事実やデータなどを基に、理論的な分析が何より重要視されるように思われる株式投資ですが、実は明確な根拠の無い、言い伝えのようなものにも左右されることはご存知でしょうか?
それが、株の世界で一般的に「アノマリー」と呼ばれる事象。例えば、特定の曜日はなぜか株価が下落する傾向にあったり、ある月は大きく株価が上昇したりとさまざまなアノマリーがあり、中には「サザエさん」のようなアニメが関係しているものまで。
このようなアノマリーが相場に与える影響は意外にも大きく、もし知らずにいると「どうして相場がこう動いているかわからない」と戸惑う場面があることでしょう。
そこで今回は、個人のみならずプロの機関投資家にも意識されている「アノマリー」についてご紹介したいと思います。
アノマリーを知ることで理論的な分析だけではない株式投資の方法を身に付け、さらに投資家としてレベルアップしていきましょう!
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この記事を書いた人
ファイナンシャルプランナー
児玉一希
プロフィール・所持資格
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そもそもアノマリーってどういう意味?
アノマリーの意味は、既存の法則・理論からみて異常であったり、説明できない事象などのことです。状況によってはオカルトとも言われるようなもののことですね。
株など投資市場においては、1月効果、4月効果(初年度効果)、5月に売れ(Sell In May)などが有名です。
何か明確な根拠や理由があるわけではないのに、通説通りに相場が動くことがある現象こそがアノマリーであり、ファンダメンタルズやテクニカル分析とはまた違った要素になっています。
なぜ根拠もないのにアノマリー通りにことが進んだりするのか、有名なアノマリーの動き方などをこれから順番に解説していきます。
株式投資の3つの主な方法
株式投資の方法には主に「ファンダメンタルズ分析」「テクニカル分析」「アノマリー」といった3つがあります。
まずは、それぞれについて見ていきましょう。
企業の財務や業績などを分析するファンダメンタルズ分析
理論的な投資方法の代表とも言えるのが、1つ目の「ファンダメンタルズ分析」です。
ファンダメンタルズ分析では過去から現在までの、会社の財務状況や業績などのデータを基にして分析を行います。
そこで、会社の価値に対し現在の株価が割安か、将来に向けての成長が見込めるかどうかなどを判断することで株を購入するかを決定することとなります。
特に、数年以上に及ぶような長期投資をする上では、思わぬリスクを避けるためにも緻密なファンダメンタルズ分析をしておくことは欠かせないと言えるでしょう。
株価の動きを分析するテクニカル分析
数学による計算式や、統計学などの知識を応用して相場の分析を行う投資方法が、2つ目の「テクニカル分析」。
テクニカル分析では今現在の市場の株価の動きから、これから動く株価の動向を予測するためリアルタイム性が高く、数時間後~数日後といったような短いスパンで動きを見通すことが可能。
そのため、デイトレードやスイングトレードと言った短期的な売買ではテクニカル分析が多く活用されています。
根拠はないが経験則により当たりやすいアノマリー
”株式相場における言い伝え”に従う、といった投資方法が今回の記事のテーマでもある、3つ目の「アノマリー」です。
アノマリーとは例えば「○○月の株価は上がる」といったように、理論や法則などで説明ができないものの、これまでの経験則によりなぜか相場がその通りに動くことを指します。
投資家と言うと理論や事実を最重要視するイメージがあるかもしれませんが、意外にもこうした具体的根拠の無いアノマリーもかなり意識されており、これに従ってトレードを行う方も多く存在します。
アノマリー通りに動く理由
広く伝わっているアノマリーですが、そもそもなぜ、その通りに相場が動くのでしょうか?
その理由についても考えてみましょう。
それぞれの投資家が売買するタイミングが毎年決まっているため
大きな理由として挙げられるのが、機関投資家や外国人投資家などの相場に影響を与える投資家たちが、毎年決まったタイミングで売買を行っていることがあるでしょう。
このような大口投資家たちも、新年度の銘柄入れ替えや夏休みのバカンスを控えた手仕舞いなどといったように、それぞれの事情があるため年ごとに一定のタイミングで売買を行う傾向があるのです。
それがアノマリーと一致するように株価を動かすため、結果としてアノマリー通りに相場が動いているように見えるといった考え方もできるでしょう。
アノマリーを信じる人が多いため
また、特に有名なアノマリーにおいては、それを信じる人が多いためにその通りに相場が動くということもあります。
アノマリー自体には理論的な根拠などはなくても、アノマリーを信じてトレードを行う投資家が多ければその分大量のお金の流れができるため、実際アノマリー通りに株式市場も動いてしまうのですね。
さらにトレンドに追従する順張りトレーダーなどが、その流れに乗って相場に参加することで、よりアノマリーの動きがはっきりと表れるといった事情もあることでしょう。
アノマリーの具体例
では、実際にはどのようなアノマリーがあるのでしょうか?
