サラリーマンとして働いていると、月々安定した収入基盤はあるものの、将来のことを考えた時にちょっと不安になることがあるのではないでしょうか?
最近では政府が「老後には2,000万円の貯蓄が必要」との報告書を出したことも話題となったように、もはや年金だけで十分な生活をしていくのは難しい時代になっていくようです。そこで、将来の資産形成の手段として非常に有効な「投資」を始めてみるのがおすすめ。
とは言え、サラリーマンだとなかなか普段投資に当てる時間が取れないことや、損をする不安があって躊躇ってしまうかもしれませんね。
そのような方のために、本記事では忙しいサラリーマンでも十分に行える、堅実な投資方法をご紹介いたしますので、是非とも参考にしてみてください。
行うのが早ければ早いほど、得られる利益も年々増えていき有利になる投資。是非ともこれを機にスタートし、将来に向けて着実に資産を築いていきましょう!
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この記事を書いた人
ファイナンシャルプランナー
児玉一希
プロフィール・所持資格
日本ファイナンシャル・プランナーズ協会が定めている、ファイナンシャルプランナー技能士の資格を有し、当サイトの監修活動を始め、相場情報のまとめやコラムを寄稿する活動なども行なっている。
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サラリーマンに向いている投資方法
普段は仕事で忙しい、サラリーマンに向いている投資方法にはどのようなものがあるのでしょうか?
まずは時間をあまり取らなくてもできる、おすすめの投資方法をご紹介します。
インカムゲインを狙いながら長期の株式投資
最初は最もポピュラーな投資方法である、株式投資の場合で考えてみましょう。株式投資では、モニターと向き合って行うデイトレやスイングといったトレードが一般的に思われるかもしれませんが、もちろんそれだけではありません。
忙しくてもできるトレードとして、
・株式を保有しているだけで、安定して継続的に利益を受け取ることができる、「配当金・株主優待狙い」
・株価を頻繁にチェックする必要がないので仕事に支障をきたすことなくでき、短期的な値動きに一喜一憂しなくてよい「長期投資」
などもあり、サラリーマンが株式投資を行うならばこうしたトレードスタイルが適しています。
どちらも長いスパンでの投資になるため、目先の値動きを気にしなくて良いのがメリット。なので平日は構わず仕事に打ち込み、休日の空いた時間に株式市場の動向をチェックするだけでも十分に続けることができますよ。
インデックス型の投資信託
資産運用の手段として、必ずと言っていいほど名前の挙がる投資信託。ですが、一口に投資信託といってもその種類はさまざまです。
そこで、忙しいサラリーマンに向いている投資信託を選ぶなら、「インデックス型」がおすすめ。「インデックス型」とは、TOPIXや日経平均株価など、指標(=インデックス)となる数値と変動が同じになるように運用して行く投資信託のことで、値動きが緩やかなため精神的な負担もあまりかかりません。
さらには手数料も安く設定されており、運用に手がかからないので、あまり投資に当てる時間が取れないサラリーマンにピッタリと言えるのではないでしょうか。
長期的な目線で効果が期待できる不動産投資
手堅い資産運用としてお馴染みの不動産投資。そのメリットとしてはやはり、アパートやマンションについての家賃収入で得られる不労所得や、購入時よりも不動産価値が上がった状態で売った時の売却益が大きいでしょう。
住民トラブルなどの管理に不安があるかもしれませんが、実はそれらは管理会社に任せてしまうことができるので、手間のかからない投資方法でもあるのです。
このような不動産投資は長い将来を見据えた時に、大きな効果が期待できますが、それだけに他の投資方法よりも多くの元手が必要となる面も。
じっくりと準備をし、十分に資金を貯めてから行いたいところですね。
サラリーマンが投資するうえで大切なこと
専業トレーダーとは異なり、仕事と両立して投資を行うサラリーマンには頭に入れておきたい大切なことがいくつかありますので、ここではそのような事柄について解説してまいります。
仕事に支障がでないようにする
投資に熱中しすぎるあまり、本業の方がおろそかになってしまっては本末転倒です。サラリーマンの場合はあまりに投資に費やす時間が多くなってしまわないように、仕事に影響が出ない範囲内で投資を行うよう心がけましょう。
また、例えばサラリーマンがデイトレードをしようと思っても、ザラ場中は仕事をしている以上、まともに行うのは不可能なものです。そのため、仕事かトレードのどちらか、または両方が中途半端になってしまうことに。
このようにならないためにも、行う投資の種類や求める利益について、まずは日々の仕事があることを前提に置き、両立できるように決めるのがポイントです。
大きな利益を求めすぎない
せっかく投資を行う以上、なるべく多くの利益を得られるようにしたいものですよね。ですが、サラリーマンが兼業トレーダーとして投資を行うのであれば、あまり大きな利益を求めるのは危険です。
大きな利益を期待すると、それだけ高額の資金を投入したり、倍率の高いレバレッジをかける必要があります。するとリターンが大きくなるのと同時に、もちろんリスクも大きくなってしまうため、投資に失敗してしまえば大きな損失を受ける可能性が増してしまうこととなるでしょう。
