投資を行う前に、投資をするときに是非とも知っておきたい用語を理解しておくことは大切です。専門用語をきちんと理解していないと、重要な発表やニュースなどがあったときに正確に情報を読み取ることができません。
この記事では、投資を行うのであれば是非とも知っておきたい用語として、「物価上昇率」についてわかりやすく解説していきます。
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この記事を書いた人
ファイナンシャルプランナー
児玉一希
プロフィール・所持資格
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物価上昇率とは
物価上昇率とは、前月または前年などある時点を基準とした価格変動の上昇の度合いを測る経済指標のことを言います。物価上昇率はインフレ率と呼ばれることもある用語です。
物価の安定は、経済が安定的かつ持続的に成長していくために必要不可欠なことです。中央銀行は、物価を安定させることによって国民の生活を安定させる役割を担っています。単に物価と言っても、物価上昇率を測定する際に用いられる数字には様々なものがあります。
物価上昇率とは:物価上昇の例や理由とは
物価が上昇する理由は、モノの価値がお金の価値よりも高くなることによって起こります。たとえば、市場においてりんごが1個100円であった場合を想定してみましょう。この時、りんご1個と100円の価値は釣り合っているといえます。
しかし、毎年りんごは100円で販売されるわけではありません。気象状況などが影響してりんごの収穫数が少ない年もあります。
その場合、りんごの価値が上がるため、100円ではりんごを購入することができなくなります。このとき、りんごの価値が上がっていることを物価の上昇と言い、物価が上昇するのは、その価値が高くなったからと考えることができます。
物価上昇とは:指標の代表例
物価上昇には、集計する対象によって複数の指標があります。
代表的な物価上昇を示す指標には、
消費者物価指数(CPI)
企業物価指数(CGPI)
企業向けサービス価格指数(CSPI)
があります。
消費者物価指数とは、消費者が実際に財を購入する段階での商品の小売価格を物価として、その変動を表す指標です。
一方、企業物価指数は、企業間での商品の取引価格を物価としてその変動を表す指標です。商品の需給動向を反映しているので、景気判断に活用することができます。企業物価指数は、国内企業物価指数・輸出物価指数・輸入物価指数によって構成されています。
さらに、企業向けサービス価格指数とは、企業間で取引されるサービスの取引価格を物価としてその変動を表す指標です。情報通信・運輸・金融・保険などのサービスの需給動向を把握することによって景気動向の判断材料とします。
物価上昇率の関連用語とは
以下では、物価上昇率という用語をよりよく理解するための必要な用語について説明していきましょう。
物価上昇率の関連用語①「インフレ」
インフレとは、みんなが欲しい量より商品が少なくなったときに、商品の値段が上がり、お金の価値が下がることを意味する言葉です。ものの値段が全体的に上がり、お金の価値がさがることでインフレは起こります。物価上昇とインフレは同じ用語です。
物価上昇率の関連用語②「インフレターゲット」
インフレターゲットとは、特定の物価上昇率に対して、中央銀行が一定の範囲目標を定め、それに収まるように金融政策を行うことを言います。インフレ率が高くなりすぎることを防ぐことを目的に行われますが、インフレ率が低くなりすぎることを防ぐことを目的に行われることもあります。
物価上昇率の関連用語③「消費者物価計算機」
消費者物価指数を自分で計算することは非常に難しいですが、消費者物価計算機で計算すれば非常に簡単に計算することが可能です。2019年1月現在、消費者物価計算機を使って、1992年から2017年までの消費者物価指数を計算することができます。
物価上昇率の求め方
物価上昇率の様々な指標は日本銀行や政府によって公表されていますが、それがどのように計算されているのかを知ることは大切です。以下では、消費者物価指数の求め方について解説していきます。
物価上昇率の求め方:計算方法
物価上昇率の指標となる消費者物価指数は、日本をはじめ世界各国でドイルのラスパイレスという経済学者が考案した計算式によって計算されています。まず指数の基準時を決めることから始めます。
たとえば、平成30年の1年間に消費者が購入する商品について調べてまとめ上げます。その後、たとえば、1年間でその商品を購入するために30万円かかっていた場合、平成31年に同じものを購入すると31万円かかるとすると、買い物のための費用はおなじではありません。物価が上がったことによって、前年と比較して1万円多く費用がかかっています。
このとき、平成30年を100とすると、平成31年の31万円は比例計算によって103.3%であることがわかります。
数学的に計算式を示せば、上のようになります。ここでpは商品の価格、qはその購入数量を示し、添字の0は基準時、tは比較字、1,2,3,・・・・・・, nは個々の品目を示しています。Σという記号はすべての品目を合計することを意味する記号です。
物価上昇率の求め方:確認方法
上で説明しているように、物価上昇率を求めるためには、1年間の材の価格などを調べなければなりません。自分で調べるのは非常に困難ですが、IMF(国際通貨基金)のサイトやe-Stat(政府統計の窓口)からデータをダウンロードすることが可能です。
IMFからデータをダウンロードする場合には、タブにあるcountriesからJAPANを探します。その後、JAPANのリンク先からGPAとインフレ率の推移を確認することが可能です。
さらに、グラフの下にある「Source:IMF DataMapper」をクリックすることで、Excelデータを入手することが可能です。