ここでは、さまざまなアノマリーの具体例についてご紹介します。
時期によって決まるアノマリー
アノマリーの中でも多いのが、時期によって決まるもの。年ごとの決算期や税金対策などといった事情に関係するため、アノマリーの中でも信憑性が高いとされています。
では、そのような時期によって決まるアノマリーを見ていきましょう。
1月効果
「1月は株価が上がりやすい」といったアノマリーです。
その理由としては、年末までに税金対策としての売りが出しつくされることや、年明けには新たに投資資金が市場に流入することなどが考えられます。
また、「1月の値動きが、その後1年間の値動きを左右する」といった見方もあり、1月の相場状況には何かと注目しておくことが大切と考えられます。
4月効果(初年度効果)
「新年度に入る4月には、株価が大きく上昇する」というアノマリーです。
これには新年度に入ると機関投資家などがポートフォリオの組み換えを行うことや、3月に売られた分の反動で買われる、などが理由として考えられます。
また、「新年度に入り心機一転、ポジティブなムードになる」といった気分的な理由も中にはあるとされています。
5月に売れ(Sell In May)
特に米国株においては「5月に売れ(Sell In May)」というアノマリーが有名です。
この理由は、6~9月までは相場が調整に入るケースが多いため、株価の高い5月に売ることが適すると考えられていることにあるよう。
米国株の動きは日本株にも密接に関係しますので、日本株を取引する私たちも覚えておきたいアノマリーですね。
夏枯れ相場
7月の終わりから8月にかけて、日本株の相場参加者が少なくなり取引に勢いがなくなることを指すアノマリーです。
これには、相場を動かす存在である日本・海外それぞれの機関投資家がお盆休みやバカンスに入ることが理由にあると考えられます。
この夏枯れ相場もあることから、先ほどの「5月に売れ」というアノマリーに、「9月まで戻ってくるな」という言葉が付けたされることもあります。
曜日効果
「月曜は売られ、金曜は買われる」「水曜日の相場は軟調」といった、曜日に関するアノマリーです。
理由としては、週末の悪材料が月曜に反映される、休み前で浮かれた金曜に買われる、SQ値の発表に向けて手控えとなる、といったことが挙げられるようです。
ただし、同じ曜日でも「上がる」「下がる」と全く逆のアノマリーが言われていることもあり、これについてはあまり鵜呑みにしないほうが良いかもしれません。
イベントによって決まるアノマリー
株価への影響があるような、選挙やオリンピックのようなイベントに関するアノマリーも存在しますので、いくつかご紹介します。
アメリカ大統領選挙
アメリカの動向は日本経済にも大きく影響するため、特に大統領選挙ともなるとさまざまなアノマリーが言い伝えられています。
アノマリーによれば、一般的に選挙の前年は株価が上昇するとされています。これは、各政党が当選するために経済にプラスとなる政策を打ち出してくるため。
さらに、選挙が行われる年については米国経済への期待が高まることから、ドル高になるとのアノマリーも。つまりは円安となりますので、輸出企業の多い日本にとっては株価の追い風になりますね。
オリンピック
2020年には東京オリンピックが開催されることが話題ですが、そんなオリンピックに関するアノマリーもあります。
それは、「オリンピック開催国の株価は上がる」というもの。と言ってもこれについては、オリンピック開催に伴う公共事業の増加や観光客の消費による経済効果など、具体的な根拠が挙げられますので、アノマリーと言うよりは「市場テーマ」といった捉え方をするのが良いかもしれませんね。
アニメによって決まるアノマリー
意外に感じられるかもしれませんが、相場とはあまり関係ないように思われる、「アニメ」によって決まるアノマリーも存在するのです。
サザエさん効果
「サザエさん」の視聴率が高くなると株価は下がり、視聴率が低いと株価は上がるといったアノマリーです。
一見でたらめのように聞こえるかもしれませんが、実はこれにはちゃんとした理屈があります。
それは、日曜夕方に放送されている「サザエさん」の視聴率が高いならば、それだけ休日を家で過ごしている人が多いと考えられ、消費活動が控えめとなっていると考えられる、ということ。
逆に「サザエさん」の視聴率が低ければ、外出している人が多く、消費活動も盛んであると考えられるのですね。
ジブリ効果
毎週金曜に、日本テレビでは「金曜ロードショー」として映画が放送されていますが、そこで「ジブリ映画」が流れると次週の相場が荒れる、といったアノマリーもあります。
これについては、あまりはっきりとした理由は不明なものの、強いて言えば金曜が米雇用統計の発表と重なったケースや、単に週末の悪材料が月曜に反映されている、などが考えられるでしょうか。
アノマリーの注意点
うまく活用すれば、他の投資家が気付かないような場面でも利益を得られるアノマリー。
ですが、やはり根拠のはっきりしないものである以上、活用する上では注意点がありますので、それについても見ておきましょう。
今でも成り立つアノマリーかどうか確認すること
アノマリーには古くから伝わるものから、最近になって言われるようになったものまでさまざまですが、投資に役立てる上で大切なのは「今でも成り立つアノマリーかどうか確認すること」。
アノマリーが広く知られてしまうと、多くの投資家がそれを利用しようとするために、結果として、今となってはその効果がなくなっていることがあります。
例えば本記事内でご紹介した「1月効果」などは、一般的になりすぎたゆえに現在ではあまりその効果に期待することができなくなってしまった例と言うことができるでしょう。
なのでアノマリーで利益を上げるためには、たとえ信憑性のあるアノマリーを発見したとしても、むやみに他人に言わないようにすることも大事ですね。
アノマリーだけに頼りすぎない
多くの投資家と同じ動きをしていては大きな成功は得られず、そこで意表を突いたトレードをするためにアノマリーは有効です。
しかしアノマリーを鵜呑みにして、あまりに現在の相場の流れと逆行するような売買を行ってしまえば、その分大きく負けるリスクが高まってしまうこともあり、注意が必要。
なので、アノマリーはあくまで判断材料の一つと考え、そこにファンダメンタルズ分析やテクニカル分析を組み合わせて判断することで、失敗するリスクも抑えることができ、勝率を高められることでしょう。
まとめ
今回は、株におけるさまざまなアノマリーについて解説いたしました。
アノマリーには明確な根拠が無いとはいえ、意識する投資家はかなり多く、それにより実際その通りに相場が動くということもあるのですね。
さまざまなアノマリーを学んでおくことで、他の投資家が気付かないようなチャンスを掴めることもありますので、是非ともいろいろと探してみるのもおすすめですよ。
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