サラリーマンが投資を行う際に注目すべきは、実はリターンよりも「リスク」の方にあります。次の項で詳しくご説明しますが、投資は長く続けていればいるほど、自然と複利効果で得られる利益は大きくなるものです。
なのでサラリーマンのように長期投資を前提とする場合、短期間で大きなリターンを狙うよりも、大損で退場するリスクを回避しながら、少しずつ利益を重ねていくことが大切なのですね。
長期投資でコツコツ投資を続ける
サラリーマンが投資を行うならば、普段は仕事をしつつ、余裕のある時間で対応できる「長期投資」でコツコツ利益を積み重ねていくのが基本です。
このような長期投資では、リスクを小さく抑える効果があるだけでなく、得た利益を再び投資に回すことでどんどん利率の上がる「複利効果」も期待できます。そのため、投資期間が長くなるにしたがって、投資の平均収益率も安定して上昇していく傾向にあるのですね。
長期投資でさらにリスクを抑えるためには、相場が大きく下がったりする不測の事態を避けるためにも、一度にまとまった投資を行うのはNGです。何回かに投資タイミングを分けながら、コツコツと投資を続ける姿勢で臨むようにしましょう。
余裕のある資金で投資を行う
よく、投資に失敗して資産をすべて失ってしまったり、返済できないほどの借金を背負ってしまったりといったエピソードと共に「投資は怖い」といったような意見を耳にすることがあるかもしれません。
ですがそのような状況に陥ってしまうのは、たいてい生活に必要な資金まで投資に回してしまうのが原因。しっかりと余裕のある資金で投資を行っていれば、どんなに失敗しても決して生活がままならないほどの状況になることはありません。
どんなに分析を重ねリスクを抑えてみても、投資にはしばしば予測不能な事態が起こり得るもの。万が一損をしてしまっても生活に支障がでないよう、必ず余裕資金で投資を行うようにしてくださいね。
サラリーマン投資家は確定申告が必要になることも
サラリーマン投資家であっても、確定申告が必要になる場合もあります。
知らずに行い忘れてしまうと延滞税など余計にお金が取られてしまうこともありますので、事前に準備しておけるよう、ここで確定申告が必要な条件について確認しておきましょう。
給与所得以外の所得が20万円を超える場合など
基本的にサラリーマンは確定申告を会社が行ってくれますが、所得状況や投資の収益によっては自分で確定申告をする必要があります。
まず、会社の給料のほかに、投資により年間20万円を超える収益を得た場合には、サラリーマンであっても確定申告が必要になることを頭に入れておきましょう。
ある程度大きな資金で投資をしていれば、年間20万円以上の利益というのはいつの間にか達成していることも多いので、その際に確定申告を忘れないようにしたいところですね。
またこの他に、たとえ投資での年間収益が20万円以下であっても、会社からの給与として、年間収入が2000万円以上であれば、20万円以下でも確定申告が必要になります。
株式・投資信託などの配当金や売却益があった場合
株式投資や投資信託で使う証券口座には、「一般口座」や「特定口座」といったようにいくつか種類があります。その中で、証券会社によって自動で源泉徴収をしてもらえるのは「”源泉徴収あり”の特定口座」のみ。
それ以外の口座で、株式投資や投資信託を運用している場合には、配当金や売却益を得た年には確定申告が必要となるので注意してください。
ここで、投資による損失を出した場合には、利益分と相殺することで減税を受けられる制度もあるのを頭に入れておきましょう。
それは「損失の繰越控除」という制度で、確定申告をすると翌年に売却益になったときの利益から、損失分を引いて課税分を減らすことができます。
また、収益が「雑所得」となる先物取引やFXでの収入についてはどうなるのか?と疑問に感じられるかもしれませんが、これらの収益についても確定申告が必要とされています。うっかり行い忘れてしまわないよう、十分に気を付けて下さいね。
不動産投資をしている場合
不動産投資をしている場合には、「青色申告」もしくは「白色申告」をして、所得税を支払う必要があります。
この2種類の申告方法ですが、簡単に言えば「青色申告」とは、複数の帳簿により日々の取引を細かく記録する申告方法。
それに対し、「白色申告」とは簡易な帳簿記録で申告する方法で、青色申告の申請書を提出していない場合に行うこととなります。
一見、簡単に済ませられそうな「白色申告」の方が良さそうにも感じられるかもしれませんが、「青色申告」では減税を受けられるメリットがあるのです。
一定の要件を満たしていれば65万円の控除が受けられ、要件を満たしていなくても10万円の控除が受けられるので、「青色申告」をする方が節税効果が高くなるのですね。
また、不動産所得が赤字の場合には、給与などと損益通算することができるため、こうした制度を活用すれば大きな節税効果が生まれますよ。
まとめ
今回の記事では、サラリーマンに適した投資について解説いたしました。
基本的にサラリーマンに向いているのは、数年~数十年単位のスパンで行う「長期投資」。長期投資では目先の値動きに悩む必要がなく、週末など余裕のある時間に相場状況を確認するだけでも対応できるため、日々の仕事で忙しいサラリーマンにはピッタリなのですね。
記事の中でご説明した、確定申告が必要となる条件もしっかり頭に入れておきましょう。本業の仕事で安定した収入を得つつ、合わせて行う投資でも着実に資産を増やしていけると良いですね。
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