かならず納めましょう。
株式投資にかかる税金は、値上がり益に対してかかる「譲渡益課税」と、配当に対してかかる「配当課税」の2種類があります。
いずれも税率は20.315%(所得税15.315%+住民税5% ※所得税に復興特別税を含む)となっており、すべての投資家に共通します。
税金が発生するわけですから、株式投資で利益を得た際も原則として確定申告をしなければなりません。
ただし、証券会社で扱っている「特定口座」を利用すれば、源泉徴収を証券取引側で行なってもらうことが可能です。
特定口座を利用すれば、確定申告まわりの手間をカットできるため、がっつり投資する方に向いています。
特定口座は、証券会社へ口座開設の申込みをする際に選択できます。
「特定口座利用の申し込み」といった旨の項目があるので、そこで「特定口座・源泉徴収あり」を選びましょう。
これで、確定申告に振り回されることなく株式投資へ臨めるようになりますよ。
まとめ
株式投資は誰でも儲けられる可能性のある場ですが、それは基本をしっかり理解してからの話です。
買い方と売り方をはじめ、利益と損失のバランスに自分用のトレードルールと、覚えるべきことがたくさんあります。
起こりうる損失は怖いものですが、正しいトレードルールを作り、欲に呑まれることなくそのルールに従いつづけてさえいれば、大きな損失を被るまでには至りません。
株式投資における最大の敵は、自身の欲求です。
100%の正解は存在しませんが、初めのうちはハイリスク・ハイリターンよりもローリスク・ローリターンに動いたほうが、正しくスキルを上げられることに揺るぎはありません。
最初は長期投資からスタートして、長い目でコツコツと経験と資産を積み上げていってください。
そうして得たものは、絶対に無駄にはなりません。
この記事が、あなたのトレードスタイルを確立させるきっかけとなれば幸いです。
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