消費者物価指数のデータを政府統計からダウンロードする場合、総務省統計局のページから「年平均(1970年平均~最新年平均)」をクリックして、政府統計の総合窓口からアクセスする必要があります。
政府統計の中のキーワード欄に、消費者物価指数と入力して検索ボタンを押すだけで簡単にデータが入手できます。データはCSVファイルで入手可能で、消費者物価指数の時系列データを入手可能です。
物価変動率から物価指数を求める方法
物価変動率さえわかっていれば、物価指数を求めることができます。物価変動率から物資数を求める計算式は次の通りです。
前年の物価指数 = 今年の物価指数 ÷ (1+今年の物価変動率)
物価上昇率の活用
非常に有用な物価上昇率、これの実際の活用方法を、様々な事例をあげながら解説していきます。
2018年の日本の物価上昇率
2018年9月現在、日本の全国消費者物価指数は7ヶ月ぶりに前年比1%上昇しました。しかし、2017年度は海外経済が総じて着実な成長を遂げる一方で日本の成長率は冴えないのが現状です。
消費者物価の前年比はプラスで推移しているものの、景気の拡大や流動需要の引き締まりと比較すると、極めて弱いと言わざるをいえません。賃金・物価については上がりにくいため、まだまだ今後も物価が上がることはないと考えられます。
日本政府としては、当面インフレターゲットとして2%の物価安定を目指しているもののまだまだその域には達していません。
世界の物価上昇率と比較
アメリカ・ドイツといった先進国と比べると、日本の物価上昇率は低くなっています。
2018年の消費者物価指数は、ロシアが3.67、インドが3.60、イギリスが2.68、米奥が2.14、オーストラリアが1.97、韓国が1.94、ドイツが1.70、イタリアが1.33、フランスが1.17、日本は0.47、となっており、世界の先進諸国と比較してもかなり低い水準にあることがわかります。
物価上昇率の3つの見方
消費者物価指数を解釈する方法としては3つの見方があります。帰属家賃を除く「総合」、生鮮食品を除いた「コア」、生鮮食品・エネルギーを除いた「コアコア」です。
現実の物価上昇を示し、実質値を計算するためにも使われている帰属家賃(持主世帯が仮に家賃を払った場合という架空の数字)を覗いた数字が現実の物価上昇を示し総合となります。
さらに、日銀では生鮮食品を除いた指標を使って物価上昇率を判断しています。これが「コア」と呼ばれる指標です。さらに、上で述べた生鮮食品とエネルギーを除いたもので消費者物価指数を解釈する方法もあります。
物価上昇率の目標2%とは
日本銀行は物価上昇率の目標を2%としています。これはつまり、2%くらいずつ物価が上がる世の中が良いと日本銀行が判断していることになります。物価上昇率2%を達成するために、日本銀行はお金の量や金利をコントロールする金融政策を行っているのです。
法律で、日本銀行の仕事は物価の安定を図ることであると規程されており、物価の安定の最適な水準が2%であると日本銀行は判断しています。ちなみに、この物価上昇率2%という目標は世界窮通の目標でもあり、連邦準備制度理事会やヨーロッパ中央銀行も2%の物価上昇率を目標にしています。
実践!物価上昇率まとめ
IMFが実際に出しているデータを元に、どのように物価上昇率が推移してきたのかを解説します。過去、現在、未来、3つの視点から紐解いていきますので、ぜひご覧ください。
実践!物価上昇率:日本の物価上昇率の推移
出所:IMF(World Economic Outlook Databases)
日本の消費者物価指数は上の表のようにまとめることができます。1980年には74.47%であった消費者物価指数は2018年には、101.56%となっており、緩やかに上昇していることがわかります。また、消費者物価指数の前年に対する上昇率を示す物価上昇率は、以下の図の通りです。
出所:IMF(World Economic Outlook Databases)
この表からわかるように、物価上昇率は緩やかに収束しており、最近では、およそ日銀が目標としている2%以内に収まっていることがわかります。
実践!物価上昇率:日本と世界の推移を比較
日本と世界の消費者物価指数を比較してみると次のようになります。
出所:IMF(World Economic Outlook Databases)
このようにみると、日本の消費者物価指数だけが1990年代からほとんど変わっていないことがわかります。アメリカなどの消費者物価指数が向上しているということは、他の国はインフレとなっていますが、日本だけはインフレの逆であるデフレが進行していることがわかります。
実践!物価上昇率:2%目標は達成できるのか?
現在のところ、日本銀行が目指している物価上昇率2%は達成できていません。日銀の黒田総裁は2013年に就任して以降、一度もその目標を達成することができていません。就任当時は物価が下落する状況であったものの、その状況からは脱しました。
しかし、2019年現在でも物価はプラス1.20となっています。消費者物価の年度ごとも推移をみてもわかるように、日本では20年あまり物価上昇率2%を経験していないのです。したがって、将来の見通しとしても、物価上昇率2%を達成することは困難であると考えられます。
まとめ
投資をする場合、物価指数は非常に重要です。なぜなら、物価指数はその国の経済のバロメーターとなるほど重要なものだからです。物価指数を見れば、景気が良いのか悪いのかを判断することができます。
特に、長期投資をする場合には、物価指数を考慮して投資判断をしないと誤った意思決定をすることになりかねません。まずは、物価指数についてきちんと理解し、どのようにその数字は活用したら良いのかを知ることが大切です。